新物オリーブオイルは、どのようなもので、どう使うのかをご案内します。

搾りたてのオリーブオイル

新物オリーブオイルとは?

新物エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)の予約を目にするようになりました。
新物オリーブオイルとは、どんなもので、どう使うのかを私が知っていることをご案内させていただきます。

今日は味について。

 


 

新物オリーブオイルには2種類ある

新物オリーブオイル「ノヴェッロ」や「ヌーヴォー」と表されますが、実は2種類あります。

まず、今巷で予約を受け付けているのは、搾っただけで自然沈殿による澱引きも行っていない濁った品が多いです。
実はこのタイプのオリーブオイルはイタリアの小売店では、ほぼ見かけません。

搾りたてのオリーブオイル

もうひとつのタイプが、イタリアで「ノヴェッロ」として売られている自然濾過やフィルターなどを通常の工程を経た品で、
12月頃からイタリアでは店頭に並びます。年明け頃までは瓶に「ノヴェッロ」のラベルが貼られて売り出されています。

これと同じ品は、日本では1月頃から売り出されます。
同じ新物オリーブオイル「ノヴェッロ」という名前で売られていても、日本ではこのように2種類存在します。

 


 

新物オリーブオイル、どちらのタイプか見分ける方法

日本で澱引きもしていないドロドロに濁った品を手に入れる方法は予約販売だけだと思います。

なぜなら、搾っただけの品は非常に傷みやすいので、輸入者、販売者とも在庫したくないのです。
百貨店でオリーブオイルの「ノヴェッロ」や「ヌーヴォー」の販売会を見たことがありますが、あれは稀だと思います。

これら以外で新物オリーブオイルとして売られているのは、澱引きやフィルターなどの工程を経たオリーブオイルです。

 


 

新物オリーブオイルの味、搾っただけなので辛み苦みが強いです。

この2つのタイプの新物オリーブオイルですが、味も違います。
通常の工程を経ている新物オリーブオイルは、いつもの品より辛みや苦みが強い程度ですが、澱引きしていない品は、辛み苦みが強い上にオリーブの果汁感がたっぷり出ています。

オリーブオイルと冷製パスタ

お勧めの召し上がり方ですが、私だったらサラダや魚介のマリネ、カルパッチョなど火を加えないお料理に使用します。
少々オリーブオイルの味が強すぎると感じたら、レモン果汁などで調整してみてください。

飲むオリーブオイルとしては、お勧めできません。
仕事上散々飲んでいる私でも「辛い!」と思うことが多々あります(笑)

 


 

新物オリーブオイルの楽しみ方(その1味について)のまとめ

1.日本で新物オリーブオイルと呼ばれているものには2種類あります。
a.澱引きもしていない搾っただけのオリーブオイル
b.澱引きやフィルターなど通常工程を経ているオリーブオイル

2.特別感があるのはa.の搾っただけの品。辛味や苦みも強いですがオリーブの果汁感がたっぷりあります。お勧めの召し上がり方は、火を通さないお料理。加えてパスタの仕上げに使っても美味しいです。辛すぎた場合はレモン果汁なので調整してみてください。

澱引きしていないオリーブオイルは、季節が限られている特別な品です。
でも、作らない生産者もいます。次回は、それらのことと保存方法などをご案内します。

hinatano 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。