オリーブオイル漬けに使用したオリーブオイルの使い方
トマトやオリーブなどのオリーブオイル漬け。
漬けてあるオリーブオイルがお料理に使える場合があるのをご存じですか?
使えると言うより ”漬けてあるオリーブオイルも使えるように生産者が作った品” もあります。
違いや使い方を、瓶詰めの出来方からご案内させていただきます。
オリーブオイル漬けも作り方によって、オリーブオイルの味が変わります
オリーブオイル漬けに使用しているオリーブオイルは2種類あります。
「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」です。
ピュアオリーブオイルは、油っぽいので、あまりお料理には向かないと思うのですが、エキストラバージンオリーブオイル漬けのオイルは、漬け込んである食材の風味をお料理やサラダに加える事ができます。
例えば、ドライトマトのエキストラバージンオリーブオイル漬けで、パスタを作った時に漬けてあるエキストラバージンオリーブオイルを少し加えると、トマトの風味が増します。
それに、ドライトマトとクリームチーズでカナッペを作るときにも、この漬け込んであるオリーブオイルが風味出しに使えます。
実は、エキストラバージンオリーブオイル漬けでも作り方が2種類あります。
1.ドライトマトなど加工済みの食材に熱していないエキストラバージンオリーブオイルを注いだもの
2.アンチョビやツナなど生の食材をビンに詰めて、熱したエキストラバージンオリーブオイルで食材を加熱調理したもの
1.の場合は、瓶詰め自体が良いコンディションだったら、かなり美味しい野菜類の風味付きエキストラバージンオリーブオイルです。サラダなどにお使いいただけます。
2.の場合は、既に高温になっているので、油っぽくためにサラダなどには使いにくいのですが、パスタなど火を加えるお料理には使えます。
例えば、アンチョビのパスタを作るとき、アンチョビと共に漬け込んであるエキストラバージンオリーブオイルを加えるとアンチョビ感が増します。ぜひお試しになってみてください
使用後は、少なくなった分だけ、エキストラバージンオリーブオイルを瓶詰めに足してください。
オイルに浸ってないと、中の食材がカビたりしちゃいます。
黒くなったジェノベーゼペーストは、熱が加わった証拠
ジェノベーゼペーストは作るときに加熱しません。できあがりは綺麗なバジル色です。
でも瓶詰めは色が濃くなっていますよね。中には黒くなっているものも。
あれは、熱が加わり色が変わっているのです。
瓶詰め後には殺菌と密閉を目的とした加熱をします。その加熱具合によって色の違いが出てきます。低温加熱したものは色の鮮やかさとともに美味しさ、香りが良いです。
私が扱っているヴェンチュリーノというメーカーのジェノベーゼペーストです。
このメーカーは、7年ほど前に新型の機械を導入して、瓶詰め後の加熱方法を変えました。
上が前の品で、下が新しいものです。ペーストの崩れ具合も違いますし、ビンの肩あたりを見ていただければ色も違うのがお分かりいただけるかと。(色については分かりにくい写真で申し訳ありません)でも味と香りは、すごく良くなりました。
オイル漬けも瓶詰め後の熱の加わり方で美味しさに差が出ます。
瓶詰めは保存食と思われがちですが、エキストラバージンオリーブオイルを使用したものは、オリーブオイルと同じように温度などから管理してあげたものと、そうで無いものとは味に差が出ます。
管理の方法と同じくらい大事なのが鮮度。
賞味期限の残りが最低半年以上の品をお選びになるのが良いと思います。
オリーブオイル漬けのオリーブオイルの使い方のまとめ
1.使用してあるオリーブオイルが、エキストラバージンオリーブオイルならお料理に使えます。
2.エキストラバージンオリーブオイルを使用した瓶詰めでも、オリーブオイルを加熱して中身を調理したものと、出来上がった加工食品にオリーブオイルを注いだものと2種類あります。
後者で温度などからちゃんと管理してあるものは、漬けてあるオリーブオイルは美味しい香り付きになっていますので、サラダに使えるほどです。
賞味期限が大幅に過ぎた方が美味しい瓶詰めなどというものもございまして、ブルーナのところで作っているマグロの赤身の瓶詰めは、賞味期限から5年くらい過ぎたものが通の間では美味しいと言われているそうです。
食の世界は奥が深いですね。
ヒナタノ店主 加藤 昭広