無濾過のエキストラバージンオリーブオイルは、どのようなものかご説明します。

オリーブオイルの濾過、無濾過とは

エキストラバージンオリーブオイル(エクストラバージンオリーブオイル)を探していると、
”このオリーブオイルは無濾過だから美味しいです。”という謳い文句をご覧になったことがありますか?

無濾過が美味しいのだったら、みんな無濾過にするはずですよね。
オリーブオイルの濾過と無濾過についてご案内します。

オリーブオイル
この写真のオリーブオイルは、デキャンティングしただけです。
微妙な濁りがお分かりいただけますか?

 


 

無濾過のオリーブオイルは、濾過されたものより美味しい?

オリーブオイルは搾った直後は濁っています。
この濁りはオリーブの果肉などですが、非常に酸化しやすい物質です。そのため生産者は、一旦ステンレス製のタンクに保存して濁りを沈殿させます。※この工程をデキャンティングと言います。このタンクの底は円錐状になっていて、その部分に濁りが澱のように溜まります。少し上のところに注ぎ口があり、出荷の際には、そこからオリーブオイルを出します。

そのまま瓶詰めすれば、無濾過オイル、さらにコットンなどで濾過すれば、濾過されたオリーブオイルになります。

搾りたてのオリーブオイル

さて、濾過されたものと無濾過のもの、どちらが美味しいかと言いますと、生産者によります。ある生産者は無濾過の方が美味しいし、ある生産者は濾過されたオリーブオイルの方が美味しい。

濁り部分は、旨みでもあるし雑味でもあります。
旨みになるか雑味になるかは、生産者の搾油方法やオリーブの実の育て方にもよっても違ってきます。
つまり無濾過だから美味しいのでは無く、その生産者の品は無濾過の方が美味しい。という考え方が正しいと思います。

 


 

オリーブオイルを濾過することに情熱を持っていた職人さん

一人の生産者で無濾過と濾過、両方のタイプのオリーブオイルを作っている人もいます。両方味見したことが何度かあるのですが、どちらが美味しいかは作り手によって違う。というのが私の感想です。

一人濾過に情熱を燃やしていた職人さんがいました。
彼はコットンで1回濾過した後、ペーパーフィルターを3回もかける人でした。彼のオリーブオイルは、とてもクリアーな味で私も気に入っておりましたが、残念ながら5年ほど前に引退してしまいました。

オリーブオイルは、オリーブの実のジュース

 


 

無濾過のオリーブオイルは、デリケート

濁りの部分は酸化しやすくデリケートと申し上げました。
秋に新物オリーブオイルとして出回るのは、多くの場合デキャンティングもしていないので、ものすごくデリケートです。

通常オリーブオイルの賞味期限は、瓶詰めから18ヶ月ですが、新物は6ヶ月で生産者は指定してきます。
私は3ヶ月くらいが美味しく食べられる限度だと思います。

 


 

無濾過のエキストラバージンオリーブオイルは美味しい?のまとめ

1.無濾過のオリーブオイルとは、デキャンティングしただけで瓶詰めしたもの。濁りの成分はデリケート

2.濾過と無濾過、どちらが美味しいかは、生産者によって違う。濁りの成分は、作り手によって旨みになったり雑味になったりする。理由は、オリーブの実の育て方や搾り方によって味が変わってくるからです。

 

オリーブオイルを楽しむ情報を、もっともっとお伝えしていきます。
濾過、無濾過、両方のタイプのオリーブオイルとも大事なのは鮮度。だと思います。

hinatano 加藤 昭広

#, #

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。