オリーブオイルの選び方、その3 美味しいオリーブオイルと賞味期限の関係

輸入食品の食品ラベルに「欄外に記載」と書いてある品をよく見かけます。
しかし、外国の表記は分かりにくく、日付と年が日本の逆であったり、月の表示が外国語の略の場合もあります。

そこで、私の所では日本語ラベル貼りを外注に出さず、自分の所で日付を印刷して貼っています。
納品の手間は、非常にかかるのですが、自分の商品の把握には良いことです。

お客様の店頭に伺った際に、賞味期限を見れば「いつ輸入して、いつ頃納品した品」か分かります。

2017年Genとあるのは、Gennaio(1月)のイタリア語表記。これは、平成29年1月31日(火)賞味期限

2017年Genとあるのは、Gennaio(1月)のイタリア語表記。これは、平成29年1月31日(火)賞味期限

これは、10日 1月 2017年。海外表記をご存じ無い方は、何のことか分からないと思い、日本語ラベルに具体的に日付を入れてます。

これは、10日 1月 2017年。海外表記をご存じ無い方は、何のことか分からないと思い、日本語ラベルに具体的に日付を入れてます。

さて、この賞味期限ですが、イタリアの法律でオリーブオイルは、製造から18ヶ月が賞味期限とされています。
以前、ブログで温度や光など管理条件下により、オリーブオイルが劣化するオーストラリアの公的機関が出した研究レポートのことをご紹介しました。

PDFで要点をまとめたものがございますが、それをご覧いただくとお分かりの通り、15℃以下で保管すると18ヶ月経過して時点でも、ほぼ収穫直後と同じ状態なのでこれが根拠になっていると思います。※私の日本の倉庫は、最近真夏の温度設定が約25℃になってしまっております。できるだけ早く訂正します。

そうしたこともあり、オリーブオイルの生産者は、15℃程度で保管されたタンクから瓶詰めした時点で”製造”と判断して、瓶詰めから18ヶ月で賞味期限を打ってきます。管理や蔵置されている温度、ポリフェノールなどの抗酸化物質の含有量などの条件にもよりますが、状態の良い、美味しいオリーブオイルは、概ね賞味期限の残り半年以上が目安になると思います。

ただし、これは色つきの遮光ボトルの話です。透明ボトルは、未開封でもオリーブオイルの葉緑素が光合成を行い酸化してしまいます。私の55mlの透明ボトルですが、卸先にお送りする直前まで箱に入れたままで大体2ヶ月以内で販売できていると思います。もし、弊社のこの商品で開封してみたら「酸化していた」ということがございましたら、ご連絡ください。お願い申し上げます。

さて、この賞味期限の考え方の例外が一社あります。
カーザブルーナ(フラントイオ ビアンコ社)です。
彼らは、オリーブオイルの製造日とは、搾油した日であると強く考えております。

7月に入荷した品です。これは、2014年12月に搾油した品です。表記は、日本と同じですので裏の食品ラベルに具体的な日付を書いていませんが、搾油日でも書こうかと考えたことがあります。(笑)

7月に入荷した品です。これは、2014年12月に搾油した品です。表記は、日本と同じですので裏の食品ラベルに具体的な日付を書いていませんが、搾油日でも書こうかと考えたことがあります。(笑)

彼らも地下タンクで低温管理していますので、瓶詰めから18ヶ月で打ってきても良いのですが、真面目といいましょうか、なんと申しましょうか。それに自身の仕事に信念を持つことには、深く共感します。

しかし、輸入業者としては、空輸されてきても残りの賞味期限が10ヶ月となるとなかなか販路開拓できません。賞味期限が短い品は、卸先のお客様がお取り扱いいただきにくいものです。

日本の現状を話して、「ほかの生産者と同じにしないか?」と聞いたことがあります。
そのときの返事が「オリーブオイルの製造から18ヶ月とは、搾油から18ヶ月のことである。低温管理しているから多少賞味期限過ぎても問題無いとお客様に言ってください。」

いや、そうじゃなくて、、、まぁ、でも、このガンコな姿勢が、私が彼らを信頼する理由でもあります。

株式会社 il Bianco 加藤

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。