なぜトスカーナ州のオリーブオイルの価格は高価なのか?
今から約20年前、イタリアのエキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)は、もう少し安価だった気がします。値段を上げてしまった大元はトスカーナ州のオリーブオイルでは無いかと感じています。確かに美味しいのですが、品質に比べて割高感を感じます。本日はオリーブオイルの価格の構成について
トスカーナ州は早摘みだからオリーブオイルの価格が高価と言われるけど
トスカーナ州のオリーブオイルは高価です。
理由は、早摘みだからや畑が丘陵地帯だからと言われていますが、そうは思えません。
実の重量あたりの搾油率は、まぁまぁ平均的な数字ですし、丘陵地帯と言っても丘が連なる程度です。
理由は、トスカーナ州というブランドが有名になってしまったことと局地的な物価高。
20数年前からでしょうか、イギリスやドイツのお金持ちがこぞってトスカーナに別荘をもつようになりました。
そのため、年々不動産価格が上がってしまい、今やキャンティと言われるエリアでは、普通のイタリア人は住めない状態に(苦笑)この物価高とトスカーナという地名がワイン含めて世界的に有名になってしまったためにオリーブオイルの価格が高くなってしまったと思います。
オリーブオイルの搾油時期について
彼らが言っている早摘みの時期は、10月半ば以降から11月中旬。
実は、イタリア全土的には全然早摘みではありません。
でも、この時期ではないと収穫できない事情がトスカーナにあります。
トスカーナ州のオリーブオイル生産者の多くは、ワインの生産者です。
ワインの作業が終わった後に、ワインの作業をしていた臨時雇用の人達で収穫する事が多いです。
収穫搾油時期は、オリーブオイルの品質からよりも、ワイン含めた農園全体の都合のような気がします。
デフレマインドなぞ全く持っていないイタリア人
まず最初にトスカーナ州のオリーブオイルのオリーブオイルが高価になり、コンテストなどでトスカーナ州の品と同程度以上の評価を得たオリーブオイルが輸出の場合高価になった。大まかな流れはこんな感じだと思います。
多少高すぎのような気もしますが、どうやらイタリア人にはデフレマインドというものが無さそうです。
一昨年、大不作のため大幅な値上げを多くのオリーブオイル生産者は行いました。昨年大豊作になったのですが、値段は少しだけ下がっただけです(笑)
でも実は、トスカーナ州でも一部の有名な生産者以外は、売れ残りの在庫を抱えております。
高価なトスカーナ州のオリーブオイルを安く手に入れる方法
売れ残ったオリーブオイルは、新しい収穫搾油までに何らかの方法で売ってタンクを空にしなければなりません。
そのため売れ残りのオリーブオイルは、瓶に詰めてから大幅な割引をして販売したり、ブレンダーと言われる農園を持たないオリーブオイルの瓶詰め業者に売ったりしています。割引率は通常価格に30%以上。
味は、地下の低温タンクで保管されていたものは十分美味しいです。
トスカーナ州のオリーブオイルが高価な理由のまとめ
1.トスカーナ州のオリーブオイルが高価なのは、品質と言うよりブランド力
2.トスカーナ州のオリーブオイルは早摘みと言われるが、それほど早摘みでは無い。
なぜなら多くの生産者はワインも作っており、ワインの仕事が終わらないとオリーブオイルの仕事にかかれないから。
トスカーナ州のオリーブオイル全部が、こういう状態では無いかも知れないですけど、20数年見てきた感想です。割り引かれたオリーブオイルは、個人としては魅力的なのですが、お客様はいかがでしょうか?
実は、トスカーナ州のオリーブオイルが大好きなhinatano 加藤 昭広