パスタの種類と呼び名の違い
イタリアの小売店のパスタ売場に行くとパスタの種類の多さに圧倒されます。
でも、よーく見ると、同じ太さののスパゲッティでも、メーカーごとに呼び名が違うこともあります。
一見するといい加減なようですが、一応通用しています。
その理由とパスタの形状ごとの使い分けについてご紹介します。
パスタの種類ごとの呼び名がメーカーによって違う理由
イタリアのパスタの種類は実に多いです。
一説には数千種類存在しているとも言われていますが、その定義は曖昧なように見えます。
例えば、1.2mmから1.4mmのスパゲティをメーカーによっては、フェデリーニ(Fedelini) と言ってみたり、ヴェルミチェッリ(vermicelli)と言ってみたりします。
一見、名称に対する規定は特に無いように思われますが、実は、パスタメーカーそれぞれの商品ラインナップの中で、相対的な位置付けで呼び名を決めています。
例えば太さ1.8mmの麺をスパゲッティと呼んでいるメーカーなら1.6mmをスパゲッティーニ(小ぶりのスパゲッティ)と呼びますし、1.6mmをスパゲッティとしているところは、1.5mmや1.4mmをスパゲッティーニとしています。
フェリチェッティ社のスパゲッティは1.7mm
お料理にする場合は、パスタソースの味にあわせて形状を選びます。
家族の誰かにパスタを買ってくるようにお願いした場合、パスタの名称と太さに違いがあったら、混乱するように思えるかもしれませんね。
でも、イタリアの場合は、まずお気に入りのパスタメーカーを決めて買い物をします。
そして、ご紹介したようにパスタの呼称はメーカー内の相対的な位置付けで決まりますので、パスタの名称と太さや大きさが、必ずしも定義づけされていなくても問題ありません。
例えば、パスタを買うとき「A社のフェデリーニ」という買い方をします。
もしお気に入りのメーカーの品が無い場合は、フェデリーニという買い方では無くて、太さを確認して買いますので、パスタメーカーによって1.4mmや1.2mmの違いがあっても困りません。
フェリチェッティi社のスパゲットーニ(2.3mm)
基本的には、パスタソースの味の濃さに比例して、パスタのボリュームを大きくしたり太くしたりするのですが、最終的には雰囲気で決める傾向が強いです。
なぜなら、一定のルールを守れば、多少パスタのボリュームのバランスが悪くても、とりあえず美味しいパスタ料理になるからだと思います。
同じパスタでも日本とイタリアが決定的に違うこと
日本とイタリアのパスタ事情で一番違うことは、ロングパスタとショートパスタの比率です。
イタリアの場合レストランのメニューを見ると、7割前後がペンネやリガートニ-などのショートパスタです。
ペンネで作ったカルボナーラ。南イタリア風ですので生クリームは無しで作りました。
日本の場合は真逆。
私のところでも販売量の7割がスパゲッティなどのロングパスタになります。
恐らく麺文化がある日本にとっては、ロングパスタの方が馴染みがあるからだと思いますが、個人的にはショートパスタの方が腹持ちがするので好きです。
パスタの種類が違っても基本は同じ
パスタの種類や形状が厳密に規定化されていないのは、一定のルールさえ守ればパスタは美味しいからだと思います。
そのルールとは茹で方。特に塩加減。
パスタの基本は、茹でただけのパスタが美味しいこと。十分に美味しい塩味がついていることが大事です。
これさえしっかりしていれば、茹でただけのパスタにオリーブオイルだけで十分美味しくいただけます。
まとめ パスタの種類や名称がメーカーによって違う理由と使い分けについて
同じ太さのパスタでも呼び名が違うことがあります。例えば1.4mmのパスタをフェデリーニ(Fedelini) と呼ぶメーカーもあれば、ヴェルミチェッリ(vermicelli)としているところもあります。
その理由はパスタの呼称は、メーカーごとの商品ラインアップの中での位置づけで決まるからです。
例えば、1.8mmの麺をスパゲッティと呼んでいるメーカーなら1.6mmをスパゲッティーニ(小ぶりのスパゲッティ)と呼びますし、1.6mmをスパゲッティとしているところは、1.5mmをスパゲッティーニとしています。
使用するソースにあわせるときは、ソースの重さとパスタのボリューム感で決めるのですが、これも”なんとなくこんな感じ”などの経験則で決める事が多いです。
多少ボリュームのバランスが悪くてもパスタが美味しく茹であがれば、それなりにお料理としてまとまりますので、安心して色々お試しになることをお勧めします。