高級なオリーブオイルの味について

サラッとしていて美味しいオリーブオイル

高級なオリーブオイルの味は、どのようなもの?

高級なエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)だからおいしい味がするだろうと思って買ってみたら
期待したほどでは無かった。こんな経験をお持ちですか?

実は、それはとてもありがちな事です。理由をご案内します。

 

 


 

オリーブオイルの味と高級さの関係

高級なオリーブオイルには味も期待したいところです。
高級なオリーブオイルは、どのような理由で高級になるかを以前ご案内いたしました。

おおなかな理由は、生産コストと受賞歴などの評価です。

こちらもどうぞ:高級なオリーブオイルとは、どのようなものかご案内します

 

この受賞歴の部分に、高級オリーブオイルの味を期待したいところですが、実はあまり参考にはなりません。
なぜならオリーブオイルの味の評価は、オリーブオイルの種類ごとに分類されてからの相対評価。だからです。

例えば、品評会に多数集まってくるオリーブオイルを、マイルド・ミディアム・ストロングと3つに分類して、マイルドな味のオリーブオイルの中では1番良い、2番目とかで評価されます。

もっと詳しく分類される場合は、オリーブの品種ごとでの評価になります。
「レッチーノ種の中で1番」や「タジャスカ種の中では極めて優れた銘品」と味の評価をされ受賞しても分かりにくいと思います。なぜならレッチーノ種とタジャスカ種では、味が全然違うからです。

一言でオリーブオイルと言っても、味の種類は非常に多くて、幅広く奥が深いです。

  

完熟した収穫期のタジャスカ種のオリーブ

 


 

オリーブオイルコンテストで複数出る最高賞

このような事情ですから、絶対的な1番味の良いオリーブオイルを決める事はなかなかできません。

お店で高級オリーブオイルを探して、受賞歴があるからと勧められたら、どのような味かを確認されることをお勧めします。
辛味苦味が強いストロングタイプがお好きな方には、タジャスカ種のマイルドでフルーティーなオリーブオイルの味は、あまり魅力を感じないと思います。

 


 

高級で好みの味のオリーブオイルでも、大事なのは管理と鮮度

高級で味の種類も好みなオリーブオイルでも、やはり大事なのは管理と鮮度だと思います。
オリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュース、管理や輸送方法が悪いと傷んで味が変わってしまいます。

 

オリーブオイルが劣化する条件と内容をご案内した記事です。ご参考になれば幸いです。

オリーブオイルが熱によって劣化する 遊離脂肪酸編
オリーブオイルが熱によって劣化する ピロフェオフィチンa編
光がオリーブオイルを酸化、劣化させる理由

美味しいオリーブオイル

個人的に思うのですが、受賞歴が無くても高級でなくても、長年地元の人に愛されているオリーブオイルで鮮度が良ければ、味はかなりおいしい。

品評会とは自薦です。自らオリーブオイルを持ち込んで味の評価をしてもらいます。
イタリアのオリーブオイル職人の中には、そのような世界に興味を持たない、頑なな職人さんもたくさんいます。

 


 

まとめ 高級なオリーブオイルの味について

高級なオリーブオイルの味は、受賞歴があって好みの味とは限らないと思います。
なぜならオリーブオイルの味は、辛味苦味が強いストロングタイプからマイルドでフルーティーなオリーブオイルまで幅広く、品評会で評価される際には、それぞれのカテゴリーごとに評価されるからです。

個人的には、長年地元の人に愛されて鮮度の良いオリーブオイルなら、かなりおいしいと思います。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。