新物オリーブオイルを選ぶポイントをご案内します

選びたくなる新物オリーブオイル

秋になるとよく目にする新物エキストラバージンオリーブオイル(ここから下は、オリーブオイルと省略させていただきます)

緑色が綺麗なオリーブオイルは、いかにも濃厚で美味しそうだから、選びたくなっちゃいますよね。

でも、選び方や取り扱いに、注意が必要なのはご存じですか

簡単にご案内します。

 

新物オリーブオイルを選ぶポイントとは

オリーブオイルは、搾りたては濁っています。

オリーブの実の全てが入っている状態なので、濃い緑色が綺麗です。

さて、素朴な疑問。

濁ったままが美味しいなら、全てのオリーブオイルを濁ったままで、瓶詰めすれば良いと思われませんか?

オリーブオイルを、新物オリーブオイルのように濁ったままで瓶詰めしない理由は、
1.濁り成分がデリケートで傷みやすい
2.濁ってない方が美味しいオリーブオイルもある

この2つになります。

新物オリーブオイルの濁りは、とても傷みやすいです。

そのため、オリーブオイルの賞味期限は通常製造後18ヶ月ですが、新物で搾っただけのオリーブオイルは、長くて半年です。そして、できれば3ヶ月以内に召し上がって下さい。

新物の濁ったオリーブオイルが、特に苦手にしているのは光です。

あの緑色は葉緑素と言われる成分で、葉緑素は光に当たると酸化物に変わってしまいます。光合成と言われる生化学反応なのですが、光合成には酸素が必要無いので、未開封でも酸化してしまいます。

ですから、ちゃんとした生産者のオリーブオイルは、新物も普通のものも光を通さないボトルに入っています。

詳しくは、こちらの記事でご案内しております。よろしければ、ご覧になってみて下さい。

光がオリーブオイルを酸化、劣化させる理由

次に2番の味なのですが、搾りたてなので辛味苦味が強いことと、オリーブの品種によっては雑味が強くなってしまうんです。

ですので、私の仕入れ先のオリーブオイル生産者の人は、搾っただけの新物オリーブオイルは出荷していません。

 

イタリアでは、新物オリーブオイルだから選ぶということは無いです

イタリアの食料品店でも新物オリーブオイルは、ボトルにnovelloとかnuovo(新物)と書いて販売しています。

ただ、日本で人気のある、搾っただけで瓶詰めしているオリーブオイルは、イタリアの小売店では売られていません。それに新物だからと言って特に珍重されていることは無くて、味が強いのを理由に、新物を避ける人もいます。

新物オリーブオイルは、澱引きやフィルターでの濾過など、通常の工程を行っても味が強いんですよね。でも、3ヶ月くらいすれば、いつもと同じ味になります。

 

新物オリーブオイル選びは慎重に

新物オリーブオイルをお選びの際には、ぜひ遮光されたボトルをお選び下さい。光はオリーブオイル、特に濁ったオリーブオイルには大敵です。

あと、できれば空輸品が良いですね。先ほどお伝えしたように、搾っただけの新物オリーブオイルは、賞味期限が短いです。

船で運ばれると、工房から店頭まで2ヶ月以上かかりますので、お手元に届いたときには賞味期限ギリギリという事になってしまうと思います。

まとめ 新物オリーブオイルの選び方について

搾っただけの新物オリーブオイル。ぜひ、遮光されたボトルに入った空輸品をお求め下さい。

私が仕入れている新物オリーブオイルは、澱引きやフィルターがかかっている品です。賞味期限は通常通りです。

あの濃い緑色の搾っただけの新物オリーブオイルも美味しいんですよね。仕入れ先の一社が、ある特定のオリーブの出来が良かった時だけ作っているのですが、今年は作らなかったみたいです。残念!

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。