本場の老舗工房が作る深い味わいのオーガニックバルサミコ

そもそもバルサミコって?

甘酸っぱいバルサミコ。特有の甘さが、お好きな方も多いと思います。

ちょっと煮詰めて、バニラアイスにトッピングにしたり、お肉料理にベリー系のソースにしたり、こういう使い方は、ワインビネガーなどではできませんよね。

でも、バルサミコって、値段に幅があるのを不思議に思われたことはありませんか?

スーパーや通販で250mlの品が、1,000円前後で売られているものがあると思えば、ちっちゃな小瓶で5,000円以上のものまで

この差って何なのだろう、高いものは、そんなに違うのだろうか?そう思われませんか?

バルサミコの値段の差は何故?

伝統的なバルサミコの製法は、限定された産地のブドウ果汁を木の樽に入れて、酢酸菌を少量加えて、発酵させます。

数種類の木樽に移し替えながら、何年にもわたり発酵熟成させて、甘みや深みを深く濃くしていきます。そして、最低12年経たものが伝統的なバルサミコとされます。

熟成される過程で、最初のブドウ果汁の数分の1になりますし、膨大な時間と労力が、かかっていますので高価になってしまいます。そのため、イタリアでは幻の食材と言われていたこともあり、製造元も100年ほど前までは、数社だったらしいです。

一方、今、流通している多くのバルサミコは、ワインビネガーにカラメルを混ぜて、伝統的なバルサミコに似せた味にしているものが多いです。

でも、そのようなバルサミコも、本物の称号が産地で与えられています。

IGP(保護指定地域表示、または、地理的表示保護)と言われるものなのですが、なんで、そんなことになってしまうかと言いますと、理由は圧倒的な需要でした。

バルサミコの需要に対して、「旧来の作り方では対応できないので、他の地からニセ物が出るくらいなら、自分の所で、廉価な品を規格化してしまおう」という発想だったみたいです。

少々大雑把なご案内の仕方かも知れませんし、彼らにも言い分があると思うのですが、似たような話は、イタリアの伝統的な食材には、とっても、よくある話なんです(苦笑)

IGP認証は、良いとして、そのIGPの中でも品質の差が大きいのが気になっています。

ご紹介しているコロンナのバルサミコVinagroは、添加物が無くて、かなり伝統的な作り方に近いのですが、それとカラメルを加えているものが、同じIGPなんです。

伝統的なバルサミコの味を多くの方に

ワインビネガーにカラメルを混ぜるとなれば、伝統的な製法に比べて、製造は簡単。かくして、今や、バルサミコ生産者は、数百とも千以上とも言われております(笑)

ただ、やはり伝統的なバルサミコの甘さには叶いません。味の深みや自然な甘さは、量産品とは比べものになりません。

さりとて、100mlで2~3万円もするようなバルサミコは、使いにくいですよね。お料理に使うのも気が引けてしまう。

同じようなことを、このバルサミコの販売元、マリナコロンナ社のコロンナさんも感じていたようです。

そのコロンナさんが、バルサミコの本場、モデナで老舗バルサミコ工房を営んでいる友人に作って貰っているのが、このモデナ産のバルサミコ、Vinagro di Colonna(ヴィナグロ・ディ・コロンナ、“ヴィナグロ”は、「お酢」という意味ですので、コロンナ家の酢の物と訳すのが良いと思います。変な訳ですが、、)

このバルサミコは、モデナ産のブドウ果汁に、発酵のスターターとして、同じくモデナ産のオーガニックワインビネガーを極少量加え、樫、桜、ジュニパー、桑などの木樽で、5年以上熟成させています。

独特な製法により、糖度が高いので、伝統的なバルサミコの8年ものくらいの味に仕上がっていると思います。

添加剤などを一切使用していないので、EUの有機栽培認証も取れています。下の写真の黄緑色のマークが、オーガニック認証の印です。

「え、ワインビネガー使っているの?」そう思われるかも知れませんが、この品を商品化した頃、発酵のスターターに酢酸菌を使っていたのですが、ロットごと(たぶん樽ごと)に味が全然違って困りました。

猛烈に美味しいときもあれば、酸っぱくて困ったこともありました(苦笑)

この製法にしてから、とても味が安定しているので、自信を持ってお送り出来ます。

深い甘いさえ感じるバルサミコの使い方

100%伝統的な製法では無いバルサミコですが、とっても自信を持ってお勧めできます。このバルサミコは、リピートしていただく方が、とっても多いです。

お召し上がり方は、先ほどご案内した、ほんのちょっと、ごく弱火で煮詰めて、バニラアイスのトッピングや、肉料理のベリーソース、あるいはサラダ

サラダでオススメなのが、ルッコラとミニトマトとツナのサラダに、このバルサミコとオリーブオイル。

ルッコラの優しい苦み、ミニトマトの甘とツナのコクを、このバルサミコが上手にまとめてくれます。ほんと美味しいですよ!

それに、サラダにするときは、レモン果汁を加えてみるのも面白いです。カラメルなど人工的な味の入っていない、純粋な果汁の味なので、果汁のレモンと実に良く馴染んで、少しだけ酸味を強くしてくれます。

このバルサミコも、空輸で運んで定温庫で管理してお送りしています。

バルサミコは、オリーブオイル以上に温度管理が大事だと思います。

イタリアの美味しいバルサミコを、ぜひお試し下さい。

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。