エクストラバージンオリーブオイルは、熱を加える料理に使っても良い?
熱に弱いと言われているエキストラバージンオリーブオイルは加熱するお料理に使える?
熱にエキストラバージンオリーブオイルを加熱したら、体に悪いものが発生する?
こんな素朴な疑問について、知っている事をご案内します。
オリーブオイルを料理に使う場合、耐えられる熱の限度
熱に弱いと言われているエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)ですが、実は190℃まで耐えられます。
ですからお料理はもちろんのこと、揚げ物にも使えます。
このことはイタリアのオリーブオイル鑑定士から直接聞きました。読んだ文献にもありました。加えて私が勤めていたところ含めて、イタリアのレストランでは熱を加えるパスタ料理や肉を焼くときもオリーブオイルを使用します。
でもよく、「オリーブオイルは熱に弱い」とも聞きます。
この場合、本来の意味は、熱が加わると、オリーブオイルの鮮度が落ちて健康に良い成分が変化してしまうこと。なのですが、いつの間にか「熱が加わると何か悪いものに変化してしまう」と誤解されたものだと、いろいろな方に話を伺ったり本を読んだりしたら思いました。
先日、オリーブオイルが熱に弱い一例として、「エキストラバージンオリーブオイルで料理を作ろうとしたら発煙した。」というブログ記事を読んだことがあります。これはきっと少量のオリーブオイルに強すぎる火力を加えたか、オリーブオイルに直接熱(火)が入ってしまったのだと思います。
私はエキストラバージンオリーブオイルで、チャーハンを強火全開で作る事がありますが、発煙した経験はございません。
働いていたレストランの厨房で、料理中にオリーブオイルに熱を加えすぎて、フライパンから黄色い火柱を上げたことが一度だけありましたが(苦笑)あれはフライ用に加熱していたオリーブオイルに直接火が触れたからでした。
いずれにしても、いくら熱に強いと言っても、サラダ油を高温にしたら認知症の原因物質が出るという研究結果があるくらいですから、オリーブオイルで無くてもお料理に高すぎる熱は避けた方が良さそうです。
認知症サラダ油に関して参考記事です。
毎日の「サラダ油」が認知症を進行させる!(東洋経済)
オリーブオイルは揚げ物料理にも。ただし使い回しは苦手
私がよく行くイタリアのレストランの名物料理は、魚介類をセモリナ粉とエキストラバージンオリーブオイルで揚げる「魚介のフライの盛り合わせ」です。もの凄く軽くて美味しいです。
オリーブオイルの輸入業を営んでいるとは言え、揚げ物料理に使う量の売れ残りは出ないので、市販のオリーブオイルを買ってきて天ぷらを揚げることがあります。サラダ油より全然軽く揚がり美味!ただし、長時間揚げていると温度が上がらなくなってきます。これが難点です。
揚げ物料理をする場合、オリーブオイルの使い回しは最大2回までにしています。
ピュアオリーブオイル3割くらいを混ぜて使うと、もう少し長持ちします。
オリーブオイルを料理使う最大の魅力は、余熱でも出る芳香な香り
オリーブオイルが熱を加えるお料理で最大の魅力を発揮してくれるのは、火を止めてからの最後のひとふり
テレビでもこみちさんが「追いオリーブオイル」なるものをやっていますね。あれは、ぜひお試しください。欧州料理にとってオリーブオイルは、味のベース。ダシみたいなものですので、鮮度が良いちゃんとしたオリーブオイル(エキストラバージン)なら、確実に美味しくなります。
パスタ料理など、火を止めてからオリーブオイルをひとふりしたら、余熱でも食欲をそそる香りがフワッと立ちのぼります。味わいも凄く深くなります。
あるいは、お料理の熱を加える工程だけ量販品のオリーブオイルを使用して、火を止めた後、仕上げだけでも良いオリーブオイルを使ってみてください。お料理が全く別物になります。
ぜひぜひ。お試しになってください。
もし、仕上げにオリーブオイルを使ってみて、お料理が油っぽかったり変な味になってしまったら、残念ながら、そのエクストラバージンオリーブオイルは劣化していたのだと思います。
まとめ エキストラバージンオリーブオイルと料理と熱の関係について
1.エキストラバージンオリーブオイルは190℃まで耐えられるので料理に十分使えます。
2.揚げ物油としても使えますが、使い回しは2回くらいまでがおすすめです。
※ピュアオリーブオイルを混ぜて使うともう少し長持ちします。
3.お料理でエキストラバージンオリーブオイルの魅力を一番味わえるのは、火を止めてからの仕上げのひとふり。