今日も健康に良いとか、飲めるオリーブオイルなどとは、別の話です。
先日のイタリア出張では、帰路スーツケースが行方不明になったことを書きました。
実は、写真のパンが入っておりましたので、カビたらどうしようかと心配しておりました。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、これがPANE TOSCANO(トスカーナのパン)というやつです。
丸々1個のが、1kgリーフ(塊)で天然酵母のもの。
右側が、全粒粉のもので1KGリーフを半分にしたもの。
両方とも薪釜で焼いたのもです。
本当は、2kg程度の大きさが、(つまり倍の大きさです。)正統と言いますか、伝統的なものだと思います。
巨大な塊を、高温の薪釜で一気に焼き上げる。
外側は、ガチガチに硬くなりますが、中はモチモチです。
大きいほど、そのモチモチ加減が良い感じになります。
ただ、この正統派トスカーナのパンの条件
1.2kgリーフ
2.薪釜焼き
3.天然酵母
これを満たしている品に出会うのは難しくなっております。
私が知っているのは、フィレンツェから南東50kmほどのところに
人口50人くらいの山村があります。
その村に、この正統派トスカーナパンを焼く人がおります。
そのパン工房への最後の訪問は、6年くらい前です。懐かしい。
えーっと、パンの話だけで、ブログ2、3枚分になってしまいそうなので、
今日は、そのうちの塩の件だけ。
このトスカーナのパン、実は塩が入っておりません。
理由は、諸説様々で、
大昔、塩の増税に対抗して塩抜きにしたという説がございます。
この塩抜きのパンは、トスカーナ州に隣接する、ウンブリア州とマルケ州にもあります。
日頃、この三州は、それほど仲が良くないのですが、なぜかパンだけは同じです。
さて、この塩抜きのパン。
そのまま食べれば、それは、あまり味がしないでしょう。
でも、この塩抜きのパンと赤ワインに合うように、当地の料理は、塩がやや強めではないかと思う次第です。
塩抜きパンと赤ワイン、やや塩が強めの肉料理やサラミ、生ハム、濃いトスカーナ州のオリーブオイル
3つ合わせると、それはそれは(笑)
株式会社 il Bianco 加藤昭広