無濾過なのに優しい味わい
無濾過のオリーブオイルなのですが、口当たりに滑らかさも感じて、ブルーナ家のエキストラバージンオリーブオイルよりも軽い味わいになっています。
絶妙なコクがありつつ、優しい味わいからくる美味しさは、魚介類や野菜のほか、鶏肉や豚肉と最高の相性。このオリーブオイルで無ければ味わえない、一皿を提供してくれます。
その味の秘密は、この農園の歴史と独特な気候にあります。
きっと500年前から続くオリーブ農園のオリーブオイル
このオリーブオイルは、ブルーナ家のオーガニック農園から、直線距離で10kmも離れていないところにある500年以上続くオリーブ農園で作られます。
今の農園主は、ヴェンチュリーノ家、先祖代々この農園で働いていたらしいです。農園を地域で有名な会社にしたのは、今の当主バルターさんです。
さて、この農園は、どのくらい前から始まったかは、確かではありません。ただ、農園の中には、樹齢500年くらいのオリーブの木が沢山あります。
それに、農園の脇には、高さ20mくらいの野生のオリーブの木も(言い方変ですね笑)生えています。ので、たぶん500年以上続いているのでは無いかと思います。オリーブの木は手入れしないと巨木になるんですよ。
このヴェンチュリーノ家の農園の特徴は、ものすごく暖かいことです。
ディアネーゼという名前の谷に広がっているのですが、目の前にある温暖な海から暖気が入ってきます。
そして、その谷は、突き当たりまで僅か5km。そして北側には、高い山があるので、寒気が入ってきません。ですから、暖かい空気が、ずっと溜まっているのです。
この地域は、海から直ぐに山があって、流れる川ごとに谷があります。
その谷ごとに、農園が点在しているのですが、ヴェンチュリーノ家の農園の谷は、周囲の谷よりも平均気温が、3℃以上高いと聞きました。
例えば、イタリアは1985年大寒波に見舞われました。このヴェンチュリーノ家の農園よりも南のトスカーナ州周辺まで-20℃になり、各地のオリーブ農園は、木が凍ってしまい枯れてしまいました。
しかし、このヴェンチュリーノ家の農園では、木が1本も枯れなかったと聞きます。
その温暖な谷のおかげで、オリーブの実は、とても味わいよく育ちます。そして、この農園の最大の特徴は、その木にあります。
オリーブの木は、数百年、なかには樹齢1,000年くらいの木もあるくらいです。ただ、年を追うごとに、実が付く量は減っていきます。
このヴェンチュリーノ家の人達は、元気が無くなったオリーブの木の幹をバッサリと切ります。数年経つと、残った根と榦から、若い芽が出てきて実を付け出します。
“数百年経た根から出た若い枝”これが、美味しいオリーブの実を付けると、ヴェンチュリーノのバルターさんは言います。「歳を取ったオリーブの木を若返らせてあげるんだ」「楽にさせてあげるんだ」と
とても理にかなっていると思いますし、この谷のオリーブの実は美味しいと、地域でも評判なのですが、10km離れたところにあるブルーナ家の人達は、この農法を好きでは無さそうです。
どうやら、“無理矢理オリーブの実を実らせている”と見えるみたいなのです。
この地域には、とても沢山のオリーブ生産者がいます。覚えきれないくらい。
でも、ブルーナ家の人もヴェンチュリーノ家の人も、互いによく知っています。たぶん直接話すことは無いと思いますけど、、それくらいオリーブに対する考え方が、全然違うのです。
例えば、このヴェンチュリーノ家の農園では、暖かいので有機栽培はできません。
ヴェンチュリーノ家人は、「オリーブの有機栽培は、ただの理想論」と言います。
私が両方から仕入れていることを言ったら、「おまえは何も分かっていない」両家から言われております(笑)
さて、このヴェンチュリーノ家は、オリーブオイル以外にも美味しい瓶詰めをたくさん作っています。
特におすすめなのが、ジェノベーゼペーストの伝統レシピ。真夏の美味しいバジルだけを使用して、先祖代々伝わるレシピでペーストにしています。
どれくらい前から伝わっているのかは、ご本人達も分からないくらいです。何しろ、何代前からオリーブ農園に携わってきたか、はっきりした記録が無いくらいです。
記事内でご紹介した商品へのリンクを下の写真に貼らせていただきました。ご覧いただけると嬉しいです。
数百年続く伝統の味を、ぜひお試し下さい。