パスタとトマトの組み合わせ方
パスタソースに欠かせないトマトですが、色々なトマト製品があります。
缶詰でも、剥いただけのホールトマトや、ザク切りしたダイス缶、瓶詰めならトマトピューレなど。
でも実は、イタリアには、既製品のパスタ用トマトソースが少ないです。
このこと含めて、イタリアのパスタとトマトのことについて簡単なことをご紹介させていただきます。
実は既製品のパスタ用トマトソースが少ないイタリア
まず、トマトの缶詰、湯剥きしただけのホールトマトとザク切りダイストマトの特徴と使い道についてご案内いたします。
・ホールトマト
皮や芯などを取り除くことができるが、水分を飛ばすのに時間がかかるので結果的に果肉感がダイス缶より弱い。
・トマトをザク切りしたダイス缶
実の部分が多いので、お料理する際には一気に煮詰めて果肉感を出しやすいが、皮が多少残る
大雑把ですが、だいたいこんな感じではないかと思います。
イタリアのお店で働いているときは、ホールトマトを裏ごしして使っていました。
レストランでは、唐辛子やハーブなどを使ってパスタにも使うトマトソースにしたのですが、ピッツェリア(ピザ屋さん)ので働いていた時は、裏ごししただけの状態でもトマトソース(salsa di pomodoro)と呼んでいました。ピザ生地にのせて400℃近い高温で一気に熱を飛ばすので、事前の加熱調理無くても、ピザにとっては、トマトソースになるから。だと思います。
この裏ごししただけのトマトに近いのがトマトピューレになります。
トマトピューレをお買い求めの際には、ぜひピューレの硬さや果肉感をお確かめください。
トマトジュースみたいにゆるいトマトピューレは、まだ完熟していないトマトも使用していたかも知れません。
完熟していないトマトで、果肉感のある粗漉しのトマトピューレにすると、果肉と水分が分離してしまいます。
分離すると見栄えが悪いので売れにくくなります。
分離しにくいようにするには、ゆるいトマトピューレにすれば良いと言うことになります。
味は当然完熟トマトを使用して、粗く仕上げたトマトピューレの方が美味しいです。
良いトマトピューレは、まるで生トマトのような味わいの品もあります。
ところで、意外かも知れませんが、イタリアにはトマトソースはあまり売っていません。
売っていたとしても、パスタ用のものだけで、味もそれほど美味しいとは思えません。
理由はトマトソースはイタリアにとって非常に基本的な食材でもあるということだと思います。
各家庭やお店で独自のレシピや味があります。
そのトマトソースをベースに各家庭のお料理のレシピがあるので、市販品のトマトソースの需要が少ないのだと思います。
何年も、美味しい既製品のトマトソース探したのですが、結果的に美味しいトマトピューレを扱う方が、よりイタリアらしいと思って、ピューレを輸入しています。
イタリアにもある安すぎるトマト缶の出所
イタリアにも不自然なくらい安いトマト缶があります。
私の記憶では、日本で100円くらいで売られているサイズが、20円とか30円くらいのものもありました。
缶に原産地は書いてなかったので一応イタリア国内産ということになります。
でも、あまりにも不自然なので、役所がイタリア国内のトマトを輸出入含めてを調べたところ、流通量の20%弱が中国産のはず。とニュースで言っていたのを覚えています。
さらに、通関された後は何処に行ったか不明。とも。
こういうところが偽物ビジネスが根付いてしまう理由だろうなと思います。
トマトのソースごとにパスタを使い分ける
トマトソースの作り方は各家庭やお店でまちまちです。
玉ねぎを加えるところもあれば、唐辛子を加えるところも。ハーブの加え方も、バジルだけだったりパセリをいれるところもあります。
それらとパスタのあわせ方ですが、ソースの重さとパスタの重さのバランスを取るのが大事だと思います。スパゲッティのようなロングパスタなら、太さでバランスを取りますが、ショートパスタなら形状でバランスを取ります。
ペンネ、フジッリ、リガートニーを例にしてみると
フジッリ:ねじってある部分にソースが絡みやすいので、1番ソースの味を強く感じられます。
ペンネ:斜めに切ってあるところからソースが中に入りやすいので、この3品の中では2番目にソースに絡みやすいです。
リガートニー:1番パスタ自体の味をしっかり感じられます。かなり強めのソースともバランスが取れます。
※写真のパスタは形状がリガートニーと似ていますがセダニです。
まとめ イタリアのパスタとトマトについて
トマトに関しては、汎用性が広いのは湯剥きしただけのホールトマト。次にトマトピューレだと思います。ただ、トマトピューレに関しては、ジュースのようにゆるいのはお勧めできません。完熟トマトを使用していない場合があります。
パスタに関しては、形状や太さのボリューム感によって使い分けると面白いと思います。例えば、ただのトマトソースなら1.6mmくらいのスパゲッティ、プッタネスカやアマトリチャーナなどは、2.3mmとかブカティーニなどです。
イタリア料理は、色々試せるのが面白さでもあると思います。