北イタリアのうるさ方が認める味

北イタリアのリグーリア州は、オリーブオイルの名産地

このオリーブオイルの産地は、フランスとの国境に接しているリグーリア州。この地の人達はイタリアでも頑な気質で知られています。

Googleマップでリグーリア州を検索してFrantoio(イタリア語で搾油場、多くの場合オリーブオイルの生産者を意味します)と検索してみてください。軽く50以上の生産者名が表示されます。実際には100以上の生産者がいるのですが、それでも有名なオリーブオイルコンテストの本(FLOS OLEI)に出てくるのはわずか数社、一方、同じく有名な産地のトスカーナ州からは150くらいの生産者が名乗りを上げてきます。リグーリア州のオリーブオイル生産者は、華やかな他者からの評価よりも、自らの仕事を大事にする職人気質の塊のような人達です。

薄い緑の木は全部オリーブ。オリーブの中に人が住んでいる。リグーリア州の海沿いは、そんなところです。

薄い緑の木は全部オリーブ。オリーブの中に人が住んでいる。リグーリア州の海沿いは、そんなところです。

北イタリアのうるさ方も認めるオリーブオイル職人

当然この地の人達は、お気に入りのオリーブオイル生産者がいて、海外で有名な生産者のオリーブオイルでも、隣町になると「そんなオリーブオイル聞いたことが無い」となるのですが、このオリーブオイルの生産者のFRANTOIO BIANCO社とブルーナ家のことは有名。

200年前からの農園を守るのは5代目のヴィンセンセンツォ・ブルーナさん。社長業は息子に譲り、いつも山の畑にいます。

200年前からの農園を守るのは5代目のヴィンセンセンツォ・ブルーナさん。社長業は息子に譲り、いつも山の畑にいます。

私もあの地の色々な宿やレストランで「FRANTOIO BIANCOのブルーナ家の人達と仕事をしている」と話すと「ああ、あそこの人達は良い仕事をしているよね」とよく言われます。ライバルのオリーブオイル生産者が多いのに、手間のかかる有機栽培だけを山奥で200年続けていることに、この地の人達は一目置いていると思います。

北イタリアの山奥で手作りのオリーブオイル

収穫も搾油も全て手作業。仕事ぶりは実に丁寧。12年仕入れていますが、味が変わったことは一度もありません。
きっと200年間ずっと続けているのだと思います。

オリーブの収穫
搾りたてのオリーブオイル

北イタリアのうるさ方も認めるオリーブオイル。ぜひご覧になってみてください。

#

ヒナタノ店主・加藤 昭広

おいしいもので喜んでいただくことが大好きです。おいしいものを探してイタリアへ移住。気がついたら仕事になっていました。
自他ともに認めるオリーブオイル ヲタクです。
このブログでは、おいしい話しやイタリアの職人さんたちから聞いた小ネタを紹介しています。