オリーブオイルをパンで美味しくいただく方法をご案内します。(オリーブオイル編)

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

パンとオリーブオイルは、本来相性が良いので美味しい

味がしっかりしているエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)には、パンもしっかりしていないと美味しく無いと前回ご案内しました。今回は、どのようなオリーブオイルが良いかについて、オリーブオイルの味を予想しながら買う方法もあわせてご案内します。

 


 

オリーブオイルの味は、パンに一工夫で更に美味しくなる

実は、パン専用のオリーブオイルはイタリアにはありません。イタリアの食卓ではパンは脇役の場合が多いのです。

考え方を変えてみて、パンにつけるということは、オリーブオイルそのまま味を直接味わうことになりますよね
ですから、苦かったり辛かったりが少ないクセの無いオリーブオイルが簡単に美味しくいただけると思います。
このようなオリーブオイルを産するのは、魚介類が食文化の中心の沿岸地区で作られるオリーブオイルだと思います。

美味しいオリーブオイルは、料理の仕上げにたっぷり

沿岸部と言えども、あまり暑い地域のオリーブオイルは味のクセが強い場合があります。
なぜなら南イタリア暑い地域は、魚介類が傷みやすいので臭み消しも兼ねて味の強いオリーブオイルを好む傾向があります。例えば、その昔シチリア島では魚屋のイワシは時間が経つと安くなっていきました。冷蔵庫が無い時代に夕方まで暑い場所に置かれたイワシは、やはり多少濃いオリーブオイルで食べないと美味しくなかったみたいですよ。

強い味のオリーブオイルと最高の相性ブルスケッタ

イタリアの食卓にとって、オリーブオイルは出汁でありソースでもあるので、魚介類をよく食べる地区はマイルドなオリーブオイルを好みます。対して肉類を食べる地域のオリーブオイルは、苦み辛みが強くなります。昔イタリアは料理に胡椒を使用しませんでしたので、ローズマリーなどのハーブ類とポリフェノール由来の苦み辛みは、スパイスのような役割をしたみたいです。

このような個性の強いオリーブオイルにあたってしまった場合は、パンに一工夫するとバランスが取りやすいです。
例えばバゲットを薄切りにしてカリカリに焼いてからニンニクを擦りつけたりです。このようなパンを食べる方法は、肉料理が食文化の中心のトスカーナ地方でよく食されています。

専門店に行けば、どのような産地のオリーブオイルか聞けると思いますが、通販などで選ぶ際には品名や社名をGoogle検索して地図で表示。こんな方法で産地を見ることができます。詳しくは以前の記事をご参照になってみてください。

以前の記事:オリーブオイルの選び方、通販で買うときに味を知る方法についてご説明します。

 


 

パンで美味しくオリーブオイル。イタリアでは塩や胡椒を入れません。

イタリアでは、オリーブオイルをパンでいただくときに塩や胡椒を使用しません。
塩に関しては本場では料理自体が塩味が強いからということもありますが、胡椒に関しては、中世以前は貴重な輸出品だったので、裕福な貴族以外は使いませんでした。

輸出先は主にフランス。今でこそ美食の宝庫ですが、中世までは肉と言えば塩漬けの豚肉程度しか無く、この塩漬け肉が非常に臭みがあったようです。その臭み消しに珍重されたのは胡椒です。当時はものすごく高価だったようで砂金と同等の取引をしていたと聞いた記憶があります。フィレンツェの西にLa Speziaという港町があるのですが、この地名がスパイスの語源です。

 


 

強い味のオリーブオイルと最高の相性ブルスケッタ

それでもオリーブオイルをパンで美味しくいただけない場合は

それでもパンに付けたオリーブオイルが美味しく無い場合は、オリーブオイルが駄目な品です。
エキストラバージンオリーブオイルはオリーブの実の生搾りジュースです。美味しいのが当たり前です。

もし味がしなかったら、ピュアオリーブオイルか、熟しすぎたオリーブの実を使用したオリーブオイルです。
実は、これらは品質基準的にエキストラバージンオリーブオイルとは言えない品物です。あるいは油っぽかったら、輸入から販売までの取り扱いに問題があって熱で油っぽくなってしまった品だと思います。

以前の記事:美味しくないエクストラバージンオリーブオイルが存在する理由についてご説明します。

 


 

オリーブオイルをパンで美味しくいただく方法(オリーブオイル編)のまとめ

1.魚介類用と言われているマイルドなオリーブオイルがパンに合わせやすい。
辛み苦みが強い品にあたってしまったら、パンにひと味付けることでバランスを取ると美味しくいただけます。

2.手を尽くしてもオリーブオイルをパンで美味しくいただけない場合は、オリーブオイルに問題があるかも知れません。
ラベルだけエキストラバージンオリーブオイルと書いてあっても中身は別物。こういうオリーブオイルが安価品を中心に多く出回ってしまっています。

 

オリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュース。鮮度が良ければ何をしても美味しいです。

hinatano 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。