オリーブオイルのカロリーと太りやすさの関係

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オリーブオイルのカロリーは高い?

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイルと略させていただきます。)はダイエットや健康に良く、そのまま飲みましょうという記事を目にすることがあります。

実際、イタリアではオリーブオイルを健康のために飲む人が沢山いますし、私の取引先のオリーブオイル生産者の人は、味見のためにいつも飲んでいます。しかし、オリーブオイルも食物油ですのでカロリー高め。でも肥満体型の人は本当に少ないです。

その理由をオリーブオイルの生産者から聞いた話や、調べたことを基にご案内させていただきます。

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オリーブオイルも他の食物油と同じで高カロリー

実は、オリーブオイル含めて植物性の食物油はどれも同じ100gあたり921kcalです。結構な高カロリーですよね。

その高カロリーのオリーブオイルをイタリアの人は、飲んだりパンにたっぷり付けて食べたりしていますけど、アメリカで見られるような肥満体型の人は本当に少ないです。

その理由として考えられるのが、オイルを作る時の温度。オリーブオイルのうち、エキストラバージンオリーブオイルは、オイルにする時の温度が、30℃以下と非常に低いです。ほかの食物油は、搾った後に油分と水分を分離させる為に高温にします。

この温度に”オリーブオイルが高カロリーでも太りにくい理由がある”とオリーブオイル生産者の人は言っています。

夏のオーガニックオリーブ農園600

カロリーの高低よりオリーブオイルの大事なこと

カロリーよりも糖質量を考えましょうと糖質ダイエットの本には書いてあります。しかし、カロリーが一番大事と言われる方もいらっしゃいますので、人が太るメカニズムは、まだまだ知られていないことが多いようですね。

同じように食物油でも知られていないことが多く、そのひとつに「加熱されていないオレイン酸は、体への吸収率が悪くて流れて行ってしまう」というものがあります。このことは、イタリアのオリーブオイル生産者人からよく聞きます。

確かに、オリーブオイルのお通じへの良い影響として「滑り効果」があるので、つじつまが合うような気がします。腸に届く前に体に吸収されてしまったら、滑り効果は無いですものね。

そこで、ずっと前からオレイン酸の加熱と、太りやすさの関係の研究結果を探してみたのですが、なかなか見つかりませんでした。つい最近、参考になるようなレポートを見つけたのですが、これはマウスを使った実験データーです。引き続き探したいと思います。

加熱ツバキ油または加熱オリーブ油の摂取が脂質代謝に与える影響

 

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オリーブオイル搾油温度の高低で味が変わる

オリーブオイルは30度以下で搾るとご紹介しました。私は微妙な温度の違いで味が変わることを体験しています。

あるオリーブオイル生産者は、通常28度以下で搾油しているのですが、より高級なオリーブオイルを作る時は25度まで搾油温度を下げます。

その3度の違いで決定的に違うのは、「味の油っぽさ」でした。高級な方は、飲んだ味は軽くて後味もすっきり。それに比べれば通常品の方は、十分美味しいけど、後味に重さが残ります。両方とも、口の中に油っぽさが残るようなことは無かったのですが、差をハッキリ感じました。

 

搾りたての濁ったオリーブオイル

高カロリーでも体に付きにくいオリーブオイルの入手法

あのオリーブオイル生産者の通常品と高級品の違いは、遊離脂肪酸という成分の量で見分けることもできます。

エキストラバージンオリーブオイルの遊離脂肪酸の基準は、0.8%で、その基準をクリアするために、オリーブオイル生産者は、オリーブの実の収穫後から搾るまでの時間を短縮したり、できるだけ低い温度で搾るように努力しています。

このヒナタノで販売しているエキストラバージンオリーブオイルは、0.18%です。畑から搾油場まで距離が遠いので、かなり大変らしいです。

オリーブオイルを搾ったあと、遊離脂肪酸が温度と時間でどれくらい増えるのかは、実験データーがあります。オーストラリアの公的な機関が何年もかけて調べたレポートなのですが、比較的食べやすい味のオリーブオイルの場合、37度のところに半年置いておくと、基準を超えてしまいます。

オリーブオイルと熱の関係

出展元 The Effect of Storage Conditions on Extra Virgin Olive Oil Quality 2012年の研究論文

「結構丈夫なのね。」と思われるかも知れませんが、この「37度で半年以内」をクリアしているオリーブオイルは、日本では、とても少ないと思います。詳しく下の記事でもご案内しておりますが、日本のエキストラバージンオリーブオイルの基準が、国際的な基準と違うことが、大きな理由だと思います。

そしてお気に留めていただきたいのは、遊離脂肪酸は食べたあと、運動などで消費しないと中性脂肪になってしまう成分ということです。

 

オリーブオイルの品質や鮮度について、鮮度が良くて、飲んでも美味しいオリーブオイルとは、どんなものかをご案内しています。

「飲んでも良いオリーブオイルと駄目なオリーブオイル」

高地のオーガニックオリーブオイル農園

温度などから管理された、鮮度の良いエキストラバージンオリーブオイルをお選びいただきたいのですが、なかなか見分けが付かないと思います。もし、オリーブオイルをお探しなら、ぜひ私の品もご検討いただけますと嬉しいです。

北イタリアの山奥にある200年続く有機栽培農園から、飛行機などを使って、可能な限りの最短距離でお届けしています。

鮮度が良くて美味しいオリーブオイルは、飲んでもサラッとしていて、とても油とは思えない味。きっと未体験の方が多いと思います。そういうオリーブオイルは、お料理に使ったら何でも美味しくなってしまう。魔法の果汁のようなものです。ぜひお試しください!

まとめ オリーブオイルのカロリーと太りやすさの関係

オリーブオイルのカロリーは、他の植物性食物油と同じく100gあたり921kcalです。しかし、エキストラバージンオリーブオイルは、オイルにする時の温度が、他の植物性食物油よりも低く、この温度の低さがオリーブオイルが体に付きにくい食物油の理由だと、オリーブオイルの生産者の人たちは言っております。また、マウスの実験データーですが、参考になるレポートもあります。

しかし、温度管理されたオリーブオイルは、日本にはとても少ないです。新鮮なオリーブオイルをお探しなら、ぜひ私の品も候補にしていただけましたら幸いです。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。