ちょっと発想を変えるだけで毎日の食卓へ簡単に取り入れられます
エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)を健康のために摂りたいけど、なかなか使い方が思い浮かばない。このようなオリーブオイルの摂り方のご質問を頂戴することがあります。
オリーブオイルに慣れてくると簡単に使い方が思い浮かぶようになるのですが、これまで和の食卓が中心の方から見ると、どう使ったら良いか分からないとも良く伺います。「日々の食卓に健康に良いオリーブオイルを簡単に摂れてさらに美味しい」この発想法のヒントを簡単にご案内します。
健康に良いオリーブオイルの特徴を簡単におさらい
簡単にオリーブオイルが健康に良いと言われる理由をご案内すると、食物油のようで食物油で無い、オリーブオイル、特にエキストラバージンオリーブオイルは収穫から製造工程まで熱が加わっていないのでオイルと言うよりオリーブ実の生ジュースです。
一方、オリーブオイル以外の一般的な食物油は製造過程で熱が加わるので体に良くない成分も出来てしまいます。例えば、体内に吸収されて消費されないと中性脂肪になってしまう遊離脂肪酸などです。
オリーブオイルをほかの食物油と比較した記事です。よろしければご参照ください。
オリーブオイルは、なぜ他の食用油より優れているか
オリーブオイルが健康に良いからと言っても油をそんなに摂って大丈夫と思われるお客様も多いのですが、このようなことを詳しくご案内するとご納得頂けます。
鮮度の良いオリーブオイルが美味しい例をひとつご案内します。オリーブオイルの本場イタリアの田舎の方に行くと”これでもか”と言うほど大量のオリーブオイルを使用した簡単なサラダなどが出てきます。実際食べてみると驚くほど油っぽく無くてお皿に残ったオリーブオイルまで美味しくいただけます。それどころか、この最後に残ったオリーブオイルがチーズや野菜などのエキスと混ざって絶品です。
日本の飲食店でも似たようなお料理でオリーブオイルを同じように使われることがありますが油っぽい場合があります。理由は簡単で劣化してしまっているオリーブオイルを使っているか、本来は生食で使用してはいけない加熱処理などの精製を経たオリーブオイルを使用しているからです。
劣化してしまったオリーブオイルは、健康に良い植物油とは言えない成分に変質してしまっている場合があります。こちらは、熱がオリーブオイルに対してどのような影響を与えるかをまとめた記事です。
ぜひ試していただきたい「鰹のたたきにオリーブオイル」目から鱗のはず
鮮度の良いオリーブオイルは、健康に良く食物油とは思えないほど味が軽くて美味しいものです。簡単に使うにはそのままかけてしまうのが一番。ただし、何から何までかけて良いかと言えば、お料理との相性やオリーブオイル自体の味の強弱で美味しくもなれば逆もあります。
オリーブオイルとお料理をあわせる場合の簡単な法則
1.本物のエキストラバージンオリーブオイルを選ぶ
簡単に健康に良い成分が摂れるのはエキストラバージンオリーブオイルですが、実は日本の場合は自称エキストラバージンオイルが結構あります。日本にエキストラバージンオリーブオイルの法的基準が無いのがいけないと思うのですが、オリーブオイルはしっかり選びたいです。
2.オリーブオイルの味も選ぶ
オリーブオイルは、オリーブオイルの産地地域の食文化にあわせて簡単に味を変えています。山奥で猪を食べているような地域では強い味のオリーブオイルが好まれ生産しています。そのような濃い味のオリーブオイルを和食にかけてしまうと、お料理のお味が壊れてしまいますので、オリーブオイルの味選びも大事です。
オリーブオイルの選び方もご案内しています。よろしければご参考にしてください。
オリーブオイルの選び方
3.和の食卓で香りを楽しむようなお料理とは相性が悪い
オリーブオイルも香りがあります。日本とイタリアでは似ている食材を使用している場合があるのですが(例えばイタリアには魚醤があります)香りを楽しむお味噌汁のようなお料理にはあわないと思います。ただし、柚子のような強い柑橘系の香りとは相性が良いです。私のお客様で柚子フレーバー付きオリーブオイルを作られている方がいて、それが美味しいのです。
これらを踏まえて、簡単で健康に良いオリーブオイル使い方の例をご案内します。
失われた食材のジューシーさ簡単にオリーブオイルで補う
冷凍鰹のタタキを使ったのっけ盛り玉ねぎのスライスの上に鰹のタタキ、その上からエクストラバージンオリーブオイルをかけてポン酢。冷凍のために少し味気なくなった鰹のタタキも、とても美味しくなります。ほかには、少しパサパサしてしまった白身肉系のソテーに軽くかけてみてください。ジューシーさが戻ります。
ほかには、健康に良くないかも知れない動物性の油とオリーブオイルを入れ替えるという使い方もあります。例えば、麻婆豆腐を作るときに挽肉の脂を炒めて出し切ってからオリーブオイルを加えてつくる。軽いけどしっかりした味わいの麻婆豆腐になります。
イタリアの飲食店で目にした裏技
冷凍などで失われてしまった食材の美味しさを補う使い方は、イタリアで学びました。生ハムのパニーノ(サンドイッチ)は、生ハムのしっとり感が何とも言えず美味しいです。でも、生ハムも安いものは、硬かったりパサパサしております。
その安い生ハムでパニーノを作るとき、エクストラバージンオリーブオイルをひと回し。すると、少し時間が経つとジューシーでしっとりした生ハムのパニーノ大変身(笑)少々ずるいですが、目にしたことがあります。私が勤めていたお店ではありませんよ。
簡単にオリーブオイルを振っても美味しく無かった場合3>
オリーブオイルは鮮度が良くて本物のエキストラバージンオリーブオイルなら、色々なお料理に簡単にふりかけるだけで美味しくなるし健康に良い。これは本当の事です。でも美味しく無かった場合の主な理由は、オリーブオイル自体に問題がある。です。
何にでも使えるオリーブオイル。でも大事なのは種類と鮮度
オリーブオイルと言っても、色々な種類があります。
以前ご紹介したように、このような使い方で美味しいのは、エクストラバージンオリーブオイルです。
時折、サンサオリーブオイル(オリーブの搾りかすから有機溶剤を使用してオリーブの油分を抽出したオリーブオイル)に「サラダに使えます」と書いてあることがあります。エキストラバージンオリーブオイル以外を生使いすると、お料理が油っぽくて大変なことになります。
オリーブオイルの種類については、こちらの記事に詳しくご案内しております。よろしければご一読ください。
まとめ 健康に良いオリーブオイルのおいしい摂り方
ちょい足しして美味しくする編 その1
1.オリーブオイル(エキストラバージンオリーブオイル)は、一般的な食物油と違い油っぽさが全然無く美味しいです。健康に良く簡単に取る方法は、そのまま使用するのが一番です。
2.例えば、冷凍など少しお料理の素材の味がパサついてしまった場合は、オリーブオイルの油脂分が美味しさを補ってくれます。
3.ただし、全てのオリーブオイルが全てのお料理にあうというわけでも無いと思います。
ポイントは
イ 和の食事で香りを楽しむ(例えばお味噌汁)お料理にはオリーブオイルの香りが邪魔になるので使われない方が良いと思います。ただし、柚子のような強い柑橘系とオリーブオイルは不思議に好相性です。
ロ お使いいただきたいのは、必ず鮮度の良い本物のエキストラバージンオリーブオイル
ハ オリーブオイル自体の味も強過ぎるとお料理と合わせにくいです。おすすめは魚介料理にあうマイルドタイプのオリーブオイル
ご参考になれば幸いです。