ちょっとしたことで「飲めるはずのオリーブオイルが飲めなくなってしまう」お話し

オリーブの実の生搾りジュース。それがオリーブオイルです

オリーブの実の生搾りジュース。それがオリーブオイルです

オリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュース。
本来は、「飲めて当たり前」

では、なぜ「飲んだら油っぽい」ものがあってしまうのか?
油っぽいオリーブオイルは、熱がかかったため遊離脂肪酸が増えてしまってことが予想されます。

つまり、イタリアから日本のお客様の手元に届くまでの間に、どこかで熱が加わってしまったと言うことです。

生産者のところから、お手元へ届くまでは、たくさんの人が関わります。

作り手の人、
工房や農園から港や空港へ運ぶ人、
飛行機や船に積み込む人、
飛行機や船から降ろす人、
港や空港の構内で移動させる人
日本で空港や港から倉庫に移動させる人
検品・出荷する人
お店や、個人のお客様まで運ぶ人
などなど、たくさんです。

その方々全てがオリーブオイルに知識を有しているわけでは無いと思います。
それに作業する人は、コンテナの中身を知らない人もたくさんいます。

遊離脂肪酸が熱によって増えることについては、こちらの記事ご参照ください。
一番デリケートなオリーブオイルは、37℃の環境に半年置かれれば、遊離脂肪酸がエクストラバージンオリーブオイルの基準を越えてしまいます。

また、ちょっとした誤解もあり得ます。
イタリア側の関係者の中には、日本へ船で運ぶには中東やインドの沖など酷暑のエリアを通過することを知らない人もいます。このことを知らないイタリアの生産者が、日本への輸送方法を買い手の方から問われれば
「オリーブオイルは、ワインと違って多少の温度は大丈夫だから、船で運んだら」という答えになります。
実際、私も同じように言われたことがあります。

しかし、船で日本へ行くには、中東を通ったりインド洋通ったりしますし、
イタリアから日本への直行する船が現在はありませんので、シンガポールや香港の港で屋外に1週間ほど山積みにされて、乗り継ぎ船待ちすることがあります。

農園からイタリアの港まで1~2週間、イタリアの港から日本の港まで約40日、船から降ろすのに1週間、通関して倉庫まで3日等々。

猛暑日が珍しくない現在、店頭に並んだ時は、結構ギリギリの品があると思います。

これは、致し方ない事だと思いますが、輸入者が熱が加わらないように工夫する余地は十分あります。
ですので、私は航空便か、エアコン付きのリーファーコンテナしか使いません。
飲めるオリーブオイル、と言いますか、飲めて当たり前のオリーブオイルをお客様にお届けしています。

株式会社 il Bianco 加藤

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。