創業は1902年。この方のパスタ、海外では有名高級食料品店で取り扱われていますが、日本ではあまり知られていません。南アルプス・ドロミテのパスタ職人のお話し。


リカルドさんと私。彼、白髪増えました。私もですが(笑)

リカルドさんと私。彼、白髪増えました。私もですが(笑)

助けられちゃいました。
写真の方、パスタメーカーFelicetti社の社長Riccardo Felicettiさん(リカルド フェリチェッティ)さんです。

この方の有機生産パスタ工房は、とても技術力が高く、どことは申し上げられないのですが、日本のとある有名パスタの受託生産も請け負っております。彼の自社ブランドSELEZIONEも、日本ではあまり知られていませんが、高級パスタとして有名で欧米の有名高級食料品店で売られています。

なんで私が扱っているかと申しますと、この仕事を始める前にフェリチェッティ社があるPredazzo(プレダッツォ)という北イタリアドロミテの山の中にある小さな町に行ったことがあったり、最初の訪問の際にレンタカーが壊れて会えなかったり、その時のお互いのやり取りで信頼関係ができたり、いろいろ経緯がございます。顛末書いていると本が出来そうな量なので、それは後日とさせていただきますね。

そして、
なんで海外の有名高級食料品店で扱われているにも関わらず、日本の小売店にほとんど売られていないかと言いますと、、、、、私の力不足です。(苦笑)

商品は、超一流なのですが、私は小さな輸入業者です。
創業以来、すこしずつ卸先のお客様が増えましたが、お取引先40店弱の小さな会社です。ましてや、このパスタは元々高価なので、使っていただけるお店も限られております。

そんな中、今春幕張にて催されたFoodexに来日され、イタリア人シェフがいるレストラン何軒かを紹介されました。彼自身で営業をしてくれたと言うわけです。「すみません。お手数おかけします。」です。(苦笑)

まずは丸の内のアンティカ・オステリア・デル・ポンテさんに使っていただけることになり、スペルト小麦のフジッリをお納めしました。そのほかにも何軒か紹介していただいていますが、全てなかなかの高級店。どうやら来日する度に少しずつお友達増やしいたみたいです。

せめてもの御礼に、彼と彼のご先祖様について、渾身のプレゼンテーションです。

felicetti.spaghettini

Pastificio Felicetti社の創業は1902年(明治35年)雪に閉ざされる地域の人達のために
Pastificio Felicetti社は、トレンティーノアルトアディジェ州、ヨーロッパ南アルプス、ドロミテの山の中Predazzoという小さな町にあります。創業した1902年(明治35年)当時ここはオーストリアの一部で、今でも日常会話でドイツ語をよく使います。リカルドさんは、イタリア語、フランス語、ドイツ語、英語4カ国語話します。日本語は「無理」だそうです。(笑)

さて、このPredazzoですが、最寄りの大きな町、Bolzanoからは、約50km。今でこそ、車で1時間の距離ですが、創業当時、冬の間は雪に閉ざされたと聞いております。当時マッチ工場を営んでいたFelicetti社は、地域の食料対策としてパスタ工房を始めたとのことです。

町との往来が可能な夏の間、パスタを運ぶよりも粉を運んだ方が、かさばらなくて効率的。
冬の間、その運んだ粉と雪(水)マッチ工場の火を使用して、地域の人のためにパスタを作ったそうです。

アルプス山中、Predzzoにあるフェリチェッティ社。彼の名字は、通りの名前にもなっています。町の名士ですね。先祖代々地域に尽くしていますから。

アルプス山中、Predzzoにあるフェリチェッティ社。彼の名字は、通りの名前にもなっています。町の名士ですね。先祖代々地域に尽くしていますから。

これは、マリナコロンナ社のコロンナさんに聞いた話ですが、フェリチェッティ社もあるトレンティーノアルトアディジェ州の人達は、人や地域に尽くす姿勢が素晴らしく、2009年の中部アブルッツォ州のラクイラ地震の際にも、イタリアで1番北方の彼らが、遠路はるばる州を挙げて援助したらしいです。

あのときの首相は、ベルルスコーニ。イタリアは中央政府の動きが、ほんとに遅いらしいのです。

正確で緻密な仕事は、業界では折り紙付き。しかし
さて、このFelicetti社の人達ですが、ドイツ系の人達の気質と申しましょうか、仕事が正確で緻密です。私は、41回仕入をしていますが、指定の日時に遅れたことは一度もありません。

生産も緻密で、ペンネの溝の深さまで決まっています。オーガニックパスタ工場なのですが、大手メーカーのオーガニックパスタの受託生産も行っているらしく技術は折り紙付きです。

銅製の穴から打ち出されたパスタ。確か誤差は0.2mm以下だと思います。すっごく緻密

銅製の穴から打ち出されたパスタ。確か誤差は0.2mm以下だと思います。すっごく緻密

世界最高を目指して
しかし、イタリアでパスタと言えば、南イタリアが有名。どんなに良いものを作っても、地名で負けてしまうのが、かなり悔しかったようです。

そこで、世界最高のパスタを作ろうとして作ったのが、私が取り扱うSELEZIONEシリーズです。原材料に徹底的に拘りました。有機栽培はもちろんのこと、遺伝子学的に純粋な小麦品種。つまり収穫量を上げるために品種改良されていない品種を世界中歩いて探しました。スペルト小麦などは、260種のうちから5年かけて探したらしいです。社長のフェリチェティさんは、言います。「南イタリアのパスタは、フェラーリ。私たちのはポルシェのようなもの。どちらも世界最高でしょ」この方謙虚なのです。

さて、私がお役にたてること
彼らが作ったそのままの品質でお届けするように輸入しています。必ず空輸か冷蔵コンテナを使用しています。乾麺ですけど温度管理は必要です。

市場に出回ることは無いと思いますが、輸入した乾燥パスタがカビる話を聞いたことがあります。これは、空調の付いていないドライコンテナを使った場合、わずかに残っているパスタ中の水分が、コンテナが高熱になることより出てきて、内袋に水蒸気として付着。冷えてからその水分でパスタが黴びるということです。

カビなくても、そんな運び方したら、美味しいとは思えないので、私はドライコンテナを使いません。

なには、ともあれ
今、セール中でもありますので、この自称ポルシェのようなパスタ。
一度お試しください。

いま、お勧めコメント書き直しております。
ご参考になさっていただければ幸いです。

実は、スキーに行ったことがありまして。こちらの人は、「スキーと言えばスピードを楽しむもの」標高2,500m付近からの直滑降は、最高でした。ゲレンデの横幅がメチャクチャ広いので、衝突することは、ほぼ無い。かと

実は、スキーに行ったことがありまして。こちらの人は、「スキーと言えばスピードを楽しむもの」標高2,500m付近からの直滑降は、最高でした。ゲレンデの横幅がメチャクチャ広いので、衝突することは、ほぼ無い。かと

株式会社 il Bianco加藤昭広

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ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。