なぜオリーブオイルの味について解釈が違うのか
オリーブオイルをすすめる記事を読むと、時折「味がしないのでピュアオリーブオイルの方がおすすめ」というフレーズを目にします。でも先日ご紹介しました通り、ピュアオリーブオイルは、製造過程で化学的な処理をされている場合があります。
では、なぜ味がしないことでピュアオリーブオイルをすすめるのか?実は、成分云々は置いておいて、料理の専門家でも味がしないオリーブオイルを好まれる方々がいらっしゃいます。その理由は
オリーブオイルの味の有無で比べると、大事な事を見失ってしまう。
味がしないから使いやすいと言われる方もいるピュアオリーブオイルと、エキストラバージンオリーブオイルは、全く別物です。健康のためにオリーブオイルをご検討されるなら、該当する品は、エキストラバージンオリーブオイルだと思います。
ピュアオリーブオイルに関しては、認知症の原因物質を出すと言われているサラダ油などよりは、全然良いので、私は揚げ物にはピュアオリーブオイルを使用していますが、料理の仕上げに生使いすると油っぽくなるので、揚げ物以外には使用していません。
※サラダ油と認知症(アルツハイマー病)の関連性に関しては、平成27年9月21日(月)の東洋経済ONLINEに金沢大学大学院医学系研究科で脳科学専門医の方が書かれた記事が出ております。
トリュフフレーバー付きオイルも、味がしないピュアオリーブオイルを好む人も
私はトリュフフレーバー付きオイルも扱っています。
芳香な白トリュフの香りと、エキストラバージンオリーブオイルのバランスが絶妙な品なのですが、欲しいのはトリュフの香りだけで、オリーブの味が邪魔と言われる方もいらっしゃいます。その理由はベースになる料理分野の違いのようです。
「オリーブオイルの味は無い方が良い」と考える理由とは
まず最初に、考え方の良し悪しを申し上げるつもりではありませんので、なにとぞ。
こういう微妙な言い回しは苦手です(苦笑)
私は仕事柄、非常に多くの料理のプロの方とお会いします。中には有名なホテルの総料理長の方々もいらっしゃいます。そこで思うのは、フレンチの方とイタリアンの方は、オリーブオイルに対する考え方が全く違うということです。
素材の味と味をぶつけて料理をつくるイタリア料理出身の方は、オリーブオイルは、出汁のような使い方。
色々な味を、様々な技術で組み合わせて創り上げていくフレンチの方にとっては、オリーブオイルは油のひとつであって、時折エキストラバージンオリーブオイルの味が邪魔に感じてしまうらしいようです。
オリーブオイルの話になぜフレンチ?と思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、日本にイタリア料理が紹介され始めた初期の頃の日本人は、ほぼフレンチ出身の方です。ですので、その頃からの考え方がイタリアン含めて洋食に関わっている人々に残っているのだと思います。
オリーブオイルの味は無い方が使いやすいか?のまとめ
1.オリーブオイルの味の有無で比べるのと、健康に良い食物油という大事な比較点を見失ってしまう。
2.ピュアオリーブオイルは、化学的な処理をされている油。サラダ油などよりは良いと思われるが、エキストラバージン
オリーブオイルとは別物
3.味がしない食物油を好む料理のプロの方もいらっしゃるが、ちゃんと乳化させるなどの技術を使っている
食の世界は奥が深いです。
hinatano 加藤 昭広