数百年続く家柄の絶妙なブレンド
「オリーブオイルが、美味し過ぎて面白くない」
とあるシェフの方から言われた一言が、このオリーブオイルの特徴を表しています。
実は、オリーブオイルは、複数の品種のオリーブで味を作っていく事が多いです。そのブレンドのバランスが、このオリーブオイルは、絶妙なのです。
香りも味も濃厚なので、カルパッチョのような魚介類に使用すると、このオリーブオイルの味になってしまいます。
それはそれで、美味しいと思うんですけどね。
お料理をするプロの方からすると、なにを作っても、そのオリーブオイルの味になってしまうので、つまらないらしいです(笑)
このDOPモリーゼは、お肉料理や、濃いめのパスタソースを作るときに、力を発揮します。
あと、実は、中華料理の仕上げに使うと、ものすごく美味しくなります。
例えば、ジャージャー麺の仕上げにかけると、ものすごく華やかな一皿になりますよ。中華好きの方には、ぜひお試しいただきたいです。
24種類23,000本のオリーブから、選りすぐりのオリーブで
ブレンドタイプのオリーブオイルで、常に美味しいものは珍しいです。
珍しい理由は、いくつかあるのですが、そのうちの一つが、一つの農園で複数種類のオリーブを栽培するのが、難しいということです。
オリーブの木は、違う品種が隣同士になると、干渉して、片方あるいは、両方とも枯れてしまうことが多いんです。
ですから、農園によっては、自社のオリーブオイルにブレンドする違う品種のオリーブオイルを、問屋や農園から購入することがあります。
そうなると、味のバランスを取るのが難しくなり、毎年味が変わったりします。
一方、このオリーブオイルの生産者、マリナコロンナ社は、自社の農園に24種類23,000本のオリーブの木を持っています。
この本数と種類の多さは、イタリアでも突出していると思います。
貴族の農園だからできること
農園の場所は、長靴の形をしたイタリア半島のふくらはぎの下あたり、品名の由来にもなっているモリーゼ州です。
マリナコロンナ社の当主、コロンナ家は、ここに膨大な農園を持っているのですが、元々は領地です。
コロンナ家は、ローマの貴族。それもルネッサンス期には、ローマ法王も排出している家柄です。
イタリアには、自称貴族という人達が沢山いるのですが、コロンナ家は本物で名家。家紋は石柱です。
このモリーゼ州の農地は、500年くらい前の戦争で手柄を立てた褒美だったらしいです。数百年の間に、ご先祖様が植えたオリーブが、23種類で24,000本になった。と聞いております。
このDOPモリーゼに使用されているオリーブは、全てコロンナ家の農園産で、ロショーラ、レッチーノ、ジェンティーレ・ディ・ラリーノ他
このバランスが、とっても絶妙なんです。そして、それぞれが単品のオリーブオイルでも、とても美味しい。
例えば、レッチーノという品種は、イタリアのあちこちで採れるのですが、このレッチーノだけでオリーブオイルを作っても、普通は、あまり美味しくありません。
でも、コロンナ農園のは、美味しい。辛い品種で有名なレッチーノですが、ここのは甘みさえ感じます。
美味しさの理由は、畑の手入れと、食に対する要望値高さ
マリナコロンナ社の事を、一言で表すと、食や仕事全てに対しての要望レベルが高いんです。
例えば畑の手入れ、私も広大なオリーブ農園を何度か廻ったことがあるのですが、ゴミ一つ落ちていない。まぁ、それは、ちゃんと営んでいる農園なら、当たり前の事なのですが、この農園では、24,000本のオリーブの木の周りを、定期的に手作業で掘り返していたりします。
掘り返す理由は、「土を軟らかくして、オリーブの木が養分を吸いやすくする」らしいです。
ものすごく手間暇かけて、土作りから拘っています。その拘りは、通関するときに検疫所に提出する書類に細かく書かれているのですが、内容の濃さに驚きました。この拘りが、こ美味しさに繋がっていると思います。
美しさにも拘ったのは、お客様に楽しんでいただきたいから
DOPモリーゼだけで無く、マリナコロンナ社のオリーブオイルは、オリジナルの壺の形をしたボトルに入っています。
この壺は、ローマ時代からワインやオリーブオイルを運んだ「アンフォラ」と言われる壺をモチーフにしています。
このアンフォラボトルは、イタリア貴族コロンナ家のアイデンティティーであると同時に、手に取っていただいた方のテーブルを彩るのに使っていただきたと、当主のマリナコロンナさんが、よく言っています。
アンフォラボトルの750mlは、ものすごい存在感がありますよ。一本あるだけで、キッチンが華やかになります。
蓋を押さえつつ、両側にある溝からオリーブオイルを注ぐのですが、ポアラーをお使いになれば、簡単に注ぐことができます。
大きさは2種類ございます。
EXVオリーブオイル(DOP)「モリーゼ」250ml