なぜオリーブオイルの酸度0.1%がいいのか?
酸度が低いエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイルと省略させていただきます)は良い物とされています。
確かにオリーブオイルの酸度基準は、0.1~0.8%ですから、0.1%だと究極に低い酸度ということになります。
この酸度とは、遊離脂肪酸のことで、遊離脂肪酸は体に摂り入れてから消費しきれないと、からだに付いてしまうと言われています。
それに遊離脂肪酸が多いオリーブオイルは、油っぽい味です。
では、なぜ全てのオリーブオイルが、酸度0.1%では無いのか?などをご案内させて頂きます。
オリーブオイルを酸度0.1%で作るのは大変
オリーブオイルの原材料になるオリーブの実は、収穫した段階から酸化が始まります。枝から外れただけで、酸化するのでオリーブの実はデリケート。
そのデリケートなオリーブの実を使って、エキストラバージンオリーブオイルの酸度基準0.8%以下で絞るのには、収穫後24時間以内が目安とされています。
その収穫から搾るのまでの時間が、短ければ短いほど、酸度の低いオリーブオイルを作ることができます。
酸度の低いオリーブオイルを作る上で、一番の課題は搾油場です。
自社で搾油場を持っていない場合は、いくら良いオリーブの実が出来たとしても、搾油場の順番を待たなければなりません。
それに、色々な事がスケジュール通り行かないのが、イタリア含めてオリーブオイルの産地の傾向(苦笑)
もし、自社で搾油場を持っていたとしても、収穫したらすぐに搾油場へ行って、また戻って収穫してと、かなり大変なんです。
私が知っている畑は、オリーブ農園は山の上にあって、搾油場がある工房は山の麓。
その山と麓の往復を、繁忙期は日に何度もするらしいです。
オリーブオイル酸度0.1%へのこだわり
酸度0.1%のオリーブオイルを作るのは、ほとんど職人さんの拘り、意地。だと思うんです(笑)
酸度が0.1%と0.8%のオリーブオイルを飲み比べれば、確かに味の違いは分かります。0.8%の方は、なんとなく味が油っぽいんです。
でも、酸度0.1%と0.2%くらいだと、あまり分かりません。オリーブオイル100gあたりの遊離脂肪酸が、0.1gと0.2gの差は、人の味覚じゃ分からないと思いませんか?
それでも、拘る職人さんを見ていると、意地というか職人魂なんだと思います。
オリーブオイルの酸度0.1%より大事なこと
こだわり抜いて作った酸度0.1%のエキストラバージンオリーブオイル、究極の酸度。
でも、そこからが大事なんです。
オリーブオイルの酸度は、温度管理が悪いと上がってしまいます。
下のグラフのように、だいたい14~5℃以下なら、ほぼ作りたての酸度なのですが、そんな環境に置かれているオリーブオイルは、とても少ないです。
日本に運ばれてくる間に、高温になる中東やインド洋、東南アジアを通って来ますし、日本国内では、オリーブオイルは真夏でも常温管理されます。
オリーブオイルの国際物流環境については、こちらの東京都福祉保健局のレポートに詳しく出ています。よろしければご覧になってみてください。
東京都健康安全研究センター広域監視部 輸入食品の運送状況等実態調査報告
あとこちらは、私がオリーブオイルの鮮度についてご案内した記事です。少々長いですが、細かくご案内しています。
こんなことに拘っているので、きっと私は変わり者のオリーブオイルインポーターです(笑)
変わり者ゆえに、酸度にこだわるオリーブオイル職人さんが、ずっと取引してくれています。
良いオリーブオイルですよ。先日試験結果見たら、酸度0.18%でした。
実は酸度を気にしてなかったんです。酸度よりも美味しさがオリーブオイルには大事。そう思っていました。
200年前から、先祖代々有機栽培を続けている酸度0.1%のエキストラバージンオリーブオイル。
きっと、昔は、この酸度で無かったと思います。なにしろ農園は牛車しか入れないような山奥で、麓の搾油所まで降りてくるだけで半日かかったらしいです。
一番下に商品へのリンク貼らせていただきました。農園の写真をクリックいただくとご覧いただけます。
まとめ 酸度0.1%のオリーブオイルとは?
エキストラバージンオリーブオイルを酸度0.1%で作るポイントは、オリーブの実を収穫してから搾るまでの時間です。
エキストラバージンオリーブオイル基準0.8%以下にするためには、オリーブの実を収穫してから24時間以内に搾る必要があると言われています。酸度0.2%なら、概ね8時間です。
酸度が低いエキストラバージンオリーブオイルでも、そのあとの扱い次第では、酸度が高くなってしまいます。酸度が低いままのオリーブオイルをお探しでしたら、温度管理されたオリーブオイルをお勧めいたします。