オリーブオイルを個人で輸入する手続
オリーブオイルや食材は、自分自身の品なら通関業者さんにお願いせずとも自分で通関できます。
最初は、結構大変だと思いますが、慣れてしまえば大丈夫。
ご紹介するのは、私の通関の方法。合法的に行っていますが、もっと良い方法があるかも知れません。
私は、この方法で今日現在(2021年2月9日)累計140回ほど通関作業をしていますが、ご自分で通関する際には、ぜひ事前に、検疫所や税関にお問い合わせになってみてください。細かい運用ルールが変わることが結構あるんです。
オリーブオイルを個人通関する必要書類
食品を個人で輸入して通関するには、厚生労働省管轄の検疫所に提出する食品等輸入届が必要です。
その食品輸入届けの事については、先日ご紹介させていただきました。
ほとんどの食品は、この食品等輸入届だけで良いのですが、小袋に分けられていない香草やお米などは、農林水産省管轄の役所で手続が必要です。
植物防疫所・・・豆類、野菜、穀類など
動物検疫所・・・肉類、生ハムなどの食肉加工食品
この農林水産省管轄の手続は、食品等輸入届とは別に行う必要があります。
私が最後に、この手続を行ったのは10年くらい前になります。植物防疫の手続だったのですが、その時は、税関に通関前の持ち出し手続を行い、実物を植物防疫所に持ち込み、書類などに確認印をいただくというものでした。
この植物防疫所での手続は、食品輸入届け提出時に検疫所から聞かれることは無かったのですが、検疫所のホームページ見ると植物防疫所での手続終了後に、食品輸入届けを提出するようにも見えます。
今は運用ルールが変わったかも知れません。農水省管轄の手続が必要そうな食品を輸入する際には、検疫所に確認されてみて下さい。
「食品等輸入届出の手続の流れ」東京検疫所食品監視課のホームページより
さて、税関での通関手続(輸入納税申告)に必要な書類は、
1.インボイス(品物の明細、請求書や納品書)
2.BLと呼ばれる荷証券、運送会社が荷物を預かっているという証明書です。
3.食品輸入届けや植物防疫所でもらった書類など、関連書類
4.商品の内容が分かる物、サンプル品やカタログ
5.原材料表(添加物なども)製造工程表
6.印鑑、訂正印と法人の場合は代表印、あと社名のゴム印があると便利です。
7.現金、納税は、私が窓口で申告していた2018年頃までは現金でした。現在の運用ルールについては税関でご確認下さい。
これらになります。揃ったところで税関での申告を行って、許可されれば晴れて通関になります。
税関での手続は、「数字を正しく申告する」のが中心なので分かり易いです。
唯一、分かり難いのが税番号。
上の必要書類で、食品輸入届けにも使用した原材料表があるのは、原材料によって税番と関税率が変わるんです。
例えばトマト製品は、ピューレ状になっている場合と、果肉が残っている場合で税番と関税率が変わります。
あとは、原産国によっても税率が変わります。どんな風に変わるのかは、下の実行税率表をご覧になってみて下さい。
分類などかなり分かり難いので、申告前に税関の相談官に相談されるのをお勧めします。各地の税関に相談官(室)が設置されています。
品物ごとに、税番と関税率を丁寧に教えてくれます。事前に相談予約が必要な相談室が多いのでご注意下さい。
税番が分かって、食品輸入届けの番号なども揃ったら申告となります。
個人の場合、紙での申告もできるのですが、計算と記入方法がややこしいです。
それに、一度申告したあとは、同じ紙でしか申告できず書き直しができません。
書類の構造上、一カ所間違えると、色んな場所の数字も訂正しなければならないので、慣れないうちは訂正印だらけになってしまいます。
こちらが紙での書式になります。
「輸入(納税)申告書」(税関様式C-5020:128kb;PDF)
私は電子申告が良いと思います。
税関の窓口に専用のパソコンがありますので、そこでの入力になります。
こちらが、電子申告に関する案内です。専門用語だらけで難しそうですが、要は窓口のパソコン入力で申告できますよ。という内容です。
そして、下が入力画面のサンプルです。先ほどの紙よりも、ずっと簡単そうでは無いですか?
なにしろ計算しなくて良いし、分からないところがあったら、近くに居る職員の方に聞けますからね。
【参考】輸入(納税)申告の入力例(海上貨物の場合;PDF)※航空貨物の場合も同様に入力できます。
私は現在、通関頻度がそれなり多いですし、私のような業態は原則電子申告となったので、NACCSというシステムを導入して、検疫所の食品食品届と輸入納税申告を行っています。
NACCSについては、私何にもご案内できません。。。自分自身がNACCS理解するのに手一杯でして、、難しいけど便利です。
個人で輸入する手順をご紹介させていただきました。
ご案内したことは、マニュアル本などは無く、色々な方に教えて貰った内容なので、抜け漏れがあるかも知れません。
思い出したこと、気になったこと、都度追記してまいります。ご参考になれば幸いです。