オリーブオイルとグレープシードオイルとの違いについて

オリーブオイルとグレープシードオイルの違いとは

健康に良い食物油として比較されることの多い、エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイルと省略させて頂きます)とグレープシードオイル。

オリーブオイルの本場イタリアは、オリーブオイル以外に売られている食物油は、非常に少ないのですが、このグレープシードオイルは売られています。

彼らの使い分け方など含めて、オリーブオイルとグレープシードオイルとの違いを、ご案内させていただきます。

 

オリーブオイルとグレープシードオイルの違い

オリーブオイルとグレープシードオイルの違いを成分から見てみます。

カロリーは、ほぼ同じです。

・オリーブオイル・・・・・884キロカロリー
・グレープシードオイル・・880キロカロリー

違いがあるのは、主成分の構成です。

・オリーブオイル・・・・・オレイン酸(約70%) リノール酸(約10%)
・グレープシードオイル・・オレイン酸(約16%) リノール酸(約70%)

ちょうど、オレイン酸とリノール酸の比率が真逆なんです。

このオレイン酸もリノール酸も、コレステロールに対して働きをすることが知られています。

ただ、その働き方が少し違います。

コレステロールには、”悪玉コレステロール”と、悪玉コレステロールを掃除する”善玉コレステロール”があるのが知られています。

オレイン酸は、善玉コレステロールを残しつつ、悪玉コレステロールのみ減らすと言われているのですが、リノール酸は、悪玉、善玉、両方のコレステロールを減らすと言われていますので、リノール酸の摂りすぎは、良くないと言われる方がいます。

イタリアでは、オリーブオイルとグレープシードオイルを使い分けている

成分的には、オリーブオイルの方が優れているように見えますが、イタリアではグレープシードオイルも売られています。

その大きな理由は、オリーブオイルの味

グレープシードオイルは、オリーブオイルに比べて、かなり味と香りが穏やかなので、マヨネーズなど、オリーブオイルの味が邪魔になってしまうときに、グレープシードオイルを使います。

オリーブオイルの中には、ピュアオリーブオイルと呼ばれる無味無臭のオリーブオイルもあります。

そちらを使えば良さそうなのですが、ピュアオリーブオイルの原材料は、品質的にエキストラバージンオリーブオイルになれなかったオリーブオイルを精製したり、中にはオリーブオイルの搾りかすから、有機溶剤を使って油分を絞り出した物もあるので、健康には、あんまりよろしくないと考えている人が、イタリアには多いと思います。

オリーブオイルとグレープシードオイルの違い搾油法

では、いっその事、全てグレープシードオイルにして、あとから味を付けてしまえば?と思われるかも知れませんが、オリーブオイルには、何事にも代えがたい良いことがあるんです。

それは、搾油方法から生まれる果汁のような軽さです。

エキストラバージンオリーブオイルは、食物油の中で、唯一、作る過程で熱が加わっていません。

熱が加わっていないので、飲めるくらいサラッとしている食物油なんです。

この軽さから、魚介類のカルパッチョやパスタなどに、どっさり使っても油っぽく無く、美味しい味と香りがお料理に加えられるんです。

グレープシードオイルのレシピにも使えるオリーブオイルとは、

オリーブオイルには、色んな味があるのと同時に、味の強弱も地方ごとに違います。

有名な町、フィレンツェ周辺は、伝統的に肉食なので、味の個性がしっかりしているオリーブオイルを好みます。

この地域の人は、味の穏やかな食物油を使いたいときには、グレープシードオイルを使います。

イタリアの古都フィレンツェ。中央に見える大聖堂が有名ですよね。

 

一方、新鮮な魚介類を食べるような地域のオリーブオイルは、もともと味と香りがあまり強くないので、グレープシードオイルを使わず、地元産のオリーブオイルで代用していると聞いています。

私のオリーブオイルで、一番下に商品へのリンクを貼らせていただいているオリーブオイルは、その魚介向けのオリーブオイルです。

私も、コールスローとか作るときに、マヨネーズを減らして、このオリーブオイルを加えているのですが、何の違和感も無く、美味しくいただいています。

 

オリーブオイルについて、詳しくお知りになられたい場合は、こちらの記事ご参照下さい。

色んな種類があって分かり難いオリーブオイルの事を、簡単にお伝えしております。

美味しいオリーブオイルの選び方。美味しくて安全で飲めるものは?

 

まとめ オリーブオイルとグレープシードオイルの違いと使い分け

オリーブオイルとグレープシードオイルの違いは、オレイン酸とリノール酸の比率が真逆です。グレープシードオイルの主成分リノール酸は、善玉と悪玉コレステロール両方への働きがあるので、摂りすぎは良くないと言われている方もいます。

それでもマヨネーズなどを作る際には、ピュアオリーブオイルよりもグレープシードオイルの方が、良いのでは無いかと個人的には思います。

 

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。