オリーブオイルの有名な生産者が見つけにくい事情

マイルドで美味しいオリーブオイル

有名なオリーブオイル生産者は大手ばかり

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)で有名な作り手って聞いたことはありますか?
有名なオリーブオイルを探そうと思って検索しても、自薦の記事や本物の探し方の記事が多いです。

「この人のオリーブオイルなら、有名だからおいしくて安心」と言えるオリーブオイルが少ない事情をご案内します。

 


 

有名なオリーブオイル生産者が出ない理由

イタリアの有名なオリーブオイル生産者と言われているものは、ほぼ大手のオリーブオイルメーカーです。
トスカーナ州の有名なオリーブオイルも、大手のワインメーカーが生産しているものですし。

鮮度の良いエクストラバージンは、オリーブの実の生搾りジュース

なぜこれといった有名なオリーブオイルの作り手いないかと申しますと、オリーブオイル自体が地域の食文化ごとに味が違っていて、好みがはっきり分かれているために、イタリア全土で支持されるオリーブオイルが万人受けする大手のオリーブオイルになってしまうことが一番の理由です。

加えてオリーブオイル生産者の数が多すぎるのも一因です。

オリーブの実の生産だけしている人や、自社で搾油施設を持たずに共同搾油所を利用しているオリーブオイル生産者などなど含めると数千になると思います。小さな作り手です。でも、こういう人達の中に巧みのオリーブオイル職人がいます。

これらの人達は、地域では有名なオリーブオイル生産者になっている事が多いのですが、遠い日本から探すのは容易ではありません。

 


 

オリーブの所有権も細分化

オリーブの木は1本ずつ不動産のように登記されてます。所有者一族の資産として代々引き継がれます。
でも最近困ったことが起こっています。それは所有権の細分化

夏の有機栽培エキストラバージンオリーブオイルの畑草刈りの様子

例えば、最初100本持っていたとします。その人に子供が二人いれば50本ずつ相続します。更にその子供に数本ずつと細分化してしまっています。最近は1本ごと分かれてしまっています。

その1本地主の方が、木の近くに住んでいれば問題無いのですが、転居されてしまうと面倒なことになります。なぜなら、それらの木はオリーブ農園の中にあることが多くて、その農園主は他人名義のオリーブの木に一切手出しできないのです。

きれいなオリーブ農園の真ん中に雑草が絡まっている木が1本だけあって、そこから虫が。
そんなこともあるみたいです。

 


 

有名無名とたくさんいるオリーブオイル生産者との出会い方

有名なメーカーのオリーブオイルでも、本物でおいしければ良いかも知れませんが、イタリアの本当の美味しさは、小さな地方の町にポツンとあると思います。それがすこぶるおいしいし楽しい。

そういうオリーブオイルに出会うには、足を運ぶしか無さそうです(笑)食品博に行くよりも、狙ったオリーブオイル味の食文化を持っている小さな町を訪れて、探す方が私は好きです。私のオリーブオイルは、そのようにして出会った品です。

どこそこの町では有名なオリーブオイル。こういうのがお好きでしたらお任せください。

 


 

まとめ オリーブオイルの有名な生産者が見つけにくい事情

オリーブオイル自体地域の食文化にあう味になっているので、全国的に有名なオリーブオイル生産者は、万人受けするオリーブオイルを作っている大手のメーカーになってしまうことが多いです。

オリーブオイルに関わる職人さんの数が膨大なのも、有名と言われる人が出てこない一因のような気がします。隠れた名品をぜひ。イタリアにはまだまだ美味しいものがたくさんあります。

 

hinatano

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。