良いオリーブオイルと悪いオリーブオイルを見分ける
美味しくて健康にも良いと言われている本物のエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイルと略させていただきます)。
でも見分け方が難しいと思いませんか。オリーブオイルは種類が多いし値段の幅も広いし、高価でも偽物のオリーブオイルもあると言われています。
でも、美味しい良いオリーブオイルは、かけたもの全てが美味しくなる素晴らしい経験ができます。きっと、多くの方は、まだ体験されていないと思います。
仕事柄、たくさんのオリーブオイルを見てきました。良いオリーブオイルを見分けるお手伝いさせてください。美味しいオリーブオイル、偽物かを見分けるポイントなどなど、色々ご紹介していきます。内容は、こんな感じです。
目次:これからご紹介する良いオリーブオイルを見分けるヒント
- 良いオリーブオイルを見分ける手がかりボトルとラベル
- 価格で良いオリーブオイルか見分ける
- 産地で良いオリーブオイルか見分ける
- 良いオリーブオイルの生産者を見分ける
- 良いオリーブオイルを見分ける 外からでは分からない事
- 味で良いオリーブオイルか見分ける
- 濾過無濾過は、良いオリーブオイルか見分ける目印?
- オリーブオイルの色は見分ける良い目印?
- 良いオリーブオイルを見分ける酸度
- 有機栽培は、良いオリーブオイルを見分けるポイント?
- 原産地認定で良いオリーブオイルを見分けられる?
- 良いオリーブオイルを買う場所を見分ける
とっても長くなってしまったので、気になる項目だけ拾い読みしていたけるように書きました。
文章の書き方を一生懸命勉強していますが、まだまだだと思います。読みにくかったらごめんなさい。
早速、美味しくて良いオリーブオイルを見分ける旅に出発しましょう。
さて、まず最初は、ラベルや商品の見た目から、書いてあること以上に読み取れるものがあります。
良いオリーブオイルを見分ける手がかりボトルとラベル
本物の良いオリーブオイルは、見分けて手に入れれば本当に美味しいです。サラッとしてて飲んでも美味しくて、お料理に使ったらどんなお料理も美味しくなる。なんだかとっても嬉しい経験を楽しめます。でも、この見分け方が難しいのですよね。
良いオリーブオイルか見分ける最初の手がかり、見た目からまいりましょう。まずはボトルの材質や形状です。まず絶対に良いオリーブオイルでは無いと簡単に見分けられるのは、透明なボトルのオリーブオイルです。
実はオリーブオイルは光がとても苦手なのです。意外かも知れませんが、透明なボトルに入ったオリーブオイルは、未開封でも酸化が進んでしまいます。栓を開けていないのに酸化?と思いますよね。この酸化は光合成と呼ばれるものです。理科で”植物の葉緑素が光を吸収して酸化物(酸素など)を発生させる”と習ったことと同じです。
オリーブオイル色は葉緑素なんです。そのオリーブオイルの色が、透明なボトルで光を受けると光合成を起こしてしまうのです。そして、困ったことにこの光合成に酸素は不要なので、オリーブオイルのボトルが透明な場合、未開封でも酸化していることがあります。ですから良いオリーブオイルは、色の濃い遮光されたボトルに入れられています。
美味しいオリーブオイルを探していたのに、酸化物が混じっているかもしてない透明ボトルのオリーブオイルは、やはりお勧めできません。
オリーブオイルが光に弱いことは、こちらの記事で詳しくご案内しています。
透明ボトルオリーブオイルの酸化具合の見分け方
透明なボトルに入っているオリーブオイルは、酸化すると段々色が薄くなって、最後は透明になります。これはオリーブオイルの色の基になる葉緑素がだんだん減るからなのですが、そのぶん酸化物がドンドン生産されて増えていきます。
透明までになったオリーブオイルは、栓を開けるとものすごい酸化臭がします。この酸化臭が強くて透明になったオリーブオイルは召し上がらないでください。強く酸化した食物油って、かなり体に悪いらしいのです。
実はイタリアでも透明なボトルの売られています。オリーブオイルの色がきれいだと売れ行きが良いらしいのです。でも、彼らは、ちゃんと暗いところで保管していますし、あっという間に使い切ってしまうので、気にならないみたいです。イタリアの人は、本当にオリーブオイルを使います。4人家族だったら週に2,3リットルは使うかも知れません。小腹が空いたら、パンにオリーブオイルをつけて食べたりしています。
次に良いオリーブオイルの見分け方で容器の材質も見てみましょう。缶やペットボトル入りのオリーブオイルです。
オリーブオイルの容器の材質が気になる理由は、温度の伝わり方です。オリーブオイルは熱に弱いと聞かれた事はありませんか?缶やペットボトルは、ビンに比べて温度の伝わり方が強いのです。ちょっとでも気温が高いと、ぜんぶオリーブオイルに伝わってしまう。オリーブオイルにとって良い材質とは言えないと思います。
缶については、完璧に遮光されるとか丈夫だとか、良いところもあるのですけど、ペットボトルについては良いところ全然思い浮かばないです。あるとすれば、コストが安いのと軽いことなのですが、これって製造者側の都合ですよね。良いオリーブオイル生産者は、ペットボトルを使用しないです。
熱で劣化してしまったオリーブオイルを表現すると、”ベチャッとしていて、食べるといつまでも口の中が油っぽい”こんな感じです。
残念ですけど、飲食店でも時折こんなオリーブオイルに出会ってしまいます。「このパスタ良いオリーブオイルを仕上げに使えば、もっと美味しくなるのに」と思うことがあります。
良いオリーブオイルも温度が上がると悪くなる
でも、日本のオリーブオイルで1番多いのが、この温度が上がってしまって油っぽくなってしまったものです。それには理由があります。
まずは、オリーブオイルの熱が上がると、どう変化するかについてです。こちらのグラフを見てみてください。これは、オリーブオイルがどのくらいの温度で油っぽくなってしまうかの試験結果です。オーストラリアの公的機関の研究レポートから引用しました。サンプルのオリーブオイルは、比較的マイルドなタイプのオリーブオイルです。
レポートの原本はこちらになります。英文になりますがPDFでご覧いただけます。ご興味のある方はご覧になってみてください。
The Effect of Storage Conditions on Extra Virgin Olive Oil Quality 2012年の研究論文
ご覧いただくと、瓶入りのオリーブオイルを37℃の温度のところに6ヶ月間くらい置いておくと、オリーブオイルの国際基準の酸度0.8%を越えてしまいます。この時点で品質的にエキストラバージンオリーブオイルでは無くなってしまいます。
そして、こちらが一般的なオリーブオイルの輸入方法です。産地から暑い中東や東南アジアを通って日本まで2ヶ月以上かかります。それに、ほとんどの場合、エアコンの付いていないコンテナで運ばれてきます。庫内温度は50度にもなります。コンテナ内が高温になることは、東京都健康安全研究センター広域監視部のレポートを参考にさせていただきました。
東京都健康安全研究センター広域監視部 輸入食品の運送状況等実態調査報告
更に、日本に着いてからも、色々なところを経由しますので店頭に並ぶまで時間もかかります。この運び方ですから瓶入りのオリーブオイルでも厳しいです。ペットボトルだったら、なおさらです。
ペットボトルについて、今のところ科学的に悪い情報は無いのですが、このような運び方をされたオリーブオイルについては、あまり美味しそうには思えませんし、ペットボトル入りのオリーブオイルは、瓶や缶と比べると風味が違うと聞いたことがあります。それに私自身も何種類かペットボトルのオリーブオイルを試したことがあるのですが、熱以外でも劣化しているようで、とてもエキストラバージンオリーブオイルとは言えない品質のものでした。
「でも、エキストラバージンオリーブオイルと書いてあるから、エキストラバージンオリーブオイルじゃないの?」と思われるかも知れませんが、日本の法律でエキストラバージンオリーブオイルというものが、ちゃんと定められていないので、自称エキストラバージンオリーブオイルが多いのです。このことについては、このあと詳しくご案内させていただきます。
オリーブオイルが熱で劣化するとどうなるかは、こちらで詳しくご案内しています。
写真をクリックされると、このラベルの商品に飛びます。少しだけ宣伝させていただきます!
良いオリーブオイルの見分け方、次に見て分かるものとしてラベルを見てみましょう。
ラベルからも良いオリーブオイルか見分けることができます。例えば、表のラベルにイタリアに由来があるような文章がいっぱい書いてあるオリーブオイルがあったとします。でも日本語の食品表記ラベルの原産地表記を見ると原産国表記が無いオリーブオイルを時折見かけます。
この原産国表記が無いということは、そのオリーブオイルは製品の状態で輸入されて無いのです。なんだかややこしいのですが、考えられるのは、原材料のオリーブオイルをどこかの国から輸入して、日本でボトル詰めしたオリーブオイル。という事が考えられます。
この方法だと最終加工は日本になるので、原産地表記をする義務が無いと解釈しているのだと思うのですが、いかにもイタリア産ぽく見せていて、中身が違うというのは、どうなの?と思います。
このラベルをちゃんと書くと言うことは、良いオリーブオイルの会社かを見分けるポイントになると思います。表のラベルにもオリーブオイルを見分ける良いヒントがあるのですが、これは、後の”オリーブオイルを産地で見分ける”項目でご案内いたします
良いオリーブオイルか見分けるのは難しい日本の基準
なんで、こんな微妙なオリーブオイルがエキストラバージンオリーブオイルとして売られているかの原因は、”日本にはエキストラバージンオリーブオイルの法律上の基準が無い”からだと思います。
日本ではエキストラバージンオリーブオイルもピュアオリーブオイルでも法律上の分類(名称)は「食用オリーブ油」です。「食用オリーブ油」は、オリーブが原料で酸度(酸価)2%以下。この食用オリーブ油の基準を満たして裏のラベルに書けば、表ラベルには、かなり自由に書けます。もちろん、エキストラと入れても今のところ問題なし。
でも、メディアなどで健康に良いとされているエキストラバージンオリーブオイルの国際的な基準は酸度0.8%です。
この基準は、50年近く前の昭和44年に制定されたので、時代遅れになっちゃったのだと思います。その頃は、小豆島産を除いてエキストラバージンオリーブオイルは、日本にありませんでした。ちなみに、その頃の小豆島産のエキストラバージンオリーブオイルは、一升で10万円ほどしていたそうですよ
オリーブオイルのラベルについては、こちらに詳しくご案内しております
この基準があるからか、日本では自称エキストラバージンオリーブオイルが大量に流通していました。しかし、国際基準のエキストラバージンオリーブオイルとは違うものなので、それらが「日本のエキストラバージンオリーブオイルの8割以上は偽物」と本に書かれてしまったのだと思います。
さて、だいぶ長文になってしまいました。
このあとも、どうすれば良いオリーブオイルと見分けられるかを、このあと味や産地など、オリーブオイルを探して販売する者の目線で、もっと深く、詳しくご案内していきますが、少々マニアックかも知れません。そこで、もう少しシンプルな記事をご紹介します。例えば「エキストラバージンオリーブオイル」と「ピュアオリーブオイル」の違いなどに関して、こちらに記事を書かせていただいていいますので、よろしければご覧になってみて下さい。
良いオリーブオイルを見分けるポイント、次は価格を見てみましょう
価格で良いオリーブオイルか見分ける
オリーブオイルの価格帯は幅広いですよね。500mlボトルで1,000円以下のものもあれば、同じ量でも5,000円くらいのものまであります。この価格差はなに?と思われると思います。私も、この仕事を始める前は、とても不思議でした。
いろんな生産者をまわってみると、オリーブオイルの価格は、色々な要素から決まってきているようです。
例えば、農園や産地のブランド力。産地周辺の物価や人件費、収穫量、オリーブの実の重量あたりどれくらいオリーブオイルが搾れるか。などなどです。イタリアは地域によって物価の差が激しいので、物価が高い地域のオリーブオイルは高価になります。
私もオリーブオイルを探しに行ったとき、同じようなランクのオリーブオイルなのに地域によっては平均的な価格の1.5倍くらいする時もあります。ですので、高価なオリーブオイルが良いオリーブオイルとは限らないのです。
ただ、下限はあります。どう考えてもこの価格以下ではつじつまが合わない。オリーブオイル生産者が生活できないと思われる価格があります。それは、イタリア産だったら1リットルで3,500円、250mlだったら1,400円くらいだと思います。物価が安いスペインやギリシャ、トルコならあり得るかも知れないのですが、イタリア産では無理です。ちゃんと仕事をしている良いオリーブオイル生産者だったら、生活ができないのです。この価格は本物で良いオリーブオイルか見分けるヒントになると思いますよ。
こちらに、その価格を計算した記事があります。かなり細かくご案内しておりますが、文章だらけで読みにくいかも知れません。申し訳ありません。
本物のオリーブオイル。1リットル3,000円以下の品をお勧めしない理由 ※この記事を書いた頃は1リットル3,000円が目安でした。
産地で良いオリーブオイルか見分ける
良いオリーブオイルかの見分け方、次は産地について
私はイタリアで食の勉強をしたので、オリーブオイルはイタリア産だけ扱っております。そのほかの国についてはよく分かってないのですが、きっと大事なのは、その国の良いオリーブオイル生産者が、ちゃんとした良いオリーブオイルを作ったとしても、良い状態のままでオリーブオイルを運べる物流があるかだと思います。
エキストラバージンオリーブオイルは、熱に弱いので、やっぱり暑い地方のオリーブオイルは熱が心配です。私もシチリアなど南イタリアから仕入れるときには、温度に注意して運びます。
ですので、もし、良い状態のオリーブオイルを探されているのなら、暑い地域が産地のオリーブオイルは避けるか、温度管理をしっかりやっていそうな輸入者のオリーブオイルが良いと思います。オリーブオイルの温度に気を配っている輸入者は、必ずホームページに書いてあると思います。
暑い地方ってどのあたりかと言いますと、イタリアだったらローマよりも南かなと思います。それよりも南はトラックなどの物流も大変です。私も仕入れたオリーブオイルが行方不明になったことが何度かあります。まぁイタリアでは日常茶飯事です(笑)上の不格好な梱包は、南イタリアからのオリーブオイルです。南から運ぶときには、中身が何か分からないようにグルグル巻きにします。食べ物だと分かると、気軽に商品抜かれてしまうのです。
次に良いオリーブで気になるのが味ですよね。この少しあとで詳しくご案内しますが、日本人が馴染めそうなオリーブオイルの味であることが大事だと思います。
良いオリーブオイルの生産者を見分ける
良いオリーブオイルを作ってくれる生産者か見分けるには、私は産地に行くべきだと思っています。でも、普通はなかなか行けないですよね。そこで、私も含めてオリーブオイルの輸入者がお客様に替わって行くべきだと思っています。
確かに、オリーブオイルもコンテストや食品博などで、良さそうな品に出会えることもあるのですが、そのオリーブオイルが、お客様が召し上がる時に同じ品質と味でなければならないじゃないですか。
でも、オリーブオイル生産者がコンテストなどに出す場合は、1番良い状態のボトルを出展します。それに日本のような海外に出展する場合は航空便を使用します。ですから美味しいのはあたりまえ。あとは、日頃手抜きをしないで良い仕事をしているかが大事になりますよね。それを見分けるには産地に行って、木の手入れや倉庫の状態。あるいは搾油施設などを確認する必要があると思っています。良いオリーブオイル生産者か仕事ぶりで見分わけられると思っています。
良いオリーブオイル生産者は、たとえオリーブの木が何千本あっても、一本一本のことをよく分かっています。「元気がなかったから、ここを剪定したから元気になった」とか「去年は出来が良かったけど、今年は休みの年だね」とか、自分の子供のように分かっています。とにかく丁寧。良心の塊のような人達です。
一方、怪しいオリーブオイル生産者は、”稀少品オリーブオイル”となっていたのに、ものすごく大きなオリーブオイル貯蔵施設があったら、なんで?となりますし、逆に公表している生産量が多いのに、オリーブオイルの施設が小さかったら、どこからかオリーブオイルを持ってきているのでは?となります。
この仕事は、私のようなオリーブオイル輸入者の仕事なのですが、でも産地訪問して農園など歩いているオリーブオイル輸入者は少ないようです。いっぱい訪問して畑を歩かないと、良い畑か悪い畑か目利きのレベルが上がらないと私は思います。もし、パンプレットなどで、オリーブオイル輸入者自身の言葉でオリーブ農園の事などをしっかりレポートされている品というのは、良いオリーブオイルを見分けるポイントになると思いますよ。
良いオリーブオイルを見分ける 外からでは分からない事
ここまでお読みいただきありがとうございます。
良いオリーブオイルの見分け方、ボトルの見た目から農園まできました。農園はボトルをみただけでは分からないのでは?ご指摘ごもっともです!
この先は、もっと深く、オリーブオイルの中身についてご案内していきます。すでにお手元にあるオリーブオイルが良いオリーブオイルか見分けるご参考になさってください。
良いオリーブオイルとはを、オリーブオイルの味や色、酸度に濾過や無濾過などの仕上げ方などなどについてご案内してまいります。
味で良いオリーブオイルか見分ける
良いオリーブオイルが欲しくて、お勧め記事などを見て買ってみたら、さほど美味しくなかった。こんな経験はないですか?これは無理も無いと思います。先ほどご案内したとおり、味見に使用するオリーブオイルは、1番状態の良いオリーブオイルです。それに、オリーブオイルをオリーブオイルの味で見分けようとするととても難しいと思います。
苦みや辛味の感じ方は個人差がありますし、鑑定を表現する専門用語にはアーティチョークの味やシトラスの香りなどが使われることがあるのですが、それが、どのような味でどんなお料理にあうのか分かりにくいです。
でも、もっとシンプルに考えることもできます。
私は、産地のお料理がオリーブオイルの味がイメージできる見分けられる良いヒントだと思っています。オリーブオイルって、大昔から産地の食材を美味しくいただくために味を作ってきました。
お魚を食べる地方はお魚に合うようにマイルドな味に。猪肉のようなものを食べる山の中は、辛味や苦味が強かったりします。ちょうど、日本のお味噌や出汁、醤油のような感じです。
またマニアックなことを申しておりますが、ぜひシンプルに考えてみてください。イタリア料理、スペイン料理などなど、最初はお国の料理でお好きな味を考えると良いと思います。それが、美味しそうな、好きそうなオリーブオイルの味を見分ける良いヒントになると思います
世界中でイタリア産のオリーブオイルが売れているのは、イタリア料理が好まれているからだと思います。日本もイタリア料理店が多いです。そのイタリア料理店でもシチリアとかトスカーナとか、地域料理を看板にしているお店は、必ず同じ地域のオリーブオイルを使っています。
イタリアの中でも海が近かったり、山の中だったり色々な場所に良いオリーブオイルがあります。もし、気になるオリーブオイルが、どんな味か見分けたかったら、オリーブオイルの品名か生産者の住所をGoogleで検索してみてください。ばっちり地図で出てくるはずです。そして、そのオリーブオイル生産者が海の近くなら、マイルドなオリーブオイル。山の中なら少し辛味や苦味があるオリーブオイルだと思います。
私がぜひ味わっていただきたいのは、鮮度の良いマイルドなオリーブオイル。このオリーブオイルは、運ぶのに温度管理が必要なので日本にはなかなかありません。サラッとしていて、かなり多めにかけても油っぽくありません。トマトとモッツァレラチーズのサラダのカプレーゼに使えば、お皿に残ったオリーブオイルを、かかえて飲みたくなるほどです。
オリーブオイルの産地をラベルから調べる方法は、こちらに詳しくご案内しています。よろしければご覧になってみてください。
実は、辛くて苦いのは良いオリーブオイル
良いオリーブオイルだと聞いて買ったけど、やたら苦かった辛かった。こんなご経験おありで無いですか?
あまりにも苦くて辛いので食べて大丈夫と心配になるかも知れませんが、実はオリーブオイルの辛味や苦味は体に良いポリフェノールから来ていますので、健康に良いオリーブオイルです。
でも、辛くて苦いオリーブオイルは食べにくいですよね。その場合の対処法をご案内しています。
濾過無濾過は、良いオリーブオイルか見分ける目印?
オリーブオイルには、フィルターをかけたもの(濾過されたもの)とフィルターをかけていないもの(無濾過のもの)があります。濁りって、美味しそうに見えることがありませんか?オリーブの成分がたっぷり入っていて、いかにも良い感じ。日本酒でも濁り酒の方が美味しいと言う方もいらっしゃいます。
でも、オリーブオイルの場合は、濾過、無濾過は、良いオリーブオイルを見分ける目安にはならないみたいです。
色々なオリーブオイル生産者を訪問してみると、濾過、無濾過、両方作っているオリーブオイル生産者がいるのですが、どちらが美味しいかと言いますと、どっちもどっち。生産者によって違います。濾過のオリーブオイルの方が美味しい生産者もいますし、逆のオリーブオイル生産者もいます。
どうやら、オリーブオイル生産者の考え方や、オリーブの実の状態、それに搾り方によって差があるようです。無濾過の方が良いオリーブオイルだと言う生産者のオリーブオイルは、無濾過の方が美味しいですし、その逆を言う人のオリーブオイルは、濾過されたオリーブオイルの方が美味しいです。
あと、よく秋に搾りたてオリーブオイルとして、搾っただけで濃い濁りのあるオリーブオイルが売られますが、これも同じです。搾っただけでは雑味が酷くて、美味しくないオリーブオイルもあります。私は4,5社からオリーブオイルを輸入していますが、搾りたてで美味しいのは1,2社で、それも年によっては美味しくないこともあります。
ひとつだけ、共通しているのは、濁り成分はデリケートということ。オリーブオイルの濁り成分は、とても痛みやすいのです。
オリーブオイルの色は見分ける良い目印?
オリーブオイルの色って、どんな色を想像されますか?
濃い緑色だと、なんだか良さそうな美味しそうなオリーブオイルに見えませんか?でも、残念なことにオリーブオイルの色は、良いオリーブオイルを見分ける目安にはなりそうありません。
この仕事をはじめる前、私もあちらに住んでいて、スーパーで濃い緑色のオリーブオイル(色が見えると言うことは避けた方が良いとご案内した透明ボトルです(笑))を買ったことがあります。厨房の同僚が「やっぱり、濃い緑のオリーブオイルは最高だね」と言っていたので買ってみた野ですが、楽しみにして味わってみると、なんだか重くって味が全然しないオリーブオイルでした。たぶん、あのオリーブオイルは実が熟しすぎていたのだと思います。
オリーブオイルの色は、オリーブの実の状態などで決まってきます。このサイトで取り扱っているブルーナのオリーブオイルはタジャスカ種というオリーブで作られているのですが、とても不思議なオリーブでして、1本の木なのに同時期で何種類も違った色のオリーブの実が成ります。それでも、やや黄色のオリーブが多い場合は、オリーブオイルは黄色がかった緑色です。
最終的には、それぞれ味わいごとにオリーブオイルを分けて貯蔵しておいて、瓶詰め前にブレンドして味を調えて出荷するので、味と色は大体同じに仕上げてあり商品になってからは気がつきません。
良いオリーブオイルを見分ける酸度
良いオリーブオイルを見分けるポイントとして酸度を挙げられる方もいらっしゃいます。
日本ではエキストラバージンオリーブオイルの基準は酸度2%以下なので、基準ギリギリだと油っぽく感じでしまいますが、国際基準の酸度0.8%以下では味に大きな差は感じられないと思います。
え!?日本の基準は違うの?と思われるかも知れませんが、日本ではエキストラバージンオリーブオイルもほかのオリーブオイルと同じ「食用オリーブ油」と分類されるので酸度は2%以下になっちゃうのです。
この遊離脂肪酸というのは、食べて消費されないと中性脂肪になって体についてしまう成分なので健康のために気になりますよね。酸度が低いオリーブオイルだとサラッとしていて軽いし、胃腸にも優しいです。この酸度0.8%の酸度にするためには、オリーブの実を収穫後24時間以内に搾ることや 熟しすぎたり傷の入っているオリーブを取り除くなどの手間をかけます。0.2%くらいのオリーブオイルなら収穫後8時間以内に搾ることが必要です。
良いオリーブオイルは、手間がかかります。この酸度は良いオリーブオイルを見分ける参考になると思います。
有機栽培は、良いオリーブオイルを見分けるポイント?
化学肥料を使用していない安心できる良いオリーブオイルを見分ける目印としては、有機栽培は良い目安だと思います。オリーブオイル生産者が有機栽培認証を得るには、年間数十万円の費用と、小まめに雑草を取り除くなど常に良い畑にしなければなりません。でも、美味しさを求めて、良いオリーブオイルを探す場合は、有機栽培はあまり意味が無いものですし、かえって美味しくないオリーブオイルということもあります。
オリーブオイル生産者が、有機栽培認証を得たいのは販売上の良いメリットがあるからです。日本だけでなく有機栽培を良いオリーブオイルの見分ける目安にしている方は多いです。
でも、有機栽培のオリーブオイル食べてみたら「意外に美味しくない」と感じることも多いと思います。私が扱っている有機栽培オリーブオイルは、もともと虫が少ない畑だから美味しい有機栽培のオリーブオイルが採れるのですが、オリーブオイル生産者の中には、虫が多い畑でも売れるからと有機栽培をやってしまっているところもあります。そういう畑では、虫が美味しいオリーブの実から食べてしまうので、美味しいオリーブオイルをつくるのは難しいのです。
原産地認定で良いオリーブオイルを見分けられる?
オリーブオイルについているマークで、IGPとかDOPとか聞かれた事がありますか。
これはオリーブオイルを含めた食品の産地偽装を防ぐ目的で作られた制度です。IGPとDOPの違いは、IGPの方が地域の範囲が広く、DOPは産地が細かく指定されていて更に味わいなどの細かい基準があります。例えば、IGPは神奈川県産(実際は、もっと広い範囲をIGPは設定しています)、DOPは神奈川県の横浜市で南半分の地域で、さらに味の特徴も決められている。こんな感じです。
産地偽装が多いオリーブオイルを見分けるのにはIGPとDOPは良い制度だと思います。ただ費用が高いのです。検査代や証明書代がかかります。DOPの認証組合によっては、畑の航空写真まで必要になりますし、更に認証マークのシール代などがかかります。
そのため、DOPのオリーブオイルは、日本で販売するときは500円以上高価になってしまいます。それに、せっかく良いDOP認証を受けたオリーブオイルでも、運んでいる途中で熱が上がってしまったらオリーブオイルの味が変わってしまいます。確かに食べられなくなるくらい温度が上がることは、ほとんど無いと思うのですけど、せっかくなので良いコンディションの現地と同じオリーブオイルを手に入れたくありませんか?
最後は、オリーブオイルを手に入れる場所の見分け方です。
良いオリーブオイルを買う場所を見分ける
ここまでお読みいただきありがとうございます。
買われる方の立場になって、良いオリーブオイルの見分け方をできるだけお伝えしたつもりです。
オリーブオイルは決して安くありません。良いオリーブオイルになればなおさらですよね。
このあとオリーブオイルを買うお店の探し方もご案内させていただきますが、いかがでしょう。オリーブオイル選びを私にお任せいただけませんか。ご期待通りの仕事をお約束いたします。
ここまでご案内したことを、私は全て行っておりますし、イタリアから日本への航空便を選んだり日本国内での取り扱いなど、ここにご案内している以上の事も行っております。飲食店のお客様には銀座のBVLGARIさんの直営レストランや、湘南鎌倉地域のお店へお納めしたりしているのですが、小売店はじめ販売先は少ないです。
ここにご案内している事を流通業の方にお話しすると煙たがられますし、直接納品にこだわっているので問屋さんを通さなければならない百貨店さんにもお納めしていません。そのため2007年に創業しましたが、未だ小さい会社のままです。リピートしてくださるお客様と、友人達の応援に支えてもらっています。
このhinatanoは、その友人達が、私が知っているイタリアの食の世界観をお客様に体験いただこうということで始めました。お客様に替わって、イタリア現地で目利きをして、美味しいものを美味しいままにお届けしています。
上の写真に商品のリンクを貼らせていただきました。イタリアのとんでもない山奥で見つけたオリーブオイルです。写っているのは、私と山奥の農園主ブルーナ親子です。ここのオリーブオイルは、マイルドで全然油っぽく無い、スッと飲めてしまうオリーブの果汁そのもの。山奥の泉のようなオリーブオイルで200年以上続く有機栽培の畑で作られています。それを飛行機を使って最短距離で運んでいます。酸度は2019年2月の検査で0.18%でした。
さて、オリーブオイルを買う場所に話を戻します。
良いオリーブオイルを良い状態のままで手に入れる場所ですが、なかなか難しいです。
私だったら、量販店でオリーブオイルを買うときは、健康に良いのか分からない食物油よりは良いと思ってオリーブオイルを買います。もし、少し高めの良いオリーブオイルを買いたい場合は、専門店で辛味や苦味が強めのオリーブオイルを買うと思います。辛味苦味の基になるポリフェノールは、熱からオリーブオイルを守ってもくれます。
通販でオリーブオイルを買う場合は、夏の暑いときも常温で発送してくるお店からは、私だったらオリーブオイルは買いません。オリーブオイルは、温度で本当に傷んでしまいます。最近真夏は40℃近くになります。そのような時にも常温で発送するオリーブオイル販売会社は、オリーブオイルについての知識が無いからかも知れませんが、止めておくと思いますよ。
ぜひ、ご参考になさってください
まとめ 良いオリーブオイルの見分け方
良いオリーブオイルは、輸入品なら、一定の価格(先ほどご案内したようにイタリア産なら最低でも1リットル3,500円以上、250mlなら1,400円)のもので、透明ボトルを避けたり、ラベルの日本語表示をしっかり読んで、原産国など確認すれば見分けられます。
でも一番大事なのは、温度管理。どんなに美味しい良いオリーブオイルでも、温度が上がったりすると全然別物になってしまいます。サラッと飲めるくらい美味しいオリーブオイルだったのも、熱が上がるとベチャッとして口に油っぽさが残るオリーブオイルになってしまいます。
オリーブオイルが熱で傷んでしまうのは、日本ではオリーブオイルは、温度管理が必要の無い他の食物油と一緒に扱われてしまうことが大きな理由です。それだけにオリーブオイルを手に入れる良い場所を探すことが重要だと思います。
オリーブオイル探しのお役目、ぜひ私にお任せください!