暑い時期の保管で気をつけるポイント
いつもありがとうございます。
そろそろ暑くなってまいりました。この季節、大事なオリーブオイルの保管方法が気になりますよね。簡単にポイントをご紹介します。
オリーブオイルが熱での劣化が始まる目安は大体30℃から
オリーブオイルが熱で劣化する条件には、温度と時間とオリーブオイル自身の熱に対する耐性があります。
オリーブオイルの熱に対する耐性は、抗酸化物質のポリフェノールの量と比例します。このポリフェノールは辛さや苦さで感じることができます。
オリーブオイルが熱で劣化するとどうなるかと申しますと、
1.遊離脂肪酸が増加することによる「油っぽさ」
2.ピロフェオフィチンaが増えることにより「フレッシュ感の喪失」
この二つが挙げられます。
遊離脂肪酸の場合、高ポリフェノール、つまり苦くて辛い味が強いタイプのオリーブオイルなら、37℃の環境に置いても2年以上基準内です。
一方、マイルドなタイプのオリーブオイルなら半年で基準を越えます。
しかし、ピロフェオフィチンaへの劣化は、ポリフェノールで抑えることができませんので、どのタイプのオリーブオイルでも、37℃の環境に置いたら2ヵ月くらいで基準値を超えて、オリーブオイルのオリーブの実の生搾りジュースのような味わいが無くなっていきます。
しかし、言い換えると、お手元に届いた段階でオリーブオイルの鮮度が良ければ、37℃の環境でも2ヶ月程度は大丈夫という事になります。
ですので、私は「私のところからお求めいただいたオリーブオイルなら、ひと夏程度は常温保管(流しの下)で大丈夫ですよ」とご案内しております。
イタリアの生産者達は、概ね30℃以下の環境に置くことを推奨してきます。
実は瓶詰めも温度管理は必要です
瓶詰めでエキストラバージンオリーブオイルを使用している場合は、温度管理をおすすめします。
通常瓶詰めは、瓶詰め後に加熱をするのですが、必要最小限の時間と温度で加熱する低温加熱をしている場合があります。
必要最小限の時間の加熱で済ますことにより、瓶詰めの中身の味を変えないように生産者の人達は工夫をしています。
緑色が綺麗なジェノベーゼペースト。瓶詰め後の加熱を行っておりません。
基本的には常温保存で問題無いのですが、未開封でも直射日光が当たるような高温の場所での保管は、風味が悪くなっていきますので避けた方が良いと思います。
ヒナタノでは適時クール便を使用しています
瓶詰めの内容や天気や気温で私達は発送にクール便を使用しています。
オリーブオイルは低温でも劣化をしますので、できればクール便は避けたいです。そのため発送日にクール便を使用するか私どもの判断で決めますので、お客様にはクール便代を頂戴しておりません。
冷蔵庫の使用はNG、保管は流しの下など冷暗所で
オリーブオイルや瓶詰め保管には冷蔵庫はおすすめいたしておりません。
理由は低温で固まることにより劣化するのと同時に、凝固と融解の連続によりオリーブオイル内の食物繊維が劣化する可能性があるからです。食物繊維が切れてしまうと、オリーブオイルは急速に劣化します。
詳細は、こちらにご案内しております。よろしければご覧になってみてください。
・オリーブオイルが熱によって劣化する 遊離脂肪酸編