エキストラバージンオリーブオイルの長期保存について、方法などをご案内します。

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

オリーブオイルの長期保存は可能?

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)を何らかの理由で長期保存する必要になった場合、
よく推奨されている”流しの下での保管”で大丈夫なのか気になりますよね?

できるだけ鮮度を保ちながら長期間保存する方法について、ご案内させていただきます。

 


 

オリーブオイルの長期保存場所の候補

エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュース。
生鮮食品と言えると思います。

生鮮食品の保管と言ったら、冷凍や冷蔵が思い起こされますが、オリーブオイルについては、通常保管場所としてあまりお勧めできません

その理由は凝固。
冷蔵庫の場合、冷蔵すると凝固しますが、凝固によりオリーブオイルの繊維が傷んでしまいます。

以前の記事です:オリーブオイルを冷蔵庫で保管しては駄目な理由をご説明します。
鮮度の良いエクストラバージンは、オリーブの実の生搾りジュース
冷凍保存については、できるにはできるのですが、冷凍すると分子レベルでオリーブオイルが傷んでしまいますので、全く同じ味で保存というわけにはならないみたいです。

以前の記事です:オリーブオイルの冷凍保存についてご案内します。

 

美味しさを失わずに長期保存できる場所は、12℃から15℃くらいに設定された場所です。
オリーブオイルの生産者は搾油後、この温度に設定した地下のステンレスのタンクでオリーブオイルを保存しています。
ご家庭にある環境で、一番近い温度帯はワインセラーになると思います。

オリーブオイルのポリフェノールの含有量にもよるのですが、辛味や苦みが少ない一番マイルドでデリケートなな品でも15℃前後で保管すると、瓶詰めから最長2年程度は、遊離脂肪酸などがエキストラバージンオリーブオイルの基準内に収まっています。

以前の記事です。:オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。遊離脂肪酸編

 


 

オリーブオイルの長期保存は、物理的に難しい理由

オリーブオイルの丈夫さは、辛み苦みの元になるポリフェノールの含有量に比例します。

辛み苦みが強い(高ポリフェノール)ストロングタイプのオリーブオイルが一番長持ちすることになるのですが、このタイプのオリーブオイルを15℃保管しても、最長3年程度でピロフェオフィチンaや遊離脂肪酸がエキストラバージンオリーブオイルの基準を越えてしまいます。

これらの物質が基準を越えると、”油っぽい”味になります。

つまり、元々オリーブオイルは、ワインのように長期熟成はできません。
理由は、油脂類は時間経過と共に成分が壊れていくからです。このあたりも、まさに生鮮食品と同じですよね。

 


 

オリーブオイル、長期保存せずに鮮度の良い方が美味しいです

とは言えども、何らかの理由で長期保存が必要な場合は、私でしたら

・1年以上の長期保存・・・・冷凍でガチガチに凍らせておく
・半年程度の保存・・・・・冷蔵庫で凝固させっぱなしにしておく

こうすると思います。
このようにして、オリーブオイルが劣化する時間を止めてしまうと思います。
ひとつご注意いただきたいのは、冷蔵でも冷凍でも一度固めると、辛さ苦さが少なくなることです。

いずれにしても、一番美味しいのはフレッシュな状態で召し上がることだと思います。
賞味期限を半年以上残している状態で使い切られるのをお勧めいたします。

 


 

エキストラバージンオリーブオイルの長期保存についてのまとめ

オリーブオイルなどの油脂類は、時間経過と共に成分が壊れていくので、元々ワインのように長期保存はできません。
一番劣化するスピードを抑えられるのは、15℃程度での保管になります。

それでも、なんらかの理由で長期保存が必要な場合は、私だったら

・1年以上の長期保存・・・・冷凍

・半年程度の保存・・・・・冷蔵庫で固めておく

こうして、オリーブオイルが劣化する経過時間を止めてしまうと思います。

 

hinatano 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。