イタリアの美味しいオリーブのお話し

イタリアの美味しいオリーブとは?

オリーブが好きで、イタリア産を買ってみたら、思っていたのと味が違う。美味しくない。

こんな経験をお持ちでは無いですか?

オリーブの美味しさは、色んな条件から変わってきます。

イタリアのオリーブの美味しさは地方によって違う

イタリアには沢山のオリーブがあって、その数は食用だけで、ざっと200以上。

実は、あまりにも数が多すぎて、正確な数が分からないらしいです。

そして、地方によって採れるオリーブの種類が変わってきます。

樹齢千年も珍しくない、オリーブ。一見穏やかそうに見えるオリーブの木ですが、実は、とても気が強いらしいです。自分と違う品種が、植樹などで入ってくると、そのオリーブを枯らすと聞いたことがあります。

私の仕入れ先に、タジャスカ種というオリーブを栽培している生産者がいるのですが、オリーブオイル用に、実の重量あたり搾れる量が多い、フラントイオという品種を植えたところ、何回やっても、植える場所を変えても、枯れてしまうと聞きました。

また、これも私の仕入れ先なのですが、23種類24,000本オリーブの木を持っている農園があります。

この農園、もとは貴族の領地で、膨大な面積があるので、このような多くの種類を植えられたみたいなのですが、それでも品種同士の境目近くでは、毎年100本近く枯れると聞きます。

こんな具合ですので、結果的にオリーブの品種は、地方ごとに育つ品種が決まってきます。

好きな方が多い、緑色の大きなオリーブの実は、採れる地方と採れない地方があります。

写真の品種は、Cerignola:チェリニョーラ種と呼ばれるオリーブで、長靴の形をしたイタリア半島のかかとあたりが名産地です。

これ、美味しいんですよねぇ。

イタリアでも、オリーブの収穫方法は地方で違う

オリーブの収穫方法をお聞きになられたことはありますか?

一個ずつの手摘み、小さな熊手でかき集める、長い棒で揺すって落とす。実に様々な収穫方法があります。

そのどれが一番良いか?地方の違うオリーブ生産者同士で論争になることもあるのですが、外国人の私から見ると、全部正解。笑

品種ごとに、熟し方も、収穫時期、木の高さも違う分けなので、それぞれ一番適した方法で収穫するのが良いと思います。でも、中には木を機械で揺すって収穫する農園があるのですが、あれは、あんまり良いとは思えません。

効率は良いのですが、木やオリーブの実を傷めますし、本来収穫時期では無いオリーブまで落ちてきてしまいます。

機械での収穫を導入したオリーブオイル生産者は、導入後から、オリーブオイルの味が変わってしまうのは、よく聞き話です。

イタリア産の美味しいオリーブの条件

さて、美味しいオリーブのお話しですが、一番大事なのは、製品にする前までの鮮度だと思います。

オリーブの実は、収穫(木から切り離された瞬間)から、酸化が始まります。どんどん美味しくなくなってきます。

ですので、エキストラバージンオリーブオイルを作る際には、収穫後最低24時間以内に搾油作業に入ります。その時間内に絞らないと、エキストラバージンオリーブオイルの国際基準、酸度0.8%を下回れません。

品質に拘っているオリーブオイル生産者は、収穫後8時間程度で搾ります。そのようなオリーブオイル生産者のオリーブオイルは、酸度0.2%を下回っています。

同じ理由で、大粒のグリーンオリーブも、収穫後直ぐに製品化するのが良いですね。

私は、オリーブを買うときは、生産者に「どこで製品化するか」を聞くようにしています。

遠い町だったら、どんどん傷んじゃいますし、運賃のことを考えて、まとめて輸送しようとするはずです。

そのようなオリーブは、やっぱりえぐみが出たりして、美味しくない。

その美味しくない味を、ハーブを入れて誤魔化したりする場合もあります。

調理にも使うようなオリーブの場合は、そのハーブが良い風味になるときがあるのですが、フルーツのように食べたいグリーンオリーブにハーブの香りは要らないですよね。

イタリア産で美味しいオリーブの入手法

美味しく、大きく熟したオリーブの実を、収穫直後に自社農園内の設備や、すぐ近所の工房で加工したオリーブの実は絶品です。ほんとに果物みたいです。

美味しいか見極める方法の1つは、原材料を見てみてください。グリーンオリーブだったら、ハーブ類が入っていないのがおすすめです。

あとは、イタリアからの運ばれ方

瓶詰めというと、保存食のように思えて、細かい管理が不要のように思えるかも知れませんが、やっぱり丁寧に運んだものは美味しいですよ。

ですから、私は、オリーブに限らず、全部の商品を自分で空輸しています。そうすると、イタリアの美味しいものが、美味しいまま、お届けできるんです。

下の写真に商品へのリンク貼らせていただきました。ご覧いただけると嬉しいです。

 

グリーンオリーブの塩水漬け290g

 

グリーンオリーブの塩水漬け560g

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。