オリーブオイルの選び方、味見ができない通販での買い方 

好みの味のオリーブオイルを通販で買う方法

私はオリーブオイルなどのイタリア食材の輸入会社を2007年から営んでいます。私の立場で見ても、オリーブオイルの買い方は難しいなと思います。

辛みや苦みなど、味の幅は広いし、最近は本物かも疑わなければなりません。特に味見が出来ない通販での買い方は難しい。

それでも、通販にも使える好みの味に近づく探し方があります。美味しいオリーブオイルを探されている方。ご一読いただけると幸いです。

 

通販で味をイメージしながらオリーブオイルを買うカギは、産地の食文化

ご存じかも知れませんが、通販で買うときも、まず大前提は、エキストラ バージン オリーブオイルであることだと思います。
※イタリア語でエクストラ バージン オリーブオイルという書き方をしている場合もあります。

ピュアオリーブオイルなど他のものは、化学的に精製したり、搾るときに薬剤を使用している場合があるので、あんまりお勧めできません。揚げ油に使う時などは、使い回しできるので便利ですけどね。

さて、オリーブオイルの味ですが、イタリアの州ごとに、オリーブオイルの味は予想できます。

オリーブオイルの味は、産地の食文化に関係しています。肉料理が中心なら強い味のオリーブオイル。魚介類が中心ならマイルド。オリーブオイル産地地域の食材を、美味しく食べられるように、長年かけてオリーブオイルの味を作ってきました。

この産地を見ながら買えば、味をイメージしながらオリーブオイル選びが出来ると思います。

 

イタリア産のオリーブオイルは、このあとご紹介する州のオリーブオイルが日本で人気があります。それぞれ特徴含めてご案内します。価格は、2021年1月18日現在の相場を考えて修正させて頂きました。

リグーリア州 
魚介類中心の食文化なのでマイルドなオリーブオイルが多いです。タジャスカという品種のオリーブなのですが、完熟ゆえにデリケートで、なかなか現地の味のまま日本で販売されているオリーブオイルは少ないです。私なら500mlで大体3,000円以上のオリーブオイルを選びます。

トスカーナ州 
肉料理中心の食文化。辛味や苦みが強いオリーブオイルが好まれます。代表的なのはフラントイオという品種。ただ、この品種だけのオリーブオイルは味に深みがありませんので、複数品種のオリーブを加えて味を作ります。価格帯は500mlで3,500円から4,500円で少し高めになります。

シチリア島 
青っぽい味が特徴の品が多いです。魚介だったらイワシ料理やカジキマグロなどが有名です。
価格帯は500mlで3,500円から4,500円くらいのものを私なら選びます。

 

南イタリアプーリア州産のオリーブオイルもたくさん入っていますが、品質にかなりバラツキがあるのが難点です。味については、美味しいのはとても美味しいのですが、この州のオリーブオイルは通販では無くて、出来れば味見して買いたいです。

産地の調べ方は、「オリーブオイルの品名、あるいは生産者名+産地」で検索してみてください。大まかな地名が出てきます。イタリアのどのあたりかは、地名コピペしてGoogle検索すれば分かります。そうすれば州まで分かります。便利な世の中になりました。そして州の食文化をイメージして味の方向性をイメージする。こんな手順です。

 

料理と密接な関係のあるオリーブオイルの味。
北イタリアは、そもそも乳製品(バター)から油脂分を摂るレシピが多い。

北イタリアのフィレンツェ(個人的には北イタリアか疑問ですが、フィレンツェ人の友人がそう言っています。)の北には、山脈が連なっていて、そこから北は伝統的なレシピにバターを使用することが増えてきます。平たい土地が広大に広がっているので牧畜が盛んになります。

つまり、オリーブオイルはマイナーな存在。美味しいのが少ないんですよね。

同じ北イタリアでも、フランス国境に近い海沿いのリグーリア州は別の話になります。あそこは温暖なのでオリーブ栽培に適しているんです。更に山が多いので牧畜も盛んでは無いですね。そのため伝統的なレシピも。バターでは無くてオリーブオイルの味が中心です。

 

通販で買うときに味よりも大切なのは、オリーブオイルの鮮度

エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の生搾り果汁です。鮮度で味がすごく変わってきます。

それに健康に良いオリーブオイルの成分が失われていたり壊れたりします。

通販でオリーブオイルを買うときは、味のチェックと共に鮮度のチェックもおすすめします。

たとえば、賞味期限は最低半年以上残っていて、購入されるお店が輸入者か専門店が良いと思います。あちこち移動したオリーブオイルは、輸送中に高温にさらされている可能性があるのです。

 

オリーブオイルが劣化する条件と内容をご案内した記事です。ご参考になれば幸いです。

オリーブオイルが熱によって劣化する 遊離脂肪酸編
オリーブオイルが熱によって劣化する ピロフェオフィチンa編
光がオリーブオイルを酸化、劣化させる理由

まとめ オリーブオイルの選び方、味見ができない通販での買い方 

1.日本人に人気で、比較的安定した品質で入ってくるのは、リグーリア州(魚介向けマイルドな味)・トスカーナ州(肉料理向け辛み苦みがあります)・シチリア島(青リンゴのような青い味が多いです。イワシ料理などに最適)

2.産地の調べ方は、「オリーブオイルの品名、あるいは生産者名+産地」で検索すれば大体分かります。

3.一番大事なのは鮮度。最低賞味期限は半年以上残っているもので、温度管理された品を輸入者ないし専門店でお求めになることをおすすめします。

 

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。