オリーブオイルの色が美味しさと関係があるかご案内します。

鮮度の良いエクストラバージンは、オリーブの実の生搾りジュース

オリーブオイルの美味しさは、色と関係がある?

エキストラバージンオリーブオイル(以下オリーブオイル)の色を見ただけで美味しそうと思われる方は、かなりオリーブオイル好きな方とお見受けします(笑)特に濃い緑色などは、いかにも美味しそうですよね。
でも、オリーブオイルの色と味は関係があるのか。というお話しです。

 


 

美味しそうなオリーブオイルの色。なぜたくさんあるか

オリーブオイルを搾るオリーブの実の色は、ものすごくたくさんあります。
なにしろイタリアだけで食用のオリーブは200種類以上あります。

それに完熟オリーブは黒いと言われておりますが品種によって差違があります。
hinatanoで扱っているタジャスカ種のオリーブは、完熟になっても緑や黄色、黒と1本の木で複数の色のオリーブの実がなります。搾られたオリーブオイルは、少し黄色がかっている緑色です。

収穫したオリーブの実

私がいつも取引している生産者が、アスコラーナというグリーンオリーブでオリーブオイルを搾ったことがありました。完熟後に搾ったこのオリーブオイルも綺麗な緑色でした。

この両者。どうちらもマイルドな味でした。つまりオリーブオイルの色と味については、あまり関係が無いと思います。

オリーブオイルの味は、早摘みが辛く、そのあと段々マイルドになってきます。この法則通りでした。

オリーブオイル

加えて、色とオリーブオイルの品質に関しては全く関係がありません。
元々の色が違いますので「緑だと新鮮で、黄色だと少し悪い」などということは無いという事です。

あえて言うならオリーブオイルの色の強弱です。
生産者が出荷した時の色より色あせている場合は、葉緑素が光合成で分解して劣化していることが考えられますけど、
元の色は分からないし遮光ボトルに入っていて見えませんので、やはり鮮度の判定に色は使えません。

 


 

美味しいオリーブ。オイル用にするかどうかは搾油率で決まる

グリーンオリーブの事例で触れさせていただいたアスコラーナという品種ですが、これは元々オイル用ではありません。
収穫して、えぐみ抜きをせずにそのまま食べられると言われるほど美味しく稀少な品種です。

オリーブオイルにしても美味しいのですが、なにしろ重量あたりの搾油率が悪すぎる。そのためアスコラーナ種でオリーブオイルを搾っている生産者は、極めて珍しいのではないかと思います。私が取り扱った生産者は”1回だけ趣味で”アスコラーナのオリーブオイルを作りました(笑)

 


 

オリーブオイルの美味しさは、色よりも大事なことが

色は人の味覚に関係があるみたいです。
例えばオリーブオイルの味見をするときは、ソムリエの人達も鑑定人と呼ばれる人達も、青いグラスに注いで味見します。色が味覚に影響することを防ぐためだそうです。ですから販売量を増やすのを目的に、透明なボトルにオリーブオイルを入れる生産者もいるわけです。料理の勉強でイタリアに住み始めた頃、透明ボトルに入ったきれいな緑色したオリーブオイルにたくさん騙されました。(笑)

オリーブオイルのティスティング

オリーブオイルのとって大事なのは、色よりも鮮度です。
私は仕入れ品を決めるときは、色は気にしません。美味しいかどうかと作り手が信頼できるか。だけです。
綺麗な色を演出したいからと言って透明ボトルに入っている品を作っている生産者は、お客様に安心して召し上がっていただく品を提供していないという意味で信用できないと思います。

ご参考:光がエキストラバージンオリーブオイルをどのように劣化させるかご説明します。

 


 

オリーブオイルの色と美味しさの関係のまとめ

1.オリーブオイルの色と美味しさに関係性は無い。何故なら同じ完熟タイプで搾油するオリーブの実も、色々な色があるからです。

2.品質もオリーブオイルの色とは関係ありません。いずれにしろオリーブオイルの色が分かるような透明ボトルに入っているオリーブオイルはお勧めできません。オリーブオイルは光が一番苦手です。

 

エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの実の生搾りジュース。鮮度が一番!
鮮度が良いと信じられないくらい軽くて、美味しいです。

 

hinatano 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。