オリーブオイルが不作で価格が上がっています。
オリーブオイルが不作が原因で、価格が上がっている話を聞かれたことはありますか?
気候変動による不作で、オリーブオイルの価格が高騰してしまっているのですが、「そもそもオリーブの木は厳しい環境に強いはず」と思われますよね。
気候変動による不作が、オリーブオイルの価格にどのように影響しているかを仕組み含めてご案内します。
価格高騰のオリーブオイル 不作の理由
オリーブオイルの価格が上がっている原因は、気候変動による不作です。
でも、オリーブの木は厳しい気候に強い植物です。
不作の最大の原因は、”気候変動による環境サイクルの変化”で害虫が大量発生してしまったことです。
オリーブの害虫オリーブミバエは、暑さや寒さに弱い虫です。
気温約15℃以下と35℃以上の環境下では、あまり生存できません。
イタリアの場合、最低気温が15℃を越えはじめる春から初夏にかけては乾季になります。
乾季の間は、オリーブの実はギュッと締まって皮が固くなります。ですから害虫が実に入っていけません。
でも、この本来は乾季であるはずの気温帯で雨が降ってしまったら、水分がオリーブの実に行ってしまい皮も柔らかくなります。そのため害虫がオリーブの実に入ってしまうのです。
さらに害虫が元気な気温帯ですから、どんどん害虫がオリーブに入って更に増えていく。という悪循環になります。
一昨年の2014年に起きた事態は、まさにこの通りでした。
あの年は、真夏なのに気温は25℃くらいで雨もたくさん降りました。
雨が降ったら農薬は効かないですし、有機栽培を行っているところは、打つ手無しの状態だったようです。
特に被害が酷かったのは、トスカーナ州やウンブリア州。あまりにも酷くて収穫と搾油を諦めたオリーブオイル生産者もたくさんいました。
私が住んでいたフィレンツェも1999年頃とは気候が激変
私が最初に住んでいた頃のフィレンツェの気候は、ちょうど関東と同じような感じでした。
暑いと言っても、せいぜい30℃ちょっと。アルノ側からの湿気や蚊に悩まされましたが、窓を開けておけば夜は涼しい。
でも、2回目に住んだ2006年頃から様子が変わってきました。確か11月でもTシャツで過ごせましたし、翌年の2007年は40℃越えも。アフリカからの熱波が入ってきて、空の色も昔と変わってしまっていました。
2007年のトスカーナ州モンタルチーノ地方に、アフリカの熱波が入ってきたときの空です。
この地方は、マレンマと呼ばれるエリアに近く、元々湿気が多いのですが、普通はここまで白くなりません。
この日も40℃ありました
不作が続き価格高騰。オリーブオイルの見通し
さて、今年2016年のオリーブオイルの出来と価格ですが、イタリアの地域によっては2014年と同じような不作が発生しています。ただし、今回は地域によってです。
トスカーナ州は今回も大打撃を受けているという話を聞きます。でも南イタリアのアドリア海側は、大丈夫そうです。この地方の取引先からは、今のところ価格の大幅な値上げの話は来ていません。聞くとやぶ蛇になりそうで(苦笑)
hinatanoの取り扱っているオリーブオイルの産地、北イタリアのリグーリア州では、私が取引しているブルーナ家の近くのオリーブオイル生産者は、被害を受けて不作で価格は3割近く上がります。ブルーナ家の農園とは、微妙に環境が違うので何とも言えませんが。ブルーナに今年の作柄については、まだ問い合わせておりません。やぶ蛇になりそうで少々腰が引けております(苦笑)
まとめ オリーブオイルが不作で価格が上がる理由
オリーブオイルが不作で価格が上がっていますが、原因は気候変動による環境サイクル変化にオリーブの木も生産者もついて行けてないことです。2014年にあった8月に長雨が降るなどということは、以前はありませんでした。
2016年も地域によって同じような被害が出ている模様です。
今後数年以降の見通しは、諸説あり予想困難です。