全てのオリーブオイルが体に良いのか? オリーブオイルと健康について(その1)

今日は、美味しいオリーブオイルとは、少々違うお話しです。
健康のために、オリーブオイルを摂られている方も多いと思います。
しかし、”全てのオリーブオイルが、体に良いのか?” が今日のテーマです。

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イタリアを紹介するテレビ番組で、エクストラバージンオリーブオイルをウイスキーのショットグラスのようなものに入れて、飲んでいるご老人を見たことがあります。

これは、健康のためだとか
しかし、いくら体に良いと言っても、サラダ油などの油を、あんな風に飲んでしまったら体に良いとは思えません。その違いは、なんなのでしょう。

オリーブオイルの良いとされている成分は、オリーブオイルの脂質の約7割を占めるオレイン酸に代表される一価不飽和脂肪酸。これは、悪玉コレステロールだけを下げてくれる優れものです。健康のためにオリーブオイルを摂られる方は、このことをご存じだからだと思います。

さて、全てのオリーブオイルが、このように体に良いものだけを含んでいるか?

実は、管理されている状態によって、オリーブオイルの成分が変質している可能性があります。

以前からご紹介しているブログで温度や光など管理条件下により、オリーブオイルが劣化するオーストラリアの公的機関が出した研究レポートには、そのことが記されていました。

原文のレポート24ページから26ページの(4.1.5 Pyropheophytin a)には、温度管理状態によってピロフェオフィチンaが増えてしまうことが記されています。
※ピロフェオフィチンaは、オリーブオイルが加熱され、クロロフィル(葉緑素)が色素分解を起こすと産生される酸化物質と聞いています。

37℃で蔵置すると、概ね45日でエクストラバージンオリーブオイルの基準を越えてしまっています。この37℃という温度は、物流過程を工夫しないと簡単に越えてしまいます。ほかにも、遊離脂肪酸が増えたりすることが、このレポートでは紹介されています。追々ご案内いたします。

※このレポート制作にあたって、試験機関は、オリーブオイルを成分別9タイプに分けて検査しています。
グラフ内に記してあるLPやHLの記号は、そのオリーブオイルのタイプを表しています。

例えば、
LPは、Low Polyphenolsの略で、ポリフェノールが低い
HLは、High Linoleic acidの略で、リノール酸が高い

オリーブオイルの輸入や国内物流には、細心の注意が必要だと思います。私は、生産者の人達から、「美味しくて体に良いオリーブオイルであり続けるために、温度管理が必要だ」と説かれて、物流過程や夏場に仕入れしないなど温度管理に拘って8年間営んできました。ですからお客様に体に良くて美味しいオリーブオイルとして、自信を持ってお届けできています。

教えてくれたくれた、生産者の方々に、ただただ感謝しています。

株式会社 il Bianco 加藤昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。