オリーブオイルのグレードとは
エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)選びは難しいと思います。
価格が高ければおいしいわけでも無いですし。
日本酒には、大吟醸や吟醸のようなグレードがあって贈り物にするときの目安にもなります。
オリーブオイルにもグレードがありますが、目的別に分かれています。
オリーブオイルにも選ぶためのグレードでもあれば、と思われている方へご案内いたします。
目的が2つあるオリーブオイルのグレード
オリーブオイルのグレードは2種類あります。
まず最初にオリーブオイルの質を食物油としての視点で定めたグレードです。
よくいわれるエキストラバージンオリーブオイルを含めたバージンオイル。これはオリーブの実を搾っただけの一番搾りのオリーブオイルという意味になります。
バージンオイルを搾った搾りかすを、有機溶剤などを使用して搾った二番搾りのオリーブオイルは、サンサとかポマースと言われるグレードのオリーブオイルがありますが、これは省略いたします。
バージンオリーブオイルのグレードは酸度ごとに分かれていますが、おいしいオリーブオイル選びの参考にはなりそうにもありません。なぜなら、エキストラバージンオリーブオイルのグレードは酸度0.8%以下、と一律に定められていて、そこから先は細分化されていないからです。
時折、酸度が0.3%や0.1%と酸度の低さをセールスポイントにしているオリーブオイルがありますが、色々味見しても私はオリーブオイルのおいしさとは関係無いような気がします。
酸度0.8%以上の高いものは、食物油としての品質が悪いと言うことですから、オリーブオイル選びの対象にはならないと思いますので、これも省略させていただきます。
もうひとつのグレードがDOPとかIGPと呼ばれるものです。
これはオリーブオイルの産地偽装防止を目的としたものです。
ワインのGallo nero (黒ニワトリ)のお話し
オリーブオイルと同じくらい産地偽装の問題があったワイン
イタリアのトスカーナ州のワインには世界的に有名なDOCGキャンティクラシコと呼ばれるものがあります。
最初はトスカーナ州の一部のものだったのですが、そのうちに「うちも歴史的にキャンティエリアだ」「私のところもだ」と増えてしまい、ついには広大なエリアがキャンティクラシコに。そうなると味もバラバラ。
そこで、元々始まった地域の人達が、キャンティクラシコのラベルの近くに黒いニワトリのマークを貼って目印にしました。
今から20年くらい前に知人のイタリア人から聞いた話です。
オリーブオイルの選びの目安になるグレードは
DOPやIGPと呼ばれるグレードは、産地偽装を防止するための規格です。
DOPは原材料の産地に加え味やレシピが決まっていて、結構細かい検査があります。
IGPは原材料産地を保証する制度。こんな感じです。
では、DOPやIGPならおいしいかと言いますと、そうでもありません。なぜなら規格がバラバラなのです。(苦笑)
それにここ数年でDOPは数が増えすぎて、なんだかよく分からなくなってきてしまいました(笑)
例えば、DOPの一覧リストで味の項目を読むと、ほとんどのDOPで「フルーティーなオリーブオイル」と書いてあるのです。早摘みで結構辛めのオリーブオイルもです。
一般的に早摘みタイプのオリーブオイルは、フルーティーなオリーブオイルに分類されないのですが、”そのDOPが存在している地域のオリーブオイルの中では、フルーティーなオリーブオイル”という事らしいです。
最近はマークも色々増えてきてしまい(笑)
DOPのマークは上の写真にある丸い印。下の写真のDOPモリーゼというオリーブオイルは、そのDOPのマークがありつつ、最近独自のも加わりました。余計分かりにくくなると思うのですが(笑)
私の考えるオリーブオイルの選び方です。ご参考になれば幸いです。
まとめ オリーブオイル選び使いたいオリーブオイルのグレード
オリーブオイルのグレードは目的別に2種類あります。
一つ目が食物油としての品質を表したもので、酸度や搾油方法から分類されています。
エキストラバージンオリーブオイル含めたバージンオイルは、オリーブの実を搾っただけのオリーブオイル。酸度0.8%でエキストラバージンオリーブオイルに分類されますが、そこから更に優良なオリーブオイルには細分化されていません。
もうひとつのオリーブオイルのグレードは、DOPやIGPと呼ばれるものです。
これは産地偽装防止を目的にはじめられました。多数あるDOPやIGPは規格がバラバラで独自運営をしているので、味もバラバラ。おいしいオリーブオイル選びの参考にはなりにくいと思いますが、産地偽装や混ぜ物されているオリーブオイルを避ける目的では機能すると私は思います。