良いオリーブオイル しかも安全
オリーブオイルのことを書くとき、みなさんは、どんな情報を求めているのだろうとオリーブオイルについて色々探します。
今日見つけたのは「安全」の二文字。
オリーブオイルのインポーター(輸入者)としては残念な気持ちいっぱいですが、
私の知っている事が少しでもお役に立てれば幸いです
良いオリーブオイルで安全な条件
良いオリーブオイルで安全なものを探されている方は、「オリーブオイルは偽物が多い」と話題になった事を気にされていると思います。ネットの記事の中には、オリーブオイルに体に害があるものが混ぜられている。というのも目にしたことがあります。
このようにオリーブオイルは安全では無い、と出所不明の情報が載っていたり、話がゴチャゴチャになっていますので、まずは言われている「偽物のオリーブオイル」について整理してみます。
言われている「偽物オリーブオイル」とは
1.他の食物油などが混入されているエキストラバージンオリーブオイルですら無いもの
2.エキストラバージンオリーブオイルだけど、産地が偽装されているもの
3.日本にエキストラバージンオリーブオイルの法的な基準が無いのを良いことに勝手に名乗っている品
4.元々は国際基準を満たしたエキストラバージンオリーブオイルだけど、輸送や管理が悪くて劣化したもの
これらのうち、2.3.4については、噂レベルも含めたら、私も見聞きしたことがあります。
詳しくは、以前の記事に書かせていただきました。
さて、良いオリーブオイルで安全と検索されている方は、上記のうち1が気になられていると思います。
特に報道された硫酸銅でオリーブの実をコーティングされていた件ですね。
でも、コーティングされていたのは瓶詰め用のオリーブの実です。
古くなったオリーブの実を硫酸銅でコーティングされたものが摘発されていました。
このコーティングされたオリーブの実を、オリーブオイルにすることは不可能です。
なぜなら、オリーブの実は収穫直後から酸化が始まります。エキストラバージンオリーブオイルの基準を満たすためには最低でも収穫後24時間以内の搾油。古くなってしまったオリーブを搾ったら、ひどい臭いと味の油ができてしまいます。
オリーブオイルを偽装する際には、実では無くて、オリーブオイルの状態で偽装します。
あの報道で、摘発されたオリーブオイルは他国産のを混ぜた産地偽装です。
産地偽装は、オリーブオイルを問屋から買ってきて瓶詰めをしている業態の会社で昔から噂になっていました。
そういう意味では、自社でオリーブオイルを搾油している会社の品の方が比較的安全かも知れないです。
ラベルの社名に時折、Frantoio(フラントイオ)という綴りが書いてあります。このFrantoio(フラントイオ)は、搾油所の意味ですので、搾油を自社で行っている事が多いです
安全で良いオリーブオイルは、自社で搾油の品が良いと思います。
オリーブオイルの生産者には二つの業態があります。
1.自社でオリーブを栽培して、自社の搾油場ないし搾油場に委託する業態
2.オリーブオイルを問屋から買ってきて瓶詰めするブレンダーと言われる業態
このうち、2のブレンダーと言われる業態は、オリーブオイルに関わる人間が多くなってリスクが高まります。
オリーブオイル生産者、オリーブオイル問屋、オリーブオイルを運んでいる運送会社、瓶詰め業者。
例えば、オリーブオイルをブレンダーに運ぶときはタンクローリーを使うのですが、何台も来るタンクローリーのうち、一台でも偽装品を入れていて、ブレンダーのタンクに入れてしまったら、誰が持ってきたオリーブオイルか分からなくなってしまいます。
安全で良いオリーブオイルの入手方法
ほかの食物油を混ぜてしまったり、産地偽装だったり。
結局、ここをちゃんと確かめるのは、生産元に一番近い輸入者の責任だと思います。
輸入毎に味見をしてみれば、だいたい分かるはずですが、、、
私も含めて、小さなインポーターは、情熱を持って仕事をしている方がたくさんいらっしゃいます。
安全で良いオリーブオイルは、みなさんにとっては、インポーター選びなのかも知れません。
まとめ 良いオリーブオイルで安全なものとは
私も問合せを受けたことがあるのですが、報道された硫酸銅でコーティングされた古いオリーブの実を使用してオリーブオイルを搾るのは、不可能です。搾ったとしても酷い味と香りのオリーブオイルになりますので、混入できません。
産地偽装含めて、比較的リスクがあるのはブレンダーと言われる業態のオリーブオイル。Frantoio(搾油場)と社名に入っているところは、自社搾油の事が多いです。
いずれにしても、遠い国のことをお客様ご自身で情報を掴むのは、かなり難しいと思います。
私も含めて、オリーブオイルの輸入者の責任では無いかと思う次第です。