オリーブオイルを美味しく和食に合わせる方法
健康のためにオリーブオイル(この記事ではエキストラバージンオリーブオイルをオリーブオイルとさせていただきます。)と思って使ってみたけどなかなか上手くいかない。特に和食が中心の食卓なのでオリーブオイルを使用したお料理だけが浮いてしまう。こういうご経験はお有りですか。
オリーブオイルは、加えるだけで美味しくなると言われて入れてますが実際は意外に難しいと思います。
私自身も冷や奴は生姜と醤油でいただきたい派ですのでなんとなく分かります。
和食と合わせるにはどうすれば良いか考えてみました
和食を美味しくいただけるオリーブオイルを選ぶ
オリーブオイルは、”ただ加えるだけで美味しい”と本やWebで目にしてやってみたけど美味しく無かった。
なんだか変な風味もあるし。
この場合、一番の理由は使われたオリーブオイルの味が和食と馴染みにくかったと思います。
オリーブオイルは非常に味のレパートリーが多いのをご存じでしょうか。次に合いそうな品の探し方について
先日ご紹介した「和食にちょい足し」のような使い方でしたら、もともと味の濃いお料理に合わせるので、多少味に個性のあるオリーブオイルでも違和感が無いかも知れません。でも冷や奴や素麺のようなものに加えるとなると、個性の強い味は和の食材の味を壊してしまいますよね。
そういうお料理には、魚介類が食文化の産地のオリーブオイルを選べば合いやすいです。
イタリアの場合、イタリア半島で真ん中から上の海岸沿いのオリーブオイルがお勧めです。オリーブの品種としては、タジャスカ種かジェンティーレ ディ ラリーノ種です。
沿岸部と言えども、南イタリア方面、例えばシチリアあたりまで行くとオリーブオイルの味も濃くなってきます。
理由は、海の近くでも昔は新鮮な魚介類を庶民は、なかなか食べられなかったのでオリーブオイルの味が強くなったみたいです。日本の食文化に例えると、青魚の臭み消しに生姜を使用したような感じですね。
また山の中など肉食文化が中心の地のオリーブオイルは、やはり味が濃いめです。こちらも和食に合わせるのは難しいと思います。加えてスペインやギリシャ産も味が強めです。
量産品のオリーブオイルは和食と合いにくいと思います。
本来エキストラバージンオリーブオイルとは、オリーブの実を搾っただけの生ジュース。
フレッシュ感たっぷりで飲めるのが当たり前です。しかし、日本に入ってきている品の多くは、残念ながら輸入などの物流過程で鮮度が落ちている品が多いのが実情です。それでも一工夫すれば、合うと思うのですが、それは最後の章に
「オリーブオイルを初めて使うにあたって、有名メーカーの小瓶を買ってみたら美味しく無かったのでやめた」
こういう体験談を良く伺います。でも、恐らくそれらの品は、本当の意味でのエキストラバージンオリーブオイルでは無いと思います。イタリア産の場合、エキストラバージンオリーブオイルは1リットルあたり3,000円を下回るとオリーブ農家が生活できないので、あり得ない価格のはずです。でも日本では売られていますよね。あれは、飲めて当たり前のエキストラバージンオリーブオイルの国際基準を満たしていないかも知れません。何故なら、日本の法律にはエキストラバージンオリーブオイルという定義が無いのです。
オリーブオイルと和食の仲介役の食材
とは言えども、お手元に少し味が強めのエキストラバージンオリーブオイルをお持ちの場合ですが、和食との仲介役になれそうな食材を絡めて使われるのはいかがでしょうか?
あいだを取り持つ食材で日常的に使う食材は、トマト、ぽん酢、レモンや柚子あたり、これらはオリーブオイルとも良い相性です。例えば、素麺の付け汁にする際には、柚子とオリーブオイルを加えたり、あるいはトマトをザク切りや鬼下ろしにして加えたりなどです。
オリーブオイルを和食に美味しく使う方法のまとめ
1.使うオリーブオイルの種類も大事。魚介類によく合う沿岸部産のマイルドなエキストラバージンオリーブオイルがお勧め
2.量産品のオリーブオイルは、飲めて当たり前のオリーブの実の生搾りジュースとは違うもの。和食には合いにくいと思います。
3.濃いめのオリーブオイルを和食に合わせるには、味の仲介役になるような、柚子、レモン、ポン酢、トマトなどの食材を使用したお料理にオリーブオイルを絡める方法もあると思います。
ご参考になれば幸いです。
hinatano 加藤 昭広