オリーブオイルの沈殿物についてご説明します

オリーブオイルの沈殿物の正体は?

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイルとさせていただきます)を使い切った時に、沈殿物が出てきたことがありますか?

その沈殿物の正体や、食べて害があるかなどをご案内していきます。

 

オリーブオイルの沈殿物はなぜできるか?

オリーブオイルの底から最後に出てきたのは、”澱です。” オリーブの実の搾りかすになります。

日本に輸入されているオリーブオイルのほとんどは、フィルターをかけてあるので、澱が出てくるのはとっても珍しいのですが、フィルターにかける前のオリーブオイルの濁りが、細かいときなど、時折出てくることがあります。

澱がよく出てくるオリーブオイルは、無濾過のオリーブオイルです。無濾過のオリーブオイルとは、日本酒の濁り酒のようなものでして、濁っております。

下に無濾過のオリーブオイルに関して、詳しくご案内した記事がございます。

無濾過のエキストラバージンオリーブオイルは、どのようなものかご説明します。

上の写真は、同じオリーブオイルで、フィルター(濾過)したものと、無濾過のオリーブオイルを比べたものです。

右の方が、うっすら濁っているのがお分かりいただけますでしょうか。このうっすらとした濁りが、時間が経つと瓶の底に沈殿して、沈殿物として出てくることがございます。

 

オリーブオイルの澱ができるのは二つのパターンがあります。

1.製造過程で出た澱
搾取直後のオリーブオイルは非常に濁っています。
通常は絞った後、大きなステンレス製のタンクに一定期間保存して、澱を沈殿させます。沈殿後、タンクの底から澱を捨てたり、オリーブオイルを出す口をタンクの底の少し上に作ったりして澱が混ざらないようにするのですが、この工程のどこかが不十分で澱が混ざってしまう。

2.無濾過のオリーブオイルの濁り部分が沈殿したもの。

 

オリーブオイルのデキャンティング用のタンクです。陰になって見にくですが、円柱形の底に円錐形の澱を溜める場所があります。

澱が混ざらないように、オリーブオイルの抽出バルブが、底よりも高い位置にあります。

 

オリーブオイルの沈殿物は、作り手によって出来たり出来なかったり

無濾過オリーブオイルの濁りですが、作り手によって濃さがまちまちです。

これまた不思議なことなのですが、ある人が作った無濾過のオリーブオイルは、一年程度で透明に同化してしまいますが、ある人のは1年経っても濁ったまま。この違いはどこから生ずるのか勉強中です。オリーブオイルは奥が深いです。

 

オリーブオイルの沈殿物は食べても良いか?

さて、日本に入ってきているオリーブオイルのほとんどは、フィルターがかけられています。

なぜなら、オリーブオイルの濁り成分は非常にデリケートで、酸化しやすいからです。

オリーブオイルは、オレイン酸が主成分ですので酸素に強いのですが、この濁りや沈殿物は酸化しやすいです。出てきた澱が酸化臭がしていなければ、食べても害はありませんが、お勧めはいたしません。ワインの澱も捨てますしね。

 

オリーブオイルの沈殿物についてのまとめ

1.沈殿物の正体は澱です。オリーブの搾りかすになります。

2.オリーブオイルの澱は酸化しやすいです。酸化臭がしなければ食しても害は無いと思いますがお勧めいたしません。

 

オリーブの澱は、それだけで食べたら美味しくなかったですよ。昔試してみました(苦笑)

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。