オリーブオイルをパンで美味しくいただく方法をご案内します。(パン編)

強い味のオリーブオイルと最高の相性ブルスケッタ

オリーブオイルとパンはイタリアの食卓の基本

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)とパンは、イタリアの食卓の基本です。
小腹が空いたときは、Pane e Olio(パンとオリーブオイル) パンをオリーブオイルに浸して食べます。
より美味しくパンとオリーブオイルをいただくヒントのご案内。まずはパン編。

 


 

オリーブオイルをパンで美味しく。パン選びから

オリーブオイルを美味しくいただくパンは、できるだけイタリアっぽい感じを真似てしまうのが良いと思います。
しかし、オリーブオイルの味と同じく、イタリアのパンの味や形は地方によって大きく違います。

食卓での役割まで違っていて、細かくご案内すると大変な量になってしまいます。
そこで本日は平均的なパンを例にご案内申し上げます。

イタリアのパンの多く形状は丸く大きな塊です。例えば、トスカーナ州の伝統的なパンは2Kgにもなります。
大きな塊を薪釜で一気に焼くので、外側は硬いのですが、中はモチモチ。分厚く切ると本当にお餅のような食感です。

トスカーナの伝統的なパン
向こう側に写っているオリーブオイルは、全部500ml以上。大きな(巨大な)パンです。

 

このしっかりした食感が、濃厚なオリーブオイルをパンで美味しくいただくために重要だと思います。
例えば、耳が柔らかい食パンと皮がぱりぱりのバゲットと食べ比べてみてください。美味しさの感じ方の違いは明らかだと思います。濃い味にはしっかりした食感のものをあわせる。このバランス、お試しになってみてください。

外側が硬い大きなパンは、都内近郊でしたらフランスが本店のパンのチェーン店で手に入りますし、お近くにそのようなお店が無かったら焼きたてのバゲットがよろしいかと思います。

もうひとつ大事なのが酵母。
天然酵母を使用していれば、ほんの少し酸味を感じられると思いますが、その酸味とオリーブオイルの相性は最高です。

 


 

トスカーナ州、マルケ州、ウンブリア州のパンには塩が入っていない

トスカーナのパンが美味しいとご案内しましたが、フィレンツェへ行かれた方は「ほんと??」と思われるかも知れません。
実はフィレンツェ市内、特に世界遺産の旧市街地区では、本物のトスカーナのパンは、ほぼ食べられません。

薪で焼いていると書いてあるパン屋でも、練りが弱くてモッチリ感が足りなかったり、ダマになっていたりで、ひどい物が多いです。少し郊外に行けば、それなりの物が手に入りますが、伝統的な品には及びません。あそこの食卓にとってパンは脇役なのです。

もうひとつ、食べてみたらパンに塩気が無いのにも驚かれるかも知れません。
パンに塩を入れないのは、トスカーナ州、マルケ州、ウンブリア州の3州です。その昔(と言ってもミケランジェロが産まれる前くらいの大昔)塩の税金が上がった時の対抗策だったと言われています。でも、この無塩のパンと塩辛いお料理の相性が良いのです(笑)

パンの村
ゴルジィティ村

写真のパンは、フィレンツェから南東に約50kmのところにあるゴルジィティ村の品です

 


 

パンで美味しくオリーブオイルをいただくには保管方法も大事

パンでオリーブオイルをいただくには、パンの食感が大事だとご案内しました。
でも、バゲットは焼きたての皮のパリパリ感は無くなってしまいますよね。

そこで、保存を一工夫。最初に紙袋に入れて、その上から保存用のビニール袋に入れてみてください。紙袋が適度に水分を吸ってくれて皮の感触が長持ちします。冷蔵庫に保管した場合は、そのままトースターで少し焼いただけでかなり美味しいです。加えて、この方法で保管すると黴びにくいというメリットもあります。

 


 

オリーブオイルをパンで美味しくいただく方法(パン編)のまとめ

1.オリーブオイルの濃厚な味には、しっかりした食感のパンがよく合う。大きな塊のフランスパンやバゲットが美味しい。

2.皮のパリパリ感が、オリーブオイルと美味しくいただくのには重要。パンを保管するときには、最初に紙袋に入れて保存用のビニール袋に入れると皮の感じが長持ちする

明日は、パンに合うオリーブオイルについてです。

hinatano 加藤 昭広

#

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。