健康のために良いとされているオリーブオイル なぜ他の食用油より優れているか

初めまして、hinatanoの加藤と申します。
私の自己紹介は、最後にさせていただきます。このブログでは、エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)が健康に良いと言う事や、その使い方・保管方法・選び方などをご案内させていただきます。

 

サラッとしていて美味しいオリーブオイル

なぜオリーブオイルが健康にいいのか?他の食物油より優れているのか?

最初の話題はこれです。
「オリーブオイルは、健康に良い成分が入っている」と言われています。
でもオリーブオイル以外にも健康に良いとされている食物油「えごま油」などと何が違うのか?
これは、素朴な疑問ですよね?大きな違いがあります。

 

オリーブオイルならではの健康への効能

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)は、オレイン酸が主成分、さらにリノレン酸など必須脂肪酸がたくさん含まれています。そして含まれているバランスは、母乳とよく似ていて体にとても優しく健康的です。

でも、オリーブオイル以外にもオレイン酸が主成分で健康に良いとされている食物油がありますよね。それらとオリーブオイルの健康への効能の違いは

 

1.オリーブオイルならではのポリフェノールが含まれている。

オレウロペイン、ヒドロキシチロソール、オレオカンタールなどと言ったオリーブオイル特有の健康に良いポリフェノール類がたくさん含まれています。特にオレオカンタールに関しては、最近話題になりました。

 

2.「健康のために摂りたくない成分がオリーブオイルには入ってない

他の食物油とオリーブオイルとのもうひとつの大きな違いは、製造工程で熱が加わっていないことです。

オリーブオイル以外の油脂類は、一般的に絞った後に水分と油分を分けるために加熱をしますので ”色々な美味しくなくて健康にも良くない成分” が発生します。しかし、オリーブオイルは、搾油行程で熱を加えずに作られています。オリーブの実を搾っただけです。

つまり、オリーブオイルには加熱による健康に良くない成分が発生していません。
言い換えればオリーブオイルは、オイルでは無くてオリーブの実の生搾りジュースです。

※注:最近は、ほかの油でも「低温生搾り」という加熱しない方法で絞られている油も増えてきています。

50年ほど前まで使用していた石臼。白い筒状のところから洗浄されたオリーブが落ちてきます。大きな石臼をゆっくり回すことにより温度を上げずにミル状にします。この地域の動力は水車。

50年ほど前まで使用していた石臼。白い筒状のところから洗浄されたオリーブが落ちてきます。大きな石臼をゆっくり回すことにより温度を上げずにミル状にします。この地域の動力は水車でした。

 

食物油に熱が加わると、遊離脂肪酸などの美味しくなくて健康にもあまり良くない成分ができます。
この成分いくつかは、「油っぽい」という味で体験できます。でも実は、オリーブオイルにも熱が加わると出来てしまいます。

例えば、下のグラフをご覧ください。
オリーブオイルに熱が加わると発生する「ピロフェオフィチンa」についてです。

出典:The Effect of Storage Conditions on Extra Virgin Olive Oil Quality 助成および実施機関:オーストラリア地方産業調査開発公社とオーストラリア・オリーブ協会

出典:The Effect of Storage Conditions on Extra Virgin Olive Oil Quality
助成および実施機関:オーストラリア地方産業調査開発公社とオーストラリア・オリーブ協会

 

縦軸がピロフェオフィチンaの量で20の下あたりにある点線が、エクストラバージンオリーブオイルと呼んで良い基準値。
これを超えると鮮度が悪く「油っぽい」味がすると考えても良いでしょう。横は経過時間です。

グラフの線は、管理温度帯で、
・青の点線が37℃
・黒の線が22℃
・赤の点線が15℃

37℃の場合、1ヶ月半で基準値を超えてしまいます。だから私は輸入に航空便を使用しています。

もこみちさんと言う方が、テレビでガッツリオリーブオイルかけているのをご覧になったことがあると思います。
あれを劣化したオリーブオイルや「油」でやってしまうと、味が大変なことになります(笑)
オリーブオイル(必ずエクストラバージンオリーブオイル)だからできることです。

美味しいオリーブオイル

 

それでもご家庭での保存は、夏でも流しの下などで十分です

ご家庭での保管は、流しの下で十分です。
水回りは夏の間も結構涼しいですし、完璧な状態のオリーブオイルならグラフにある通り1ヶ月半で使い切ってしまえば、多少高温の室内に置いておいても大丈夫です。

オリーブオイルが熱で傷んでしまう理由のほとんどは、オリーブオイルの産地から店頭までの温度管理が原因なのですが、扱い方法によっては、夏の流しの下よりも遙かに過酷な環境下にオリーブオイルが置かれてしまいます。そのため傷んでしまいます。

完璧な状態でお客様に召し上がっていただきたいので、私は飲食店向けの問屋さん以外は直接お納めしています。

 

健康に良い効能があるオリーブオイルが傷んでしまう条件

健康に良い成分が減ってしまう、オリーブオイルが苦手にしているものは、弱い順に
1光、2温度、3酸素。あとはポリフェノールが減ってしまう出荷からの経過時間です。

意外かも知れませんが、オリーブオイルの主成分のオレイン酸は酸素に強いです。蓋をしておけば開封後も結構長持ちします。それに比べて光に対しては、もの凄く弱い。透明なボトルのオリーブオイルは、未開封でも酸化している場合があります。

このブログでは、これらのことを少しずつお伝えしていきたいと思っています。

 

オリーブオイルが劣化する条件と内容をご案内した記事です。ご参考になれば幸いです。

オリーブオイルが熱によって劣化する 遊離脂肪酸編
オリーブオイルが熱によって劣化する ピロフェオフィチンa編
光がオリーブオイルを酸化、劣化させる理由

 

 

まとめ 健康に良いオリーブオイルの美味しい摂り方

温度管理されたオリーブオイルは、美味しくなく健康にも良くない成分が入っていません。
オリーブオイルならではのポリフェノールもたくさん入っています。

エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュースですので、本当は、サラッとしていて油っぽく無くすごく美味しい。美味しくて健康にも、とても良いです。

私は、イタリアの食について勉強を始めたのが約20年前。
イタリア食材の輸入業を起業してから10年目になりました。
このあとも、見聞きしたことをお伝えしていきます。
ご参考にしていただけますと幸いです。

 

hinatano

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。