こんにちは、イタリアの美味しいもの探してお届けしています。ヒナタノというお店の加藤と申します。
イタリアでレストランに勤めている頃は、オリーブオイルで揚げ物作ってました。
お店では、何度か同じ油を使う必要があったので、日本で言うところのピュアオリーブオイルを使っていましたが、エキストラバージンオリーブオイルでも揚げ物作れます。
作れますと言うより、エキストラバージンオリーブオイルで揚げた方が、すごく美味しいです。
エキストラバージンオリーブオイルは、熱に弱いと言われていますが、だいたい190℃まで耐えられます。
「え?」と思われるかも知れませんが、190℃は、一般的な食物油が耐えられる温度に比べれば低いですし、よく「熱に弱いから、キッチンではコンロから離しておきましょう」と言われているのは、高温の所に置いておくと、劣化して油っぽい味になってしまうからなんです。
分かりにくいですよね 苦笑
さて、190℃という温度の限界は、鶏の唐揚げに必要な油の温度に近いのですが、私は何度も揚げたことがあります。唐揚げを揚げる温度としては低めですが、170℃くらいで揚げれば、かなりあっさりした美味しい唐揚げになります。エキストラバージンオリーブオイルは油が軽いですからね。
美味しく揚げるコツは、少量ずつ揚げること。
揚げる前、油の温度を180℃くらいまで上げて置きます。衣を付けた鶏肉を入れると温度が下がりますが、一度に揚げる量の目安は、下がる温度が170℃位まででの量です。
そして、揚げている間は、少しだけ火を強くして、揚げあがり時には180℃くらいになる。
かなり細かくご案内していますが、あくまでもイメージです。こんなに細かく温度管理できないですよね。私も実際は、もっとおおざっぱです。
油の量を増やせば、こんな細かい温度管理を避けられるのですが、エキストラバージンオリーブオイルは高価ですので、何リットルも使うわけにはいきません。
油の量を増やす替わりに、使う鍋を「底が厚くて」「重いもの」にするのをお勧めします。
お鍋が熱を溜め込んでくれるので、唐揚げ投入時に揚げ油の温度が下がるのを穏やかにしてくれます。ちょうど揚げ油の量を増やすのと同じ効果ですね。
さて、エキストラバージンオリーブオイルと言っても色々種類があります。
揚げ物には向かないエキストラバージンオリーブオイルもございまして、それは無濾過のエキストラバージンオリーブオイルです。
無濾過の場合、濁り成分が、デリケートですし、酸化にも弱いので揚げ物には向いてないと思います。
お手元にあるオリーブオイルが、無濾過か濾過されたものか分からない場合は、コップなどに注いでみて下さい。
無濾過のエキストラバージンオリーブオイルは、濁っているので一目瞭然です。
右が無濾過、左が濾過したものです。無濾過は、向こう側が見えないですよね。
エキストラバージンオリーブオイルでの揚げ物ですが、イタリアには名物料理としているお店もあるくらいです。海の近くのお店で、セモリナ粉で揚げたシーフードミックスとかは絶品です。
イタリアでは、日本よりも安価にエキストラバージンオリーブオイルが手に入りますので、揚げ物油として使うのは、珍しいことでは無いのですが、羨ましい。
さて、揚げ物に使ったエキストラバージンオリーブオイルもオイルフィルターなどで、しっかり濾過してオイルポットで保管すれば2,3回は使えます。
使えるかどうかは、匂いで判断されるのが良いと思います。悪くなってくると、ちゃんと酸化臭がします。
人工的に不純物を取り除いて、精製してあるピュアオリーブオイルの場合でしたら、もっと多くの回数使い回せます。
私が勤めていたイタリアのレストランでは、3,4回使っていた記憶があります。
もちろん、都度に匂いを嗅いで、オリーブオイルの状態はチェックしておりました。
あと、エキストラバージンオリーブオイルで揚げ物をしていて、もう一つある注意点が、突然温度が上がらなくなることです。
長時間揚げ物をしていると、時々、突然温度が下がって、中々上がらなくなります。そういう場合は、強火にしても温度が上がりません。
火を弱火にして、少し休ませれば、また温度が上がるようになるのですが、その低い温度の時に唐揚げを揚げてしまうと、やっぱり美味しく作れません。
でも、バッチリ上がるととても美味しいです。信じられないくらい、軽いお味で仕上がります。
ぜひ、お試しになってみてください。