肌に使用するスキンケア用のオリーブオイル。食用との違いは
私は鮮度にこだわった輸入方法でオリーブオイルを約10年輸入しています。
肌用のオリーブオイルのサイトを色々見て、もう少し詳しく知りたい方のためにと思い、知っていることを整理して記させていただきました。
肌に使用するオリーブオイルも食用も大事なことは変わらない
エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)は、オリーブの実の生搾りジュースです。
これは食用も肌用も変わらないでしょう。
恐らく肌に使用される際に気になるのは、肌荒れなどのトラブルでしょうか。
そうなると酸化物資の量や、酸化物質が増えない保管方法などが、きっと気になられますね。
オリーブオイルは酸化しにくいオレイン酸が主成分ですので、元々は酸化には強いです。
ただ、色の元や濁り成分は、オリーブの実由来の葉緑素です。この葉緑素が酸化しやすいのです。
肌用のオリーブオイルで「精製」という文言を目にします。
恐らく精製して取り除いているのは、この濁り成分などだと思います。
ただ、この濁り成分に関しては、ご家庭でペーパーフィルターを何度かかければ取り除けます。
これは食用ですが、無濾過のエキストラバージンオリーブオイルです。
濁っている成分が葉緑素になります。
このほかに気になるのは酸度でしょうか。
食用のエキストラバージンオリーブオイルの場合酸度0.8%以下が目安になります。
この酸度の元は遊離脂肪酸というものになります。この遊離脂肪酸を取り除くためには水酸化ナトリウムを使用することになるので、恐らく肌用のオリーブオイルは、元々酸度の低いものを使用しているのでは、と思います。
秋冬のイタリアも乾燥します。オリーブオイルの農園で働く女性
イタリアの冬も乾燥します。
湿度が高い町と言われる私が住んでいたフィレンツェでもカサカサです。
オリーブ農園はオリーブが乾燥気候を好むためにもっと乾燥しています。
冬場訪問すると、働いている女性がオリーブオイルを一滴手に落として擦りこんでいる姿を目にします。
彼女たちが使っているのは食用です。肌の違いもあるかも知れませんが食用も使えるかも知れません。
肌用のオリーブオイル。保管方法
さて、オリーブオイルは酸化に強いと申しましたが、苦手なものに対してはデリケートです。
苦手にしているのは、光・熱・酸素
酸素に関しては、開封しっぱなしにでもしなければ、あまり気にしなくとも良いと思います。
問題は光と熱。
熱に関しては、せっかく遊離脂肪酸が低いオリーブオイルも熱が加わると増えてしまいます。
かと言って、冷蔵庫での保管はオリーブオイル内の食物繊維を傷めるのでお勧めできません。
夏場などは流しの下などの冷暗所が良いと思います。
熱以上に弱いのが光り
精製して葉緑素は取り除いているでしょうか、色が着いているかぎり葉緑素は残っています。
この葉緑素は、酸素が無くても光合成を起こして酸化物質を排出します。
そのためイタリアではスキンケア用でも遮光ボトルに入っていることが多いのです。
以前のご案内したエキストラバージンオリーブオイルが、熱や光で劣化する記事です。
オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。遊離脂肪酸編
オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。ピロフェオフィチンa編
光がエキストラバージンオリーブオイルをどのように劣化させるかご説明します。
肌にオリーブオイル、スキンケア用を探すときのご参考にのまとめ
オリーブオイルを肌に使用する際には酸化物質が気になると思います。
オリーブオイルは、酸化しにくいオレイン酸が主成分ですので本来は酸化しにくいのですが、濁り成分や色の元になるオリーブ由来の葉緑素は酸化しやすいです。
肌用のオリーブオイルはこの成分を精製して取り除いていると思いますが、食用のエキストラバージンオリーブオイルを肌に試されるときは、ペーパーフィルターを何度かかけて試されるのはいかがでしょうか。
ただ、オリーブオイルは10%前後リノール酸も含まれています。リノール酸でアレルギー反応が出る場合もありますので、アレルギーをお持ちの方はくれぐれもご注意ください。
ご参考にしていただければ幸いです。 hinatano 加藤 昭広