ぱっと見では全部同じように見えますが、実は
オリーブに品種があるのはご存じですか、その数は実に多くて、イタリアだけでも食用オリーブの種類は200ほどあると言われています。その品種によって味が変わってきます。好みの味のオリーブオイルを見つけるヒントにしてみてください。
イタリア各地に色々な品種。しかしオリーブにも縄張りがあります。
オリーブの実はイタリア各地に色々な品種がありますが、その地にしか無い品種というのが実に多くあります。
その理由は、ほかの品種が入ってくると、新参者を攻撃して枯らしてしまう、、、、こういう構図のようです。
hinatanoでご紹介しているブルーナ家も、試しにフラントイオとレッチーノという品種を植えてみたことがあるらしいのですが、見事に枯れました。
フィリッポ・ブルーナ曰く※サイトの写真で白いポロシャツ着ている人です。
「この畑のタジャスカオリーブは、よそ者は枯らしてしまうのだよ。」
私「どうやって?」
フィリッポ「わからん」
だそうです。でも、何度やっても枯れるらしいです。
夏のブルーナ家有機栽培農園。下草がカラカラに乾いています。この時期に草刈りします。
中には、イタリア半島全体的に広く生息している品種もあります。代表的なのは、フラントイオとレッチーノという品種になります。オリーブの中では強い品種のようです。このうちフラントイオ種は、トスカーナ地方で好まれる味。辛味が特徴です。レッチーノも辛いのですが、少し深みというか甘味を感じる場合があります。辛いオリーブオイルが好みでしたら、この2品種が使われているかをお店で聞いてみてください。
品種ごとの味については、追々ご紹介させてください。同じ品種でも作り手によって変わってきますが、おおまかな味は同じです。日本の食材に例えるなら「味噌」米味噌、麦味噌、八丁味噌、だいたい味の方向性は同じでも作り手によって味が変わってきますよね。こんな感じです。
私の取引先には、23種類のオリーブ24,000本栽培しているところも
ブルーナ家では無いのですが、私の取引先のマリナコロンナ社という会社は、23種類のオリーブ24,000本のオリーブを育てています。この生産者は旧家というか貴族でございまして、中世には法王も輩出したお家柄です。先ほどお話しした通りオリーブは品種間で喧嘩をしてしまいますので、ここの農園でも毎年数百本枯れるらしいです。
なんで、こんなに栽培品種が多いかと言いますと、ご先祖様が趣味で植えてしまったらしいです。(笑)
こちらの農園は、とにかく広くて。お隣との境界線は、向こう側に見える丘あたりらしいです。
オリーブの実の品種によって搾るタイミングも違います。
hinatanoでご紹介しているブルーナ家のオリーブオイルは、タジャスカ種になります。この品種は完熟してから搾ります。一方、先ほどご紹介したフラントイオとレッチーノという品種は、早摘みが美味しい品種。特にフラントイオは完熟してから搾ると、うーん。油っぽいだけ。という表現が正しいと思います。
オリーブの品種によって違うオリーブオイルの味についてのまとめ
1.イタリアにはオリーブの実の品種が200くらいあって、それぞれ味が違う
2.地方ごとに品種が違いますが、フラントイオとレッチーノという品種は、イタリア半島全体的に見られる品種。
この2品種は比較的辛いので、辛いオリーブオイルが好きな方は、この品種を使用しているオリーブオイルがお勧めです。ただ、フラントイオは、味に深みが無いので、できればほかの品種とブレンドしているオリーブオイルがお勧めです。
ご参考になれば幸いです。
hinatano加藤昭広