バルサミコの値段が違うわけ

添加物の入っていないモデナ産のバルサミコ
250mlで500円くらいから5,000円以上の品まで
バルサミコの値段ってほんとに幅が広いですよね。

 

さて、その違いの理由はと言いますと、「作り方の違い」です。

 

簡単にご案内を
一番高価な「伝統的モデナ産のバルサミコ酢」(ACETO BALSAMICO DI MODENA TRADIZIONALE)というのは、モデナという地域のぶどう果汁を使用し、酢酸菌をスターターにして木の樽で何年もかけて発酵熟成させたものです。DOP認証(イタリア的に、”これ本物です。”という認証みたいなものです)を受けるには最低12年の熟成が必要です。ワインにできるクオリティーのぶどう果汁が、熟成によってとても少なくなるし手間もかかるので当然高価になります。100mlで10,000円くらいは、あたりまえ。
でもこのレベルの品は、芳香で甘味が強い味に。私は、酢と言うよりベリー系のソースのように感じます。
”伝統的”というくらいなので、これが本来の作り方なのでしょう。

 

分かりにくいのは、このほかの「モデナ産のバルサミコ酢」(ACETO BALSAMICO DI MODENA)
これは実に色々な作り方をされてます。
安価にするためワインビネガーにカラメルや香料を加えて甘くして味を似せたりしています。まぁ美味しければ良いと思いますが、問題は添加剤。質の悪いぶどう果汁の防腐剤として使用される二酸化硫黄が、その一例です。そのためバルサミコ酢の輸入に際しては、二酸化硫黄の自主検査を検疫所から言われています。

 

よく「IGP認証を受けています。」というのがありますが、私の感想では、オリーブオイルも含めて「IGPは原材料の産地と製品の生産地まで保証するもので、美味しさまで保証するものではない。」と思います。

 

でもそうなると「いったいどうやって選べば良いの?」という話になりますよね?

私だったらこうします。
1.あまり安価なもの避ける。250mlで1,000円以下の品は原材料や物流が心配なので避けます。
2.原材料ラベルをよく見る(カラメルや二酸化硫黄と書いてある※つまりは加えている)ものは避けます。
3.遮光ボトル。お酢と言えども光による劣化が心配です。赤ワインも遮光ボトルですからね。

 

さて、モデナ産のバルサミコ酢(ACETO BALSAMICO DI MODENA)を扱っております。
コロンナ家のバルサミコ 250ml
コロンナ家のバルサミコ 55ml
Co38
この品は、本物の貴族のコロンナさんが、モデナのお友達に作ってもらっているものです。
Vinagro(酢のもの)di Colonna 「コロンナ家のお酢」とでも訳すのが良いのかも知れません。
モデナ産のぶどう果汁に、スターターとしてオーガニックワインビネガーをごく僅かに加え、
木製の樽(樫、桜、ジュニパー、桑)に順に移し替えながら5年間熟成させて
最後の一年間は蒸発のスピードを上げているので、雰囲気的には8年ものくらいです。
添加物を含んでいないので、自然な甘味があります。よくリピートしていただいている品です。
輸入する際の運び方は、勿論「空輸」か「ごくまれに15℃で設定されたリーファーコンテナ」です。
※55mlは透明ボトルです。出荷するまでは冷暗所で保管しておりますが、お手元に届いてからはできるだけ日に当たらないようにしてください。

 

以前は、スターターに酢酸菌を使用していたのですが、ロット(樽)によって味がバラバラでした。
酢酸菌は生き物ですからね。
でもこの作り方にしてから、ものすごく品質が安定しています。
美味しいですよ。ぜひお試しください。

 

株式会社 il Bianco 加藤 昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。