オリーブオイルの脂肪酸について 成分などを整理してご案内します

オリーブオイルのティスティング

オリーブオイルの脂肪酸

 

脂肪酸の話は、”一価、飽和、不飽和”など専門用語が多くて分かりにくいですよね。

私も専門は料理なので、脂肪酸とオリーブオイルの関係をよく知らなかったので勉強しました。
色々調べたオリーブオイルの脂肪酸についてまとめてみました。

 


 

オリーブオイルの脂肪酸、遊離脂肪酸とオレイン酸について

 

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)における脂肪酸、主成分は7割以上がオレイン酸です。
オレイン酸の効能に関しては、以前の記事に詳しくご案内してありますが、オリーブオイルが体に良いとされているのは、脂肪酸の主成分がオレイン酸と言うことが主な根拠です。

オレイン酸の効能は、
・善玉(HDL)コレステロール値は下げずに悪玉(LDL)コレステロール値だけ下げる。
・バターなどより胃に優しいので胃酸の分泌が少なくできる。
・腸に吸収されにくく太りにくい。
・排泄物を柔らかくするので便秘の予防と解消が期待できる

鮮度の良いエクストラバージンは、オリーブの実の生搾りジュース

詳しく調べるとオレイン酸は、消化吸収率が低いので、オリーブオイルは太りにくい脂肪酸が主成分という事になります。
実際、イタリアでは、健康法としてショットグラス程度の量を飲む方もいますし、生産者は搾油の時期に味見をよくします。
それでも、決して肥満体型になっていません。

でも、気をつけなければならないのが、オリーブオイルを表する時に使用されるもうひとつの脂肪酸、遊離脂肪酸です。

 


 

オリーブオイルは太らないと言われる根拠は脂肪酸の内容

オリーブオイルを表す脂肪酸のひとつに遊離脂肪酸があります。
遊離脂肪酸とは、血液中に遊離して、すぐにエネルギーになる脂肪酸です。しかし、消費しないと中性脂肪になって血中や肝臓に残ってしまいます。

オリーブオイルの遊離脂肪酸比率を算出する際には、遊離脂肪酸をオレイン酸に換算してから比率を出します。
この遊離脂肪酸の比率が0.8%以下だとエキストラバージンオリーブオイルを国際的には名乗れます。

ただし、この遊離脂肪酸は、オリーブオイルの温度が上がると増えます。
お風呂程度の温度でも上がってしまうので、輸入時や国内の物流時も注意が必要です。

ですので、国内にあるエキストラバージンオリーブオイルが全て国際基準をクリアしているのかというと、、、難しいような気がします。このあたりも本物のエキストラバージンオリーブオイルが少ないと言われている理由だと思います。

 


 

オリーブオイルの脂肪酸、遊離脂肪酸は保管状態で増えてしまう。

 

遊離脂肪酸は、オリーブオイルの温度が上がると増えてしまいます。
ですから、輸入する際には飛行機や冷蔵コンテナなどで温度管理しながら運ぶ必要があります。

以前の記事です。
オリーブオイルが熱によって劣化する内容をご説明します。遊離脂肪酸編

私は、イタリアのオリーブオイル職人の人達に温度管理が必要と教えられて、2007年から温度管理を大事にした輸入をしています。この遊離脂肪酸は味覚として感じることができまして、温度管理しないと農園で味見したオリーブオイルに比べて微妙に油っぽくなるのです。

グリーンオリーブとオリーブオイル

 


 

まとめ オリーブオイルの脂肪酸について

1.オリーブオイルの脂肪酸、主成分はオレイン酸です。
オレイン酸の効能は、
・善玉(HDL)コレステロール値は下げずに悪玉(LDL)コレステロール値だけ下げる。
・バターなどより胃に優しいので胃酸の分泌が少なくできる。
・腸に吸収されにくく太りにくい。
・排泄物を柔らかくするので便秘の予防と解消が期待できる。

2.オリーブオイルの脂肪酸のうち、すぐにエネルギーになる遊離脂肪酸の酸度が(日本のJAS法では酸価)0.8%以下がエキストラバージンオリーブオイルの国際基準です。しかし、この遊離脂肪酸は、温度管理が悪いと増えてしまいます。
お風呂程度(夏の外気温)の温度でも増えてしまうので、輸入や国内の配送時にも温度管理が必要だと思います。

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。