味がしないオリーブオイルは、本物?偽物?
エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)の味が、すごく薄かったりすると本物か疑いたくなりますよね。
でも実は、本物のエキストラバージンオリーブオイルでも、味がしない場合があります。
その味がしない理由と、扱う際に気をつけた方が良いことをご案内ます。
オリーブオイルの味を決める要素。本物かの判別は可能?
エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)で味が薄い品が時々あります。
あまりにも味がしないので、「ひょっとして偽物?」と思われるかも知れませんが、
本物でも味が薄いエキストラバージンオリーブオイルは存在します。
オリーブオイルの味を決めるのは、オリーブの実の品種と収穫時期です。
収穫時期に関しては、早摘みほどポリフェノールの含有量が多くなるので、辛み苦みが強くなります。
オリーブの実の味は、千差万別、多種多様。
hinatanoのオリーブオイルに使われているタジャスカ種と、シチリアのトンダイブレア種では、味も姿も違います。
では、味がしないオリーブの実というのが存在するのか言いますと、私の知る限りイタリア産にはありません。
味の濃さは、品種よりも収穫時期の影響の方が大きいと思います。
思いっきり完熟させると、辛み苦みに加えてオリーブの味自体も弱くなります。
でも、完熟させると実が大きくなるのでたくさん絞れるのです。
ですから、味が極めて弱いオリーブオイルは、比較的安価な品に多く存在します。
味が極めてマイルドなオリーブオイル。フレンチには使い易いみたいです。
味が弱いオリーブオイルは、フレンチには使い易いと聞いたことがあります。
フレンチのいわゆる宮廷料理と言われているものは、色々な技術で味を積み上げて行くみたいです。
そのため、オリーブオイルの味が強すぎると、味が邪魔になって使いにくいみたいです。
イタリア料理の場合は、地方の食材の味とオリーブオイルの味を、ハーブ類を絡めながら味と味をぶつけて、味を作る考え方のようです。隣国でも考え方が違うので面白いですが、実はフランスの宮廷料理のルーツはフィレンツェです。
この件は別の機会に
味の薄いオリーブオイル。本物だとしても注意した方が良いこと
味の薄い(ものすごくマイルド)オリーブオイルは、ポリフェノールなどの抗酸化物質も少ないです。
そのため極めてデリケートで傷みやすいです。
例えば、温度が上がるとエキストラバージンオリーブオイルの基準を、あっという間に越えてしまいます。
オリーブオイルが劣化する条件と内容をご案内した記事です。ご参考になれば幸いです。
オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。遊離脂肪酸編
オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。ピロフェオフィチンa編
光がエキストラバージンオリーブオイルをどのように劣化させるかご説明します。
本物のエキストラバージンオリーブオイルでも味が薄い品があると申しましたが、元々は本物でも日本の店頭に並んだときは、元本物のエキストラバージンオリーブオイルということも残念ですが、あり得てしまいます。
そのような状態になっている品は、私だったら生使いせずに、健康に悪いと言われているサラダ油の替わりに加熱用油にするか、フレンチドレッシングを作るときなどに使うと思います。
味がしないオリーブオイルは本物?のまとめ
オリーブの実を思いっきり熟させれば辛味や苦みに加えて、オリーブの実の味も弱くなるので、味がすごく弱いエキストラバージンオリーブオイルもできます。※油っぽい味を感じる場合もあります。
このように極めて味の弱いエキストラバージンオリーブオイルは、マヨネーズやドレッシング素材としてサラダ油の替わりに使うのには良いと思いますが、味が油っぽいことが多いのですし、成分的にもエキストラバージンオリーブオイルを下回っている可能性が高いので、生使いや飲むオリーブオイルにはお使いになられない方が良いと思います。
ご参考になれば幸いです。
hinatano 加藤 昭広