オリーブの収穫方法がオリーブオイルの美味しさにどう影響するかご説明します。

鮮度の良い良質なエキストラバージンオリーブオイルはサラサラ

オリーブオイルの美味しさと、オリーブの収穫方法の関係

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)の収穫方法は、大きく分けると「手摘み」と「機械式」があります。
この二つの方法がオリーブオイルの味にどう影響するか、私の知っている事をご案内させていただきます。

 


 

機械式で収穫するとオリーブオイルの美味しさに影響する?

私が取り扱っているオリーブオイル生産者は、hinatanoのブルーナ家含めて収穫に機械を使っていません。
使わない理由は美味しいオリーブオイルには手摘みが一番良いという考え方です。
これからご案内する内容は、この ”機械を使わない派” から聞いた話なので割り引いてお聞ききください(笑)

 

さて、機械式とはどういうものかと言いますと、”機械でオリーブの木を揺らす”が基本動作です。
それが幹であったり枝であったりするのですが、機械を使わない派の人達が言うには、「機械で揺らすと本来落ちるべきでは無い若すぎるオリーブも落ちてしまうのでよろしくない」という事でした。若すぎるというのは、ポリフェノールが多く含まれるので辛すぎるとも解釈できます。

私が取引している生産者では無いのですが、確かに農園主が代替わりして機械式にしたら、オリーブオイルの味が軽く辛めになったのを記憶しております。

濃厚なオリーブオイル

一方、収穫に機械を使う人達の主張は「人件費の削減も大きいが、なにより収穫してから搾油するまでの時間が劇的に短いので、オリーブが新鮮なうちに絞れるのがメリット」らしいです。

私は個人的に”手摘み派”です。先ほどご案内した代替わりで機械を導入したオリーブオイルは、昔の方が美味しかったからです。お気に入りだったのですが残念。。

 


 

オリーブオイルの美味しさ、収穫方法の違いから変わる酸度

機械使用派の人達がメリットとして言っている ”搾油までのスピード” で影響するのは酸度(酸価)です。

オリーブの実は、収穫したり実に傷が付いたりすると酸化が始まります。先ほどご案内したオリーブオイル生産者ですが、先代の時は酸度0.3%で機械収穫を導入した代替わり後は0.1%です。でも先代の品の方が美味しかったなぁ。味に深みがありました。オリーブオイルも食べ物ですので美味しいのが一番!だと思うのですが、いかがでしょう。

 


 

オリーブオイルの美味しさは収穫方法が大事。手摘みと言っても色々あります。

手摘みでも色々な方法があります。木の下にネットを張って棒で木を揺すったり、ハシゴで木に登って一粒ずつ。あるいは小さな熊手でかき集めたり。この手摘み派の人達も”自分たちの手摘みのやり方が正しい”と強く思っている方もおります。イタリア人は結構頑固だったりします。

オリーブの収穫

外国人である私から見ると
「棒で揺するのも、木に登るのも、熊手を使うのも、オリーブの品種や搾油所と農園の距離、畑の形状等々条件が全部違うのでみんな正しい」と思います。
ただ一粒ずつ確かめるように収穫する作業は大事だし尊いと思います。

収穫したオリーブの実

 


 

オリーブオイル、美味しさと収穫方法の関係のまとめ

1.機械で揺すって収穫すると若すぎる実が入ることになるので、オリーブオイルの味が軽かったり辛くなったりする。

2.機械収穫は、搾油までの時間短縮ができるので酸度が低くなるが、酸度の低さと美味しさは別の話。と思います。

 

hinatano 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。