パンでオリーブオイルを美味しく食べる方法と探し方をご案内します

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パンとオリーブオイル、イタリアでは

オリーブオイルの召し上がり方として、よくパンにつけますよね。美味しいオリーブオイルとパン。これにワインとサラダもあればシンプルだけど、いい感じの食卓になります。

でも、オリーブオイルの本場イタリアでは、パンにオリーブオイルを付けて食べるのは、食事と言うよりおやつや間食のような食べ方をします。食事の席ではパンは出てきますが、パンにつけるオリーブオイルは、お願いしないと出てきません。

小腹が空いたとき、例えば、子供が帰宅して「お腹空いた!」と言うと、お母さんは「もうすぐご飯だから、パンにオリーブオイルをつけて食べてて」こんな会話をよく聞きます。お腹が空いているせいか、これがとっても美味しい。

私は仕事柄、色々なオリーブオイルを試しますが、やはりパンとの相性が良いオリーブオイルは、イタリアのオリーブオイルが多いと思います。探し方含めてご案内します。

パンとの相性が良いオリーブオイル選び方

パンと美味しいオリーブオイルで欲しいのは、

・ちゃんと味がする
・辛すぎたり苦すぎたりしない
・お料理にもちゃんと使える

こう言うオリーブオイルですよね。このようなオリーブオイルにどうやったら出会えるか、どうすれば巡り会えるか、順を追ってご案内します。

新鮮なオリーブオイル

まず、ピュアオリーブオイル、これは候補から外しましょう。ピュアオリーブオイルは、元々の原材料が質が悪かった(酸度が高かった)オリーブオイルを精製したものです。酸度を下げる精製過程で、体に良い成分も、旨みを全部取り除いてしまった食物油ですから、味がしませんのでパンに付けても美味しくないです。

でも、時折、味がしないエキストラバージンオリーブオイルもあります。この場合は、オリーブの実が熟しすぎていて味が薄いのです。こういうオリーブオイルとパンも美味しくありませんよね。必要以上に熟させる理由は、オリーブオイルを搾れる量が増えるからです。ですので比較的安価な品に多く見られます。

パンにつけて美味しいオリーブオイルを探されるのなら、価格は、定価で1リットル3,500円以上のものをお選びください。250mlだと容量あたりの単価が上がるので、概ね1,400円以上が目安だと思います。あまりに安いと産地偽装など偽物の可能性もあります。安すぎたら、オリーブオイルの生産者は、生活できないです。

そのことをご案内した記事がございます。この記事を書いた頃は、1リットルで3,000円が最低価格の目安だったのですが、今は3,500円くらいだと思います。

定価で1リットル3,000円以下の品を、本物のエキストラバージンオリーブオイルとしてお勧めしない理由。

辛すぎたり苦すぎたりするオリーブオイル、これもパンに合いませんよね。このようなオリーブオイルは、イタリアでも山の中が産地の品によく見られます。理由は、オリーブオイルの味は産地地域の食文化と密接な関係があるからです。猪や羊など、味にクセがあるようなお料理には、辛み苦みが臭み消しの役割も担います。

こちらにオリーブオイルの辛味や苦味についてご紹介した記事があります。もし、お手元にオリーブオイルが苦すぎたら、その対処法もご案内しています。ご参考になさってみてください。

オリーブオイルが苦すぎる場合の対処法

このような背景もありまして、パンに付けて美味しいオリーブオイルは、産地が山の中では無く、沿岸地域で魚介類の食文化を持っている産地のオリーブオイルの方が、出会える確率が高いと思います。

沿岸地域のオリーブオイルは、辛味苦味を抑えるために、オリーブの実が完熟してから搾ります。先ほどご紹介した熟しすぎたオリーブオイルとは違い、味はしっかり感じますし、とってもフルーティー。白身魚などのカルパッチョに、たっぷりかけて、レモンとお塩。お皿に残ったオリーブオイルも全部美味しくいただける。こう言うオリーブオイルです。美味しいですよ!

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これなら、パンにつけても美味しいですよね。飲んでも美味しいくらいなのですが、辛味苦味が少ないオリーブオイルは、オリーブの果汁のような味わいなのですが、取扱がデリケートです。ご家庭での取扱は、常温で問題無いのでが、1番ダメージを受ける輸入の際に、私のようなオリーブオイルを輸入する側の人間が、管理など十分注意してお届けする必要があります。

でも、この果汁のような美味しいオリーブオイルは、飲むのにも適しています。こちらの記事で飲むオリーブオイルについてご案内しています。もし、オリーブオイルを健康のために摂られたいと思ってらっしゃるなら、ぜひご一読いただきたい記事です。

飲んでも良いオリーブオイルと駄目なオリーブオイル

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パンもオリーブオイルもイタリアの食卓では脇役

イタリアで食事中にオリーブオイルでパンを食べていたら、日本の食卓に例えると「おかずがたくさんあるのに、振りかけご飯を食べるようなもの」になると思います。オリーブオイルは食材のひとつという扱いです。美味しいのですけどね(笑)

パンもしかりで、完全に脇役です。
例えば、パニーノ(サンドイッチ)を作るときに、パンの中身を抜いて具材を詰めることもあります。パンもオリーブオイルも、お料理を美味しくいただくための脇役という考え方です。

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イタリアのパンについてのうんちくをひとつ。イタリア北部、トスカーナ州、ウンブリア州、マルケ州ののパンには伝統的に塩が入っていません。中世に塩の税金が上がった時に、対抗策として塩を使わなくしたという説があります。このあたりのオリーブオイルは、辛み苦みが強いタイプの物が多いです。

オリーブオイルとパンの美味しい食べ方

先ほど、食事中にパンでオリーブオイルをすくって食べることはありませんとご案内しました。でも、限りなくそれに近いシンプルな調理法で食べる場合はあります。

パンを1cmちょっとの厚さにスライスして、カリカリに焼いてからニンニクを擦りつけてオリーブオイルをたっぷり。これにトマトの切ったものや、レバーペーストをのせるとブルスケッタというお料理になります。

このお料理は、塩抜き3州のパンで作ると美味しいのです。この食べ方なら、辛み苦みが強いストロングタイプと言われるオリーブオイルでも美味しくいただけます。

トスカーナの伝統的なパン

パンで美味しいオリーブオイルの入手法

さて、パンにつけて美味しいオリーブオイルを手に入れる方法です。私はイタリア産をおすすめしたいと思います。イタリア食材のインポーターをやっているから、ひいき目という訳ではございません。

色々なエキストラバージンオリーブオイルを味見したことがあります。スペイン、ギリシャ、ポルトガル、もちろん国産も。美味しかったのですが、料理の素材として使うと何故か味がしっくりこなかったのです。

オリーブオイルの味と、その地域の伝統料理のレシピを調べると、”オリーブオイルの味は、産地のお料理の味と密接な関係がある”と思います。もしイタリア料理のお味がお好きでしたら、きっとイタリア産のオリーブオイルの味がお気に召すと思います。

トマトと魚介類のパスタ

そして、もし、パンにつけても、お料理に使っても美味しいオリーブオイルをお探しでしたら、そのお役目、私にお任せいただけませんでしょうか。

私は小さなインポーターですが、10年以上営んでおります。輸入している食材は、一般的に流通しているものでは無く、イタリアでも手作りの工房が作った品が多くて、お客様は個人の方やミシュラン星付きシェフのような方が多いです。通販でお買い上げいただいている個人のお客様には、創業期からのお客様がたくさんいらっしゃいます。

それに、この仕事を始める前は、イタリアでコックやピザ職人をしつつ、イタリア中の工房や農園を巡ったので、美味しいものを探すのが得意です。そして、その美味しいものでお客様に喜んでいただくのが大好きです。

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こちらに、看板商品にしているオリーブオイルがございます。上の農園の写真をクリックいただくとご覧いただけます。このオリーブオイルは、北イタリアの山の中、日本人はほぼ訪れていない山奥の農園で偶然見つけたオリーブオイルです。200年間有機栽培を続けている、山奥にひっそり湧く泉のようなオリーブオイルです。

とは申せど、こちらにオリーブオイルの目利きについての記事ご案内しています。まずは、通販などで買われる場合の産地の調べ方を記した記事です。

オリーブオイルの選び方、通販で買うときに味を知る方法についてご説明します。

そして、良いオリーブオイルの見分け方についての記事です。この記事にご案内している内容や方法でオリーブオイルの目利きをして、私はお客様にお送りしています。

良いオリーブオイルの見分け方

ご参考にしていただけましたら、嬉しいです。

まとめ パンとオリーブオイルの相性

1.パンに合うオリーブオイルは、なんと言ってもエキストラバージンオリーブオイル。エキストラバージンオリーブオイルでも、美味しくて、辛み苦みが強すぎないオリーブオイルは、産地が沿岸地域で魚介類が食文化の中心のオリーブオイルです。パンとの相性も良いです。

2.オリーブオイルの味は、お料理の味の基になります。もし、イタリア料理がお好きでしたら、イタリア産のオリーブオイルをどうぞお選びください。そして、その美味しいオリーブオイルを選ぶお役目、ご用命いただけますと、とっても嬉しいです。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。