オリーブオイルを個人輸入する手続、食品輸入届について

オリーブオイルを個人で輸入する手続とは?

オリーブオイルなどの海外の食品は、自分で運んでも自身で食べる以外の場合は手続が必要です。

通関業者さんに任せてしまえば簡単なのですが、自分で手続きすることもできます。

私は小さな会社です。創業時はもっと小さかったので、できるだけコスト削減しようと思って自分で通関することにしました。

これまでに経験した通関方法をご案内させて頂きます。

 

オリーブオイルを個人で輸入する手続2つ

まず最初に、これからご案内することは、私が独学で覚えたものです。もちろん、合法的に手続をしていますが、もっと良い方法があるかも知れません。

あと、細かい運用については、地域ごとに違いがあると思います。実際に通関される際には、その地域の税関や検疫所に相談されて下さい。

地域によって違いがあるのは、変に思われるかも知れませんが、通関施設がある空港や港は、その場所によって入ってくる品物の種類や量が違いますので、それに対応するために違っているように私には見えます。

さて、オリーブオイルなどの食品を輸入する際には、厚生労働省管轄の検疫所へ「食品等輸入届」と財務省管轄の税関へ「輸入納税申告」、この2つの手続が必要です。

今回は、これらのうち、「食品等輸入届」についてご案内します。

税関で通関する際には、この「食品等輸入届」が検疫所に受理されて、届出番号が発番されてなければなりません。

この輸入食品届出は、受理されたら必ずコピーして保管して下さい。同じ品を輸入する際に、その番号があるのと無いのでは、検疫所の審査に要する時間が変わってきます。

食品届は、書式によって、一通で7品目まで届出できるのですが、その枝番まで必要になるので、コピーしておいた方が無難です。

食品等輸入届に必要な書類は、
1.原材料表(添加物なども)
2.製造工程表
3.インボイス(品物の明細、請求書や納品書)
4.BLと呼ばれる荷証券、運送会社が荷物を預かっているという証明書です。

3と4は、必要とされない場合があります。ここも運用差だと思いますので、検疫所に聞かれて下さい。

1.2は原則生産者が作成した文章で、英語あるいは、日本語での提出になります。

製造元が英語を書けない場合は、翻訳して提出するのですが、翻訳者の捺印と訳した日の記述を求められる場合があります。

あるいは、輸入者自身が輸入者の責任において、書くことも認められる場合があると思うのですが、そこは地域によって運用差があると思いますので、届を出される検疫所にお問い合わせされてください。

 

届け出用紙は、「食品輸入届出書 用紙」で検索すると出てきますが、検索結果のページごとに、デザインなど細かい部分が違っています。

例えば、厚生労働省のホームページと、地域の検疫所の書式が微妙に違ったりしますが、これは気にされなくても良いと思います。

用紙は、書かれた内容を検疫所がシステムに登録するためのものなので、提出される検疫所のホームページからダウンロードをされるのをお勧めします。

東京検疫所食品監視課

大阪検疫所食品監視課

 

届出書の書き方も、上にご紹介した提出する検疫所のホームページを、参考にされた方が良いと思います。

細かい運用ルールが反映されているはずですし、ここにご案内するよりも、ずっと分かり易いです。

こちらには、記入に必要なコード表へのリンクをご紹介させていただきます。NACCSとは、省庁を横断して使用されている通関システムです。

私は紙での提出を止めて、NACCSで通関するようにしています。その方が円滑に進むらしいですし、私も検疫所との往復の時間が節約できるようになりました。

輸入食品監視支援業務関連コード | NACCS掲示板

 

個人で輸入するには、事前準備が大事

オリーブオイルは、原材料はオリーブだけですし、製造工程も潰して搾るだけですからシンプルです。

でも、ドライトマトの瓶詰めやペースト類など、加工食品を輸入する際には、事前に検疫所へ相談することをお勧めします。

EUで認められていても、日本では使えない保存剤を使用している場合がありますし、日本では認めてられない処理方法、例えば、放射線などで殺菌をしている原材料を使用していたら、輸入できません。

検疫所では、食品輸入に関して事前相談を受けてくれるはずです。製造工程表や原材料表を用意して相談すれば、輸入時に必要な検査とか、あるいは、そもそも輸入できない品かなどを教えてくれると思います。

食品輸入届で大事なこと

当たり前ですが、輸入者が責任を持つことになるので、分からないことは徹底的に調べることだと思います。

添加物一つにしても、上の写真のように、クエン酸でも種類が多くて、食品に使えるものと使えないものがあります。

あと私がよく困ったのが「品名」です。

イタリアから仕入れる場合、インボイスが英語だったり、イタリア語だったりする場合があります。

輸入実績がある品物を「実績あり」で届出する場合、完全一致が原則ですので、品名が変わると新規扱いになり、審査に時間がかかります。

ですので、届出を出される際には、日本のJANコードに該当するEANコードなど、商品に紐付くユニーク番号を登録するのをお勧めいたします。

 

今回は、食品輸入に関する「食品等輸入届」について、書かせていただきました。

思い出したこと、気になったこと、都度追記してまいります。ご参考になれば幸いです。

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。