スパゲッティとフォークとスプーンの関係

イタリアの人が、スパゲッティにスプーンを使わない理由

スプーンを使いながらスパゲッティをフォークで巻くのは、一口サイズに巻くのが簡単だし、丁寧に食べているみたいで、個人的には良いなと思います。

でも、イタリアではスプーン使わないんですよね。

使わない理由は、食器それぞれには、役割が決まっているので、それに沿っているだけ。だと思います。

スプーンは、あくまでもスープ類をいただく道具。ですから、リゾットもフォークでいただきます。

スパゲッティにスプーンを使い出したのはアメリカの人

ここから先は、「確かそうだったと思う」という私の記憶から、書かせていただきます。すみません。

そもそも、スパゲッティを巻くのにスプーンを使い出したのは、アメリカの人です。

それも確か、第二次世界大戦で、イタリアに進駐してきたアメリカ兵だったと思います。

当時から、スパゲッティはアメリカにもありました。

また、缶詰のスパゲッティなるものも、アメリカでは一般的に売られていて、戦場でも食べられていたらしいです。

でも、缶詰のスパゲッティ、麺が短かったみたいなんです。食べるときも、フォークで引っかけて口に運ぶ感じ。

それで、スパゲッティの本場イタリアに来てみたら、麺が長い。

慣れ親しんだ、フォークの先に引っかけて食べようとしても、麺が長いので、難しい。
持ち上げたら頭の高さになってしまう。

イタリアの人の食べ方見ると、どうやらフォークでクルクル巻いている。
でも、真似てみたら、巨大なスパゲッティの塊になってしまう。

スパゲッティ数本をお皿の端で引っかけて、クルクル巻けば良いのですが、知らないと出来ませんよね。

それを見ていたレストランのウェイターさんが、巻き易いようにスプーンを渡したのが最初だと、聞いた記憶があります。

映画「ローマの休日」でのひとコマ

イタリアだけで無く、ヨーロッパ各地でも、スパゲッティ食べるときには、フォークでクルクル巻くのが一般的。

映画ローマの休日で、ヨーロッパの王女役のオードリー・ヘップバーンが、グレゴリー・ペック演じるアメリカ人記者が、スパゲッティ食べるのにスプーンを使おうとしているのを見て、「アメリカの人らしいわね」のような事を言っていた記憶があります。

スパゲッティは、メニューの少数派

よく知っている食べ物でも、本場に行けば知らなかったことがある。

そんな話のひとつが、このスパゲッティとスプーンの関係だと思います。

そのスパゲッティについてもう一つ。
イタリアのレストランに行くと、パスタのメニューのうち、スパゲッティの比率は約2割。

ロングパスタ(長いパスタ)と呼ばれるスパゲッティは、イタリアだと少数派なんです。

理由は分かりませんが、ペンネのようなショートパスタだと、同じ重量でも食べ応えがあるんですよね。

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。