なぜ美味しくない油っぽいエクストラバージンオリーブオイルが存在するのか
買ったオリーブオイルを料理やサラダにかけてみたら美味しくなかった。なんだか油っぽい。
こんか経験はありませんか?今日はオリーブオイルが油っぽくなる理由をご説明します。
混ぜ物では無くて、農園での仕事ぶりが原因の場合が多いです。
美味しくないオリーブオイルは、混ぜ物をしているとは限らない
ピュアオリーブオイルは、「油」ですから油っぽいのはあたりまえなので置いておいて、
”オリーブの実の生搾りジュース”であるエクストラバージンオリーブオイルが油っぽい理由は、こんな事が考えられます。
1.熱が加わってしまって遊離脂肪酸が増えている
以前もご紹介したお話しですが、オリーブオイルは、一定の温度を越えると遊離脂肪酸が増えて油っぽくなります。
※遊離脂肪酸は、すぐにエネルギーになるので、消費しないと体に脂肪として付いてしまいます。ですから私は温度管理して輸入しています。
2.搾る前にオリーブの実が熟しすぎている。
これが理由で油っぽいエクストラバージンオリーブオイルは、イタリアにもあります。なぜ熟しすぎているかというと
a.思いっきり熟させてオリーブオイルの搾油量を増やす
b.農園の作業が行き届かなくて、収穫し残して熟し過ぎたオリーブの実がたくさんある。それを搾ってしまう。
c.熟しすぎて、落ちてしまったオリーブの実を使う
だいたい、こんな感じです。
よく偽物のオリーブオイルは混ぜ物が原因。「物価が安い国の安価なオリーブオイルを混ぜてあるから美味しくない」と思われている方も多いと思いますが、実は、ちゃんとしたエクストラバージンオリーブオイルなら、それなりの味がしてしまい、混ぜても油っぽくなりません。だから判別するのが大変なのです。
連れて行かれたオリーブ農園。味見をしたら油っぽい。やはり
仕入れ先にと、イタリアの知人の連れて行かれたオリーブ農園で味見をしたことがあります。紹介して成約したら農園からマージンをもらうビジネスをしている人でした。
この知人曰く「イタリア産100%のオリーブオイル。IGPクラスだよ」
農園に行ってみて味見をしたら、油っぽい。厳密に言うとギリギリでした。畑を歩いたら収穫し残したオリーブの実がたくさん。木の手入れもイマイチ。やはり畑に全部出ます。
なぜ、このようなエクストラバージンオリーブオイルが売られているか
原因は日本の法律。日本の場合、全てのオリーブオイルは「食用オリーブ油」でカテゴリーされて、遊離脂肪酸の酸度は2%以下。(エクストラバージンオリーブオイルの国際的な基準は、0.8%)つまり食品ラベルに食用オリーブ油とさえ表記しておけば、国際基準より酸度が高くてもエクストラバージンオリーブオイルと書けてしまうのです。
それに例え国際基準のエクストラバージンオリーブオイルでも、輸入過程で普通の方が分からない程度にで傷んでいる品もあります。
買ったエクストラバージンオリーブオイルが美味しくなかった理由のまとめ
1.輸送途中で遊離脂肪酸が増えて油っぽくなってしまった。
2.そもそも、熟しすぎたオリーブの実を使ってしまっていた。
3.日本の法律では「食用オリーブ油」のカテゴリーしか無いので、このような品がエクストラバージンオリーブオイルと名乗って売られてしまう。
このようなオリーブオイルを買わないで済む方法ですが、専門店か詳しい人がいるお店を見つけるのが一番です。
日本でも、良い品質のエクストラバージンオリーブオイルが、望まれる方へ確実に届く日が来て欲しいと願っています。
hinatano 加藤 昭広